1、
ある人がピアスをつけるために耳たぶに穴をあけることにした。しかし、自分で穴をあけるのは、少し怖かったので、友達にあけてもらうことにした。結局、作業自体は思っていたよりも簡単に終わった。
無事に穴をあけ終わった後、その友達が、相手の耳たぶに白い糸くずのようなものがついているのに気付いて、何気なくそれを取ったのだが、そのとき、耳にピアスの穴をあけた人はいぶかしげにこう言った。
「どうして電気を消したの?」
実は耳たぶについているように見えた白い糸の正体は、視覚をつかさどる神経で、その神経が切れてしまったので、その人は失明してしまったのである。
2、
「あなたはピアスをしているの?」と突然声をかけてくる女がいた。怪訝に思いながら「ハイ」というとその人は突然耳にかじりついてきた。その人は、ピアスが原因で失明した人で、失明しなかった人を逆恨みしてか耳にかじりつくのだという。
失明のほかに音が聞こえなくなったり、半身が不自由になったり、口が聞けなくなったりするパターンもあるようだが、実際には耳たぶに視覚に関係するような重要な神経は通っておらず、ピアスの穴をあけたとしてもそのような神経が飛び出すことはないし、失明することもありえない。
2のパターンは口裂け女の話に通じるものがあるといえるが、それほど広まっている話ではないらしい。主に渋谷を中心に広まった噂話で、「耳かじり女」などと呼ばれる怪人である。
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