2010年4月18日、海上安全技術研究所(NMRI)、交通安全環境研究所、電子航法研究所(ENRI)、宇宙航空研究開発機構(JAXA)調布航空宇宙センターの一般公開があったので、行って見ました。 4つの研究所・センターは全て隣接しているので、まとめて見に行けます。
海上安全技術研究所から入り、JAXA方向へ、スタンプラリーをしながら抜けてみました。 最初に見たのは海上安全技術研究所の400mの水槽です。 敷地いっぱいぐらいの長さの水槽です。 水槽の上に船の模型を走らせて、水の抵抗などを調べるものだそうです。
水槽の上にはレールに沿って進む台車があり、台車の上に乗って、台車が動くのを見学できました。
400mあると、地球が丸いので、端と真ん中で、3mmの高さの差がでるそうです。
次は隣の電子航法研究所に入りました。 研究所の建物の上には、四角いレーダーアンテナが回っていました。 このアンテナは見れないみたいです。
敷地の奥の建物は、電波無響室でした。
電波無響室内は入れませんでしたが、青い三角錐が壁に張り巡らされた部屋の中を、外から覗けました。
飛行機の模型とか置いてあり、奥行きがかなりありました。
研究所の庭ではGPSの原理を実体験して見ようというイベントが行われていました。 目標地点のコーンと、GPS代わりに5つのコーンが置いてあり、目標地点と5つのコーンの距離を歩数で測って、目標地点のコーン位置を特定するという実験です。 1歩の距離が正確に同じになるようにあるけるかどうかが鍵みたいです。 私の場合、1歩が75センチぐらいなので、0.5歩単位で計っても20cmぐらいの誤差は出ます。 やってみたら、正解との誤差は24cm、なかなか優秀で、自慢したくなりました。
先に進むと交通安全環境研究所がありました。
ここは後にして、JAXAに向かいました。
JAXAの入口の展示室は前に見たことがあるので、先に進みました。
超音速風洞の建物で風洞設備シールラリーとありました。 4箇所の風洞でシールをもらうと完成する様です。 風洞って、大きな扇風機で空気を流すものだと思っていたら、超音速風洞は違う仕組みでした。 高圧空気のタンクに空気を貯めて、貯めた空気を風洞に吐き出す仕組み仕組みみたいです。 ということは、連続運転はできないのでしょうね。
高圧空気のタンクがあり、反対に真空タンクがあり、高圧空気を真空タンクに流す仕組みみたいです。
12時近くなったので、食堂でお昼にしました。
カレーライス400円。
混んでいて、座るところがなく、立ち食いになってしまいました。
会場内にグラウンドがあるのだから、近所の店に出店してもらえばいいのにと思います。
ターボファンエンジン試験設備の建物に行きました。
入口に「機械遺産認定証」と共にファンジェットエンジンFJR710/600Sが展示してありました。
地下にエンジンを試験する設備と思われるものがありました。
天井からエンジンが釣られていて、後方に排気を排出するためらしき管がありました。
エンジンが動いていたらうるさそうです。
奥の方に行くと、外見からして風洞型の建物がありました。
6.5m×5.5m低速風洞、JAXAで一番大きい風洞だそうです。
ここは撮影禁止で、見つけたらデータを消去するとか、フィルムを抜くとか、かなりの脅しが書いてありました。
中には旅客機らしき模型がセットしてありました。
民間会社がJAXAの設備を借りて実験しているみたいです。
風洞シールラリーのため、極超音速風洞に行きました。
これは高圧タンクに貯めた空気を、真空タンクに送り込むことで超音速を発生させる風洞です。
マッハ10が出るみたいです。
風洞シールラリーのゴールは、2m×2m遷音速風洞です。 模型を設置するカートは4つあり、床にレールが敷いてあるので、簡単に移動交換できるみたいです。
あらためてパンフレット見ると調布のJAXAは風洞だらけですね。
「110kw誘導プラズマ加熱風洞」「1.27m極超音速風洞」「1m×1m超音速風洞」「遷音速フラッタ風洞」「2m×2m遷音速風洞」「6.5m×5.5m低速風洞」「磁力支持風洞」
JAXAから交通安全環境研究所に戻りました。
交通安全環境研究所には、ダミー人形を使って衝突実験をした後の車が置いてありました。
ダミー人形は悲惨な状態です。
そのダミー人形と一緒に写真を撮れるという企画をしていました。
ちょっと面白いですが、時間がなくて取れませんでした。
裏には鉄道の台車の試験設備がありました。
車輪の上に車輪が乗っている不思議な光景です。
その先は、自動車の騒音を測るらしき、無響室です。
タイヤを回転させるドラムも無音になるように作っているらしいです。
音の発生源を調べるためのマイクロホンアレイが置いてあり
影像にマイクロホンアレイの信号を重ねたものが展示されていました。
子供が大声を出して遊んでいました。
一番奥の建物には、体にかかる加速減速や遠心力まで体感できる自動車運転シュミレータがありました。 残念ながら運転は出来ませんでしたが、動くところは見えました。 加速時はシュミレータ全体が上を向き、減速時は下を向く、カーブでは左右に動いて、体感を作っているようです。 他に、濃霧を体験できる実験室もありました。
交通安全環境研究所は小さなエリアで幅広い研究をしている様です。
海上安全技術研究所まで戻って、見学を続けました。 正面玄関から奥に向かって進んで最初にあるのが、海洋構造物試験水槽です。 奥行きが40m×27mの水槽の奥から波を起し、その波の中を斜めに船が進むデモ実験をしていました。
だいぶ奥までいくと深海水槽がありました。
円形の水槽で、水槽の周りには造波機が付いています。
造波機の調整で様々な波が作れるそうです。
デモとして、星型、アンパンマン、じゃんけんのチョキ、など変な波を作っていました。
深海水槽は、最も深いところで35m、試験水槽としては世界最深らしいです。
どうも、海底掘削船を作るための実験水槽の様です。
海上安全技術研究所の真ん中には、旧鎌倉街道が通っていました。 鎌倉時代の道かどうかわかりませんが、古道らしいです。 林の中の平らな真っ直ぐな道で、よくぞ残っているという感じです。
西寄りに、氷海船舶試験水槽があります。
入口に分厚い扉があり、中は寒いです。
南極観測船などの砕氷船の試験水槽で、水槽の水の上には氷が張っています。
その氷を割って進む実験をする水槽です。
実験室内は、実験機材が置かれる手前と、水槽がある奥に分かれていて、間に扉がありました。
水槽の上は冷凍機っぽい物が並んでいました。
水槽部分だけ、さらに冷やすことが出来そうです。
氷を割ると、次に氷が出来るまで時間がかかりそうなので、何度も実験することは出来ないのでしょうね。
水槽の下にもガラス窓があり、氷を割った船の模型が見えました。
とにかく寒いので、外に出るとほっとしました。
研究所の敷地の一番奥で、桜が咲いていました。 ピンクの花は八重桜かな、白っぽい花はウコン桜です。 黄色い桜との開設でしたが、緑の薄い色という感じです。 ちょうど見頃に咲いていました。 八重桜とウコン桜の花を隣で比較すると、色の差がよくわかります。
海上安全技術研究所はけっこう大きい敷地で、とにかく実験水槽が多い所でした。
Presented by Ishida So |