この道 : 国道366号線




 国道366号線は、愛知県半田市と名古屋市を結ぶ全長20.1kmの道だ。港国道ほどではないが、短い部類に入る国道と言って良い。愛知県内の交通網は東海道を基幹にして発達しており、この道筋から外れる場所に位置している半田市から、県内のメインストリームである東海道伝いに出ることを目的に設置された道のように見える。
 実を言うと、この位置に366号線が存在することには、247号線を走るまで気がつかなかった。247号線の道路時刻表を見ていて、半田市内に366号線起点が存在することはじめて知った次第だ。地図で確認してみると、ほぼ真北に向かう軌跡を描いている。
 247号線は、知多半島と三河湾沿岸を結ぶ国道である。半田市内では広い道幅で作られていて、交通量も多い。そんな半田市内国道247号線の祢宜交差点が、366号線のスタートだ。Y字路になった、どちらかと言えば地味な交差点である。
 分岐直後は247号線の余韻なのか、むやみやたらに道が広い。片側2車線+路側帯程度の規格は実現できそうなのに、現実の道は片側1車線ずつで歩道部分が規格外に広くなっている。本当にこれが歩道かと思うほどだ。しかし、数百メートルも進めば、どこにでもあるような生活道路の姿を取り戻す。



 しばらく住宅地の中の道が続く。あまり広い道ではないが、トラックなども比較的多く通る。車だけが走る分にはそれほどの問題はなさそうだが、路側帯(歩道)がほとんど確保されていないため、歩行者や自転車が路肩を走っていると、ドライバーにしてみればかなり運転しづらい道だろう。
 やがて、郊外地に出る。野原と住宅地を仕切るような境界線のような道になっている。野原の向こうには、刈谷市の市街地らしい街並が見えるが、肝心の366号線沿道はそれほど賑わっていない。そのまま知多郡東浦町に入る。
 相変わらず、国道にしては貧弱な水準の道が続く。時折交差する主要地方道や県道のほうが整備されているようなことも間々ある。うっかりしているとそちらのコースにミスリードされてしまいそうだ。
 しかし国道側の交通量は多くなく、その点では分相応と言えるのかもしれない。



 
 東浦町の中心部付近はそれなりに賑わっているようだ。時間帯もあったのだろうが、名古屋方面に向かう車はかなり長い車列を作っていた。渋滞と言うほど詰まっているわけでもないものの、それほどスイスイと順調に流れているということもない。
 北隣にある大府市は、名古屋のベッドタウンと言って良いだろう。東浦町には郊外型のショッピングセンターがあり、その大府市民の生活を支えるための都市機能の一部を担っている感じだ。
 大府市に入ると、道沿いが雑然とした街並に変わり、かえって大型店舗が目に付かなくなる。
 大府市に入ってすぐに、国道155号線との重複区間が始まる。155号線は名古屋の周辺地域を縦横無尽に伸びている関係で、他国道との重複区間が多い。ところによってはより番号の大きい国道を秘匿するような存在になっていることもあるが、366号線に関しては一応、上下に並んだ双子おにぎりが設置されている。道行くドライバーも、自分の走っている道が155号と366号の重複区間であることを認識できているのだろう。



 366号線の終点は23号線との交点になっている。23号線の名古屋から三重県四日市市にかけての区間は、地元民からは一般に「名四国道」と呼ばれている。高架化していて、事実上の自動車専用道路だ。というより、準高速道路と言った方が正確だろう。ややこしいことに、最近ではその名四国道の上に、さらに伊勢湾岸自動車道(将来の第二東名)が乗っかる形になっている。左上の写真を見ても、伊勢湾岸道の存在感が圧倒的で、23号線の高架は霞んでしまっている。さしもの二桁国道も高速道路が相手では分が悪いようだ。
 この交点があるのは名古屋市緑区の南の外れだ。大府市の外れは名古屋南部にまで続く丘陵地帯になっていて、丘を越え、名古屋大府市境を越えるとすぐに終点。二段重ねになった高架道路の下の方、23号線には有松ICを使って合流可能だ。
 ちなみに上の高架線、伊勢湾岸道に乗りたい場合は、23号線に乗らないことは話にならない。ここに、国道内のシビアな序列が現れている。








ロケ地:名古屋市営駐輪場(名古屋港)
今回使用した車
自転車/イオン社製(排気量:乗り手次第?)

国道366号線総括
 全行程の長さに注目して言えば、サイクリングコース程度の扱いで十分だろう。ただし、沿道にめぼしい見所はない。終点付近は名古屋市とは言えど、完全な郊外。一応桶狭間古戦場は近い。名古屋から半田に向かう場合は…。


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