同盟国にウソ情報も

米国防総省が宣伝戦へ新部局
読売新聞 2002年2月19日
  【ワシントン19日=永田和男】 19日付米ニューヨーク・タイムズ紙によると、国防総省は昨年の同時テロ後に新部局「戦略的影響局」を設置し、米国の対テロ戦争遂行に同盟国の世論を味方につけるための各国メディア向け情報操作を研究しており、必要なら意図的に誤った情報も与えることも含め検討を進めている。 戦時に敵国に対する放送やビラまきによる宣伝戦は古くから行われているが、アジア、西欧まで含めた同盟国に対して仕掛けるのは異例で、国防総省内でも問題点を指摘する声が上がっているという。 新部局は対テロ戦争開始に当たって、特にイスラム圏諸国の友好国支持のつなぎ止めが重要とのブッシュ政権内の判断で設置されたもので、昨年10月議会が承認した100億ドルの国防総省向け緊急追加予算の中からふんだんな割り当てを得ているという。 関係者は新部局について、国防総省外部の関連機関や、国防総省が発信元とはわからない電子メールを通じて、「真っ黒(うその情報)から真っ白(正確な発表)まで、海外の世論に影響を与えるあらゆる情報を流して米国の政策への支持と敵対的な国への非難を形成する」と話している。