レビュー

♪おうお〜おうおうロンドンたまちゃん♪
遅ればせながら『CHAGE&ASKA 千年夜一夜ライブ〜福岡ドーム 僕らがホーム〜』のDVDを買ったので、そのレビューです。
なお、このページの意匠の行き着く先は、最終的にはかつてのsfzの伝説的コーナー『音楽を語る』を目標としております。
さてこのDVD、タイトルにもなっている通り、1999年12月31日に九州は福岡ドームで行われたカウントダウンライブのもようを収録したものです。1979年8月25日にデビューした彼らにとってこの年は、20周年の記念の年であり、その年を締めくくる一大イベントだったわけです。かく言う私も、その現場に居合わせておりました。名古屋市総合体育館レインボーホール、日本武道館と彼らのライブを追っかけてきた私ですが、さすがに福岡ドームは遠かった。しかし、それだけ大変な思いをして行っただけの価値はあったので、あの感動よ、もう一度とばかりに買った次第です。価格が八千円でおいそれと買えるものではないので延び延びになっていたわけですが。

この『作品』は、実際のライブの構成を反映した2枚組みになっております。すなわちライブ前半のCHAGEソロ・ASKAソロを収録したDISC1、CHAGE&ASKAとして登場した後半を収録したDISC2です。
内容は以下の通り。
CHAGE
1、【7】
2、CRIMSON
3、CATCH&RELEASE
4、SOME DAY
5、WINDY ROAD
6、UNDO
7、GIVE & TAKE
8、トウキョータワー
9、僕が見つけた気持ちのいい場所

ASKAパートとは異なり、序盤はいくつかCHAGE&ASKAとしての歌が含まれております。2、3はそれぞれGUYS、TREEからの出典です。4で村上啓介・浅井hひろみ両氏が登場しマルチマックス仕様に突入。
このパートの見せ場は、WINDY ROADでしょうか。ライブでは(熱心なファンは公の場でこの曲が流れるだけで紙飛行機を飛ばしたくなるようです)会場内を紙飛行機が飛び交うこの曲ですが、このときも飛んでました。ただ、カメラ位置が悪いせいでさほどのインパクトが無いです。スタンド席の最上段最奧部から見れば壮観だったはずです。と、スタンド席で観覧していた男は語る。

ASKA
1、MY Mr.LONELY HEART
2、TATOO
3、花は咲いたか
4、始まりはいつも雨
5、GIRL
6、着地点
7、NOW
8、晴天を誉めるなら夕暮れを待て
9、けれど空は青〜CLOSE FRIEND〜
10、同じ時代を

キャラの違いか、CHAGEパートほどノリノリの感じではありませんが、じっくり聞かせる流れです。オープニング曲にそれが良く出ています。全体にしっかりした構成ですが、ヒット曲の4から、アコギがかっこいい(弾いてるのはASKA氏本人ではないですが)5への流れが良いです。
特に注目したいのがSCENEUからの出典、9です。特別認知度が高いわけではなく、派手さがあるわけではありませんが、この曲をこの位置に持ってくるあたりになんとも言えない情熱のようなものを感じます。というか私はライブでこの歌を聴けてすっかり舞い上がってしまいました。
10もシヴイです。いぶし銀の構成・ASKAパートはここまでで、いよいよ合体です。

CHAGE&ASKA
1、WALK
2、LOVE SONG
3、終章(エピローグ)〜追想の主題
4、NO DOUBT
5、On Your Mark
6、もうすぐ僕らは ふたつの時代を超える恋になる
7、YAH YAH YAH
8、SAY YES
9、HEART
10、僕はこの瞳で嘘をつく
11、NとLの野球帽
12、PRIDE
13、ひとり咲き
14、万里の河
15、no no darlin'

1、WALK〜2、LOVE SONG〜3、終章(エピローグ)〜追想の主題
珠玉の一枚、PRIDEからの出典です。ただし、エピローグはPRIDEバージョンではなくオリジナル仕様です。デビュー10周年記念としての色彩が強いこのアルバムですが、この構成は20年目の終りの始まりを意識しての流れでしょうか。
物の本によると1、2共に当時の音楽界の大きな流れに対するアンチテーゼの如き作品だったようです。これらの曲が発表された1989年頃はカラオケブーム加速のあおりを受けてか、楽曲もとにかくノリのいいものがはやった時代らしいですが、1はスローテンポのバラード(しかも実は一曲が長い)です。2は詞から、当時のブームに対する反発が感じられる曲です。そういういわくつき?の曲ですが、安易に流行に迎合しなかったおかげか、10年持つ歌になってます。
3はCHAGE氏の代表曲の一つで、かなり歴史の古い曲です。発表年代は他と比べてみるとかなりの隔たりがありますが、前2曲が同一アルバムタイトルからの出典であるためか、違和感は感じられません。むしろ、次へといい感じで引っ張ってくれます。

4、NO DOUBT
当時最新作だった同名アルバムからの出典です。しっとりとしたバラードです。ここまで全てバラードですが、詞の雰囲気がそれぞれ結構異なってます。その中で、うまく流れを調整しているような気がします。

5、On Your Mark
アルバムCodeName1からの出典です。イメージフィルムが、宮崎駿作品『耳をすませば』と同時上映された一曲です。ある意味ライブの大トリを飾ってもおかしくないほどの曲で、またもバラードです。この曲を聴くと、反射的にフィナーレムードになってしまいますが・・・・・・。

6、もうすぐ僕らは ふたつの時代を超える恋になる
それほど歴史のある曲ではなく、ライブの定番という感じではないですが、タイトルを買われての入線でしょうか。この曲で西暦2000年を迎えました。

7、YAH YAH YAH〜8、SAY YES〜9、HEART〜10、僕はこの瞳で嘘をつく〜11、NとLの野球帽
年明け後5曲はノンストップです。大ヒット曲である、7、8、これまでバラード一辺倒であったこととバランスを取るかのごとくアップテンポで一気に畳み掛ける9、10、今では押しも押されぬCHAGE氏の代表曲11です。とにかく今までためたエネルギーを一気に爆発させるような流れです。
ここで注目すべきは11でしょう。NとLの野球帽とは、両氏の故郷である福岡にかつて存在していた球団西鉄ライオンズの帽子の事です。まさにご当地ソング。生歌聞くのは3度目でしたが、やはり感動ものでした。
また、9と10の間にちょろっとはさまれるあの曲のスキャットや、11後のいかにもファンサービスという感じのMCも見どころです。わかる人にしかわからない部分ではありますが。

12、PRIDE
ファンの間では伝説の歌です。もはや言わずもがな。黙って聞きましょう。

13、ひとり咲き〜14、万里の河
いわゆるアンコールです。ただし、一度舞台からはけて再び、という儀礼的な流れは無いです。
初期のヒット曲であるため、最近のライブで歌われるのは希な曲でもあります。さらに歌ってもアレンジを変えたりするのが普通ですが、今回はアレンジもほぼ発表当時の物に近く、かなり貴重かもしれません。ちなみにオリジナルはユニゾンに近かったのですが、このライブバージョンはハモリ重視になってます。

15、no no darlin'
アルバムGUYSからの出典。オーラスで、本当に本当のオーラスです。今回のライブに参加したバンドメンバー(CHAGEバンド+ASKAバンド)フル出演の一曲です。何だかんだ言ってライブのシメに使われることのままあるこの曲。今回はアレンジがジャズっぽくなってます。