アサヒビール株式会社、第81回定時株主総会、質疑

質問 韓国の焼酎メーカをM&Aする件で、キリンは手を引いたがアサヒは採算性があると考えているのか。
回答 ジンロの投資について、本日入札に参加している。 他社と組んで入札していて、秘密保持義務があるので詳細は言えない。 リスクを計算して交渉に臨んでいる。

質問 株価の純資産倍率は。
回答 PBRは期末の株価で計算すると約1.5倍、現在の株価では約1.6倍になる。

質問 4月1日からキリンのキャンペーンが始まるが対抗策は。
回答 商品の特性に合わせてキャンペーンを実施している。 現在は鮮度実感キャンペーンやうまいじゃないか本生キャンペーンや本生ゴールドの試飲を行っている。

質問 長期株主に対する何かはないのか。
回答 一昨年に個人株主を増やすためのプログラム、単元引下げや株主優待など、を始めた。 長期に保有してもらいたいと思っている。

質問 未成年のアルコールは避けないと行けないが、増えている。 営業の対応や自動販売機に対する対処はどうなっているのか。
回答 お酒は日々の潤いを与え、節目の行事でも大事なものである。 しかし適量を楽しくいただくのが大事。 昨年は妊婦は控えるように商品に記載した。 未成年の飲酒は現在社会的に大きな問題である。 ある報告では中高生の半分は飲んだ事があるとのこと。 行政と企業と消費者の協力が欠かせない。 未成年の飲酒の始まりは周りの大人が勧めた事にからが多い。 中高生向けにビデオテープを作り、現在7600校に配っている。 今年の秋ぐらいに未成年の飲酒予防の基金を作り、力を入れている人を支援していきたい。 みなさんも飲ませないようにお願いしたい。 自動販売機は1994年から援助金をやめている。

質問 子会社の貸付金は金利が発生しているのか。
回答 直接銀行から借り入れできない子会社のために代わりに借りて、貸し付けている。 短期的な場合は市場金利で、長期の場合は調達金利に利益を上乗せして貸している。
質問 子会社の貸付は金利を取らないでほしい。

質問 土地の価格は何を基準にしているのか。
回答 土地は取得原価法で行っているので、取得価格になる。
回答 含み益はどれだけになるか。
回答 手元にデータはないが、路線価格で見ると含み損30億円、連結で100億円ぐらいになる。
回答 大森工場の売却ではどうであったか。
回答 証券化して売却し利益が出ている。

質問 投資資産の有価証券について代表的なものを教えて欲しい。
回答 1位がセブンイレブンで31億円、オリオンビール21億円、帝国ホテル27億円である。
質問 有価証券がなければ他社の業績に関係なく安定した経営が出来るので、売却して欲しい。

質問 利益処分で200億の利益があるのであれば、30億は配当してほしい。 配当増額の動議をする。
回答 動議も含めてこの場で審議したい。

質問 新たな事業として花器を加えて欲しい。 なぜしないのか。
回答 残念ながら新規事業の案に花はない。 日本の消費は成熟しているので大幅増はないと考えている。 食と健康の分野で新規事業を考えている。

質問 アサヒの発展はスーパードライにあると思っているが、これは味を極めたのか。 それとも発展の余地があるのか。 経営資源をスーパードライに集中したほうがよくないか。
回答 製法を含め、さらに上へと研究している。 今の取り組みは鮮度である。 缶は工場出荷から3日で届くようにした。 樽は扱いにより味に差が出る。 飲んでうまいと思っていただけるようにメンテをしている。

質問 発行株で1期の安定株主は何割ぐらいか。
回答 安定株主の定義はいろいろ考えられるので難しいが、 親密な相手は36%。最近は下がっていく状況にある。

質問 有価証券は取引関係などの経営戦略から得たものと思うので、無理に売る必要はないと思う。

質問 設備投資はスローに、研究開発は迅速にして欲しいと思う。

質問 茨城県の守谷工場について、近くのゴミ焼却工場が近々改修される。 会社として影響を調査しているのか。 どう考えているのか。
回答 ゴミ焼却工場の件は把握していない。 今後調査して進めていく。 アサヒの工場はゴミ排出なしのゼロエミッションを目指している。 工場内での焼却もしていない。

質問 ドライ本生の樋口さんはどんな状況なのか。 岡本行夫さんや野中ともよさんはどういう考えで招聘しているのか。
回答 樋口廣太郎さんはアサヒの発展時の社長ですが、数年前に体調を崩され療養中です。 社外取締役や監査役は、経営に貴重な意見をいただける人として招聘している。

質問 スーパで目に付くプレミアムビールは他社ばかりだが、 プレミアムビールはどれぐらい魅力があるかないか考えはどうなのか。
回答 プレミアムビールは重要な分野と考えている。 残念ながらシェアは低い。 セブンイレブンで『こだわりの極』を販売している。 『熟選ビール』も出している。 この分野で価値のあるビールを開発していきたい。

質問 小売との付き合いはどうなのか。 販売助成金や協賛金の要求は収益を圧迫しているか。
回答 特約店経由で販売しているので直接小売との助成金のやり取りはなく、収益に影響はない。 要請された事はないが商品の営業の一環として、商品を並べるのに人が行く事はある。

質問 麦とホップの国産比率はどのくらいか。 外国からの物で農薬などの基準はどうなのか。
回答 国産大麦は比率がだんだん減ってきていて今は約8%。 ホップは国内は農家と直接契約であるが約1%になる。 今後も減るだろう。 海外の大麦やホップの安全性はサプライヤとの契約で対応している。 定期的に農地の監査もしてる。

質問 3年後の国内と海外の売上げとシェア目標を教えて。
回答 アサヒ全体で2006年に1兆6000億円に売上げ目標。 国際では2006年に売上げ500億円、利益20億円が目標。 スーパードライは世界で7番目になるが、シェアの情報はない。
質問 中国で伸びるのではないか。
回答 中国の消費量は世界一だが売上げは1兆円規模。 日本は2兆円規模。 中国は会社も多く、最大手と思われるチンタオビールでシェア10%ぐらいと考えている。 中国の所得水準が上がると売上げも増加すると思う。

質問 公益通報者保護法とかあるが、内部通報制度をどうしているか。
回答 社内通報制度を実施している。 年数件の情報を得ている。 取引先からの通報制度も作っている。

質問 株主がアサヒの商品の購買が多いかデータはあるか。
回答 データはない。 おそらく愛用していると思う。

質問 もし今年が冷夏であれば売上げが落ちると思うがどう対応するのか。
回答 対処法はブランド化だと考えている。 美味しいと思うお客さんを増やせば環境に強くなると考えている。 店で推奨される営業活動もしていく。

質問 ペットボトルのビールを作る話があったがどうなったか。
回答 ペットボトルは空気が混ざるのでビールに向かないと言われていたが、目処が付いたので発表した。 反響は大きかった。 ペットボトルの回収費が増大して現在のシステムでは無理と結論付けた。


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