第7回
【さあページをめくりたまえ】
ゲームブックとは?
1980年代後半から、1990年代前半にかけて、奇妙な形式の書物がブームとなり、数多く出版されました。
本来は最初から最後に向かって順番に記述されているはずの文章が、パラグラフ(文章の一区切り、段落)ごとにバラバラに配置され、読み手は文章の指示と、パラグラフに振られた数字に従って、徐々に読み解いていく…。

それが、今ではあまり見られない形態(※)の書物となってしまった、『ゲームブック』です。

私がゲームブックとはじめて出会ったのは、1984年の事、日本で最初のゲームブックである社会思想社の【火吹山の魔法使い】を、当時文章関係の職に携わっていた家族が買ってきてくれたのがきっかけです。
この【火吹山の魔法使い】は当時、新しい形式の読み物として大きな話題となり、ラジオなどでも取り上げられていました。
アナウンサーが、パラグラフを読みつつ、至極真面目にプレイして見せているのを聞いて、可笑しさとともに大きな興味を抱いたものです。

その後、社会思想社のゲームブックの成功を受けて、東京創元社、双葉社、二見書房、勁文社など各社が参入し、純然たるオリジナルから、アニメやゲームや映画を原作にした原作物など様々なゲームブックが発行され、書店の一角を占めるようになっていきました。
特に、ファミコンなどのゲームを原作とした、双葉社のゲームブックシリーズなどはかなりの点数が発行されたので、記憶に残っている人も多いのではないでしょうか。

このゲームブックブームはやがて、それが誘発した日本でのTRPG(テーブルトークロールプレイングゲーム※)ブームに押しのけられる形で終焉を迎え、今では一般書店はおろか、中古書店でも滅多に見かけない種類の本になってしまいました。

今回から、数回に渡って続くこの“世紀末ダラダラ日記・ザ・コラム”では、一つの時代を作ってきた各社のゲームブックたちを、各々短いスペースではありますが紹介していきたいと思っています。

今では入手も難しくなってしまったゲームブックですが、まだまだネット上には多くのファンサイトが存在し、また復刊活動なども行われています。
いつかまた、ゲームブックが一つのジャンルとして書店などに存在しうる日がくる事を祈って…。
FightingFantasyの世界
ファイティングファンタジー(以下FF)とは、英国人のスティーブ・ジャクソン、イアン・リビングストンによって書き始められたゲームブックのシリーズで、日本ではじめて紹介されたゲームブック(FFシリーズ第一作が【火吹山の魔法使い】)でもあります。

作品世界の時代背景は主に中世(※)、剣と魔法が世を支配し、数多くの魔物が闊歩する世界が舞台となっています。
その世界の名は『タイタン』(タイタンの地図が、別ウィンドゥで開きます)。
命を持つ土塊から天空の神々が作り出した球体世界(惑星)で、世界に存在する様々な生き物も、すべて神々がその土塊を元に作り出したものです(ちなみに、タイタンという名は、神々の主神に由来して名づけられました)。

惑星の表面は大きく分けて3つの大陸、アランシア・クール・旧世界の3つに分れ、そのいたるところで様々な冒険が冒険者を待ち受けています。
実際、何作かの例外を除いて、全ての作品が、この3つの大陸のどこかで行われた冒険である、と設定されています。

この世界タイタンでは、神々が世界を創造してから後、邪悪な神々の眷属である混沌が猛威を振るったことがあります。
先の述べた3つの大陸も、もともとは巨大な一つの大陸であったものが、混沌の所業によって3つに分かたれたものなのです。

混沌との戦いは、かろうじて神々や善の種族の勝利に終りましたが、勝利者である側も大きな痛手を負いました。
大陸が3つに分かたれたのもそうですが、戦いの結果、天空に住む神々は地上へ直接関与する力を失い、逆に混沌の勢力は世界中に撒き散らされ今も世界を破壊する時をうかがっているのです。

当然、FFシリーズに収められた冒険では、そのほとんどが混沌の勢力との戦いになります。
世界を破壊し、朽ち果てさせようと目論む混沌の勢力(その中には、混沌の力を操る邪悪な魔法使いたちもいます!)に対向するのは、タイタンに住まう善の勢力と、天空の神々の陰ながらの助力、そして冒険者であるあなた自身の活躍なのです。

さあページをめくりたまえ!
THE FIGHTING FANTASY MAGAZINE
ウォーロック
日本でのゲームブックの大流行を受けて、FFシリーズの出版元である社会思想社から1986年に出版されたサポート雑誌がこの【ウォーロック】です。
元々この雑誌は、ゲームブック本国の英国で、【火吹山の魔法使い】の著者であるS・ジャクソン&I・リビングストンによって発行されていたもので、日本版も、初期は海外色の濃いものでした。
(なんと、創刊1号、2号には【火吹山の魔法使い】が半分づつ掲載されており、両方購入する事でプレイすることができた!)

その発行には、昔からゲームに携わってきた“ウォーロック”こと安田均氏(グループSNEの代表としても有名)があたり、日本版が軌道にのるまで数々のサポートを行っていました。
また、新人発掘にも熱心で、このウォーロックに掲載された自作アドベンチャーゲームが処女作となっているゲームブック作家も何人か存在します。

ウォーロックのサポート対象は多岐に渡り、自社・他社のゲームブック紹介からファンタジー世界の構築に関する数々の資料、オリジナル世界(ウォーロックワールド:セル=アーネイ)の展開、TRPG(T&T、ウォーハンマーetc...)、ネットゲームなど様々な企画で読者の役に立ち、楽しませてくれました。

やがて、ゲームブックブームがTRPGブームへと切り替わり、そのTRPGブームも次なるブームに変わろうという頃、全63号、6年に及ぶ歴史を閉じたのです。
火吹山の魔法使い
前書きでも述べましたが、1986年、日本で最初に発行されたゲームブックがこの【火吹山の魔法使い】です。

この冒険の主人公は一介の冒険者であるあなた自身。
あなたは、“火吹山”(頂上に赤い植物が群生し、まるで火が燃えているように見える事から名づけられた)の中に広がる広大な地下迷宮に眠るという、魔術師の財宝を求めて、危険を承知で分け入っていくのです。

この作品は、最初に書かれたFFシリーズ第一作でありながら、ゲームブックとしてほぼ完成された内容を備えています。
火吹山地下の迷宮は複雑な構成で冒険者を悩ませ、各所に棲息する怪物は迂闊な冒険者に牙を剥き、しかも最終的に魔法使いの財宝を手に入れる為には、広大な迷宮の中に隠された3つの鍵を探し出し、正しい組み合わせで鍵穴に差し込まなければならないのです。

しかし、これらの障害にはすべて適切な対処法があります。
複雑な迷路も、丁寧に地図を描く事でその全容を明らかにし(この火吹山の正確な地図を描くのは、後の作品に比べると少々難儀ですが)、怪物は注意深く行動する事で避けることができます。
当然、丁寧な地図と慎重な行動がそろえば、財宝の鍵を手に入れることも決して不可能ではありません。

上で、FFの背景世界であるタイタンについて触れましたが、この作品ではその説明はほとんどありません。
ただ唯一、火吹山という舞台と、この地下迷宮を支配する魔法使いに、ザゴールという名前が与えられているだけです。

このザゴールは、邪悪な大魔道師ヴォルゲラ・ダークストームの三人の弟子の一人にして、邪悪な業を修めた“悪魔の三人”と言われる魔術師の一人なのです。

最後に、このゲームブックの最大の罠について触れたいと思います。
この作品、邦訳第一弾だけあって慣れない部分もあったのか、一番最初のパラグラフで、選択肢が“挿絵をまたいで”2つのページに渡っているのです。
最初の選択は、西へ向かうか、東へ向かうかというものなのですが、私は長年、東へ向かう選択がある事に気がつかずにいました。
もし今からプレイする方がいましたら注意深く行動し、そんな間抜けな目に合わないように気をつけてください。
バルサスの要塞
この冒険の舞台は柳谷、ぎざ岩山地に築かれた邪悪な要塞です。
ぎざ岩山に要塞を構え、混沌の産物である醜悪な魑魅魍魎を率いて世界の破滅を狙うのはバルサス・ダイアという妖術使い、バルサスは、【火吹山の魔法使い】のザゴールと同じ、“悪魔の三人”の一人でもあります。

そして、今回の冒険の主人公であるあなたは白魔術の達人である“太古の魔法使い”の一番弟子…そう、今回の冒険では、あなたも魔法を扱う事ができるのです!
あなたは、冒険を開始する前にダイスを2つ振り、それに6を足した数だけの魔法を準備して冒険に臨む事ができます。
数々の魔法はどれも強力で、使う場所と場合を間違えさえしなければ素晴らしい力であなたの冒険を手助けしてくれる事でしょう。

しかし、あなたの立ち向かうバルサスの要塞の中には、バルサスが世界制覇のために集めた邪悪な兵隊たちが数多く集まっています。
いかに強力な魔法を備えていようとも、力押しでは使命の達成はおぼつきません。
この作品でも、冷静な分析と的確な判断、そしてちょっぴりの幸運が必要とされます。

今回、バルサスの要塞での魅力は、自分の扱える様々な魔法とともに、要塞に巣くう色々な怪物たちが担っています。
要塞の地下に住み、冒険者を散々からかいながらも最後には贈り物をくれる奇妙な小人レプラコーンのオシェイマス、円形の身体を転がしながら迫る奇妙な円盤人、お守りを手に入れない限り、確実に冒険者の命を奪う恐ろしい怪物ガンジー…。
邪悪な要塞の中に巣くう怪物たちであるにも関わらず、冒険者であるあなたの対応や行動次第では危険なく切り抜けられるのは、【火吹き山の魔法使い】の時と同じ、戦うだけが全てではないのです。

この作品は、雑誌【ウォーロック】の8号において、山本弘(と学会の代表として有名なSF作家、TRPG好きにはお馴染みの名前?)によるリプレイ漫画が掲載されています。
その漫画の中では何度も死んで、何度も挑戦していますが、この再読性もゲームブックの魅力の一つですね。
盗賊都市
広大なナマズ川の河口に位置し、河川貿易の利益を一手に握る事で大きく成長した港湾貿易都市、ポート・ブラックサンド。
しかしこの街は同時に、あまりに急激な都市としての成長のために、改築・増築が繰り返されて複雑に入り組んだ街路、貿易の利益を当て込んで流入した山師、裕福な都市にはつきものの盗賊、獲物をさばきに来る海賊など、油断も隙もない連中のそろった危険な都市に成長してしまった。
あげく、つけられた仇名が“盗賊都市”
街を支配する謎の貴族、アズール卿の政策により、様々な行動に許可証が必要とされ、持たざるものは容赦なく屈強な衛兵によって投獄される、危険な街なのである。

今回のあなたの使命は、この危険な都市に潜む“闇の王者”ザンバー・ボーンを打ち倒すこと…しかし、ザンバーは不死の身体を持ち、何らかの手段を用いなければ滅ぼす事はできない、果たしてその手段とは…?

この作品の魅力は、なんといっても“ポート・ブラックサンド”という街と、そこに住む人々そのものです。
この街では、どんな人物でも油断して生きていくことはできません。
街中にはトロールやゴブリンが闊歩し(街の衛兵を務めている者すらいる!)、宿屋の主人は隙あらば客から金品を盗みさろうと目論み、盗賊や海賊は常に被害者を求めています。
オマケに支配者のアズール卿は冷酷な貴族で、所用があって街中を馬車で疾走する際にも周囲に気を配ったりはしません。
ここは、人々の生きる街であるにも関わらず、これまでの冒険の舞台になった場所と負けず劣らず危険な場所なのです。

しかし、そうは言っても冒険者であるあなたに味方するものがいないわけではありません。
街の様々な店で売られている品には、かなり強力な力を持った魔法の品もありますし、またこの街の中には隠棲する魔法使い、ニカデマスがいます。

ニカデマスは、これまであげてきた“悪魔の三人”とは対極に位置する善の大魔法使いで、ヨーレの森に魔法学校を設立した“月を追う者”ヴァーミスラックスの、特に優秀な三人の弟子の一人でもあります。
彼は、何の意図があってか、この邪悪な意図の渦巻く街、ポート・ブラックサンドに身を潜めています。
無事に探し当てる事ができたのなら、あなたの目的達成の為の大きな手助けとなってくれる事でしょう。
死のワナの地下迷宮
禍々しい名前をもった街“ファング”…ここはその名前に似合わず、河川貿易の中継地点として、ポート・ブラックサンドほどではないものの、相応の利益を得ていた街だった。
コク河の岸辺には貿易船が停泊し、穏やかな雰囲気に包まれていたものである。

…街の支配者であるサカムビット公が、“迷宮探検競技”を開催するまでは!

サカムビット公は、自分の支配する街に耳目を集める手段として、街の背後に位置する丘に広大な地下迷宮を設置した。
地下を掘りぬき、数々の罠を仕掛け、邪悪な怪物を数多く放ったのである。
そして、迷宮の最後にはたった一つの出口…迷路を潜り抜け、無事に生還したものには、1万枚もの金貨と、チアンマイ地区の永久統治権が与えられる。
この莫大な報酬を目当てに、過去何人もの命知らずが“ファングの大迷宮”に挑戦したが、過去5年間いまだ一人の生還者すらいない。

…そんな呪われた大迷宮探索に、あなたは挑戦するのです!

この作品の魅力は2つあり、最初の一つはまさに迷宮そのものです。
背景で説明される、数々の罠や邪悪な怪物という言葉はまったく誇大なものではなく、注意力の足りない冒険者の命をいとも簡単に奪い去ります。
しかし、慎重さと注意力、そして大胆さを発揮した冒険者は、邪悪な罠を潜り抜けて宝を発見したり、恐ろしい怪物をやり過ごして先へと進む事ができます。

そして、もう一つの魅力が、迷宮で出会う数々の人々です。
この“迷宮探検競技”、挑戦するのはあなた一人ではありません。
毛皮をまとった蛮人、全身を黒布で隠した忍者じみた男、エルフのような緑色の瞳を持った金髪の美女、フルプレートに身を固めた戦士…。
彼らは迷宮の各所であなたと出会い、様々な反応を見せてくれる事でしょう。
決して、敵対的な反応ばかりではありません!

また、この地下迷宮には、サカムビット公によって配置された競技監督も何人かいます。
彼らはあなたの冒険の首尾をチェックし、また難関の一つとしてあなたの前に立ちはだかるのです。

果たして挑戦者であるあなたは無事にこの迷宮をくぐり抜け、栄光をその手につかむ事ができるでしょうか?

ちなみにこの作品では、上の【盗賊都市】、下の【トカゲ王の島】と、背景的な関連付けがなされています。
背景説明の中であなたは、ポート・ブラックサンドを経由してこのファングに至り、【トカゲ王の島】ではファングから南に下ることで冒険の舞台に辿り着くのです。
こういった関連付けが、後に【タイタン】としてFF世界を構築していったわけですね。
トカゲ王の島
ファングの街から南へ降ったあなたは、あなたの昔の冒険者仲間であるマンゴが落ち着いている海辺の村、オイスター・ベイに立ち寄る。
旅の疲れを癒すには、この静かな村に勝るものはないからだ。
…しかし、村に近づくにつれ、様子がおかしい事に君は気付く。
女性達は泣き伏し、男たちは怒りもあらわに君に接してくるのだ。

旧友のマンゴに再会して、やっと事の次第を知ったあなたは驚いた。
取り立てて特産物もなく、狙われる理由もないと思っていたこの村が、沖合いにある火山島のトカゲ兵たちに襲撃され、若者が奴隷として連れ去られたというのである。

火山島…そこは以前、地域を支配していたオラフ王によって、囚人島として利用されていた島であった。
オラフ王は地域を乱す犯罪者をその島に押し込め、雇われのトカゲ兵を看守として島を支配させた。
しかし、罪人の数が増えるにつれ、島を囚人島として利用する計画は放棄され、それまで送られていた囚人とトカゲ兵たちはそのまま島に置き去りにされた。
その結果、トカゲ兵の中でも特に力のあるものが、“トカゲ王”として名乗りをあげ、島を支配してしまったのだ!

あなたは、旧友のマンゴとともにトカゲ王の島に赴き、邪悪なトカゲ王を倒す事を誓った!

今回の冒険は、閉ざされた火山島での冒険です。
最初は旧友の冒険者、マンゴと共に冒険を開始するのですが、残念ながらマンゴは命を落としてしまいます。
あなたは、旧友の仇を取るためにも、トカゲ王を打ち倒さねばなりません。

この作品は、他の作品と比べてもそれほど際立った特徴があるわけではありません。
いつもの地下迷宮が、火山島と言うオープンフィールドに変わっただけ、といえばそれまでだからです。

では、この作品の魅力はどこにあるのか?
それは、島を支配するトカゲ王と、その秘密にあります。
実は、トカゲ王はゴンチョンと呼ばれる寄生生物に支配されているのです!

ゴンチョンは、日本ではいまいちマイナーな怪物ですが、かなり恐ろしい存在です。
その姿は外殻に覆われたクモのような姿で、それ単体ではさほどの脅威ではありません。
しかし、ひとたび他の生物の頭に寄生すると、腹から延びる触手を直接脳内に刺しこみ、その生物を完全に支配してしまうのです。
支配された生物はゴンチョンのしもべとなり、強力な筋力と様々な超能力を備える代わりに、ゴンチョンのためにその一生を捧げる事になります。
この作品でも、ゴンチョンに支配されたトカゲ王は、その超頭脳で数々のミュータント怪物を生み出し、テレパシーによって部下を統率していました。
サソリ沼の迷路
今回、これまで挙げた作品の全てが、タイタンの三大陸のうちアランシアと呼ばれる大陸で行われていたのに対し、この作品は“暗黒大陸”と呼ばれるクールを舞台としています。
クールは、過去の混沌との戦いの傷跡がもっともひどく残っている場所で、奇妙な地域が数多く存在します。
作品のタイトルとなっている“サソリ沼”もまさにそんな場所の一つなのです。

サソリ沼は、大きな沼に浮かぶ小さな空き地が、細い小道によって迷路状に繋がれた場所で、空は霧に覆われて方角の道しるべである太陽や星々を覆い隠し、周囲の特殊な力がコンパスを狂わせて立ち入った人から方向感覚を奪います。
その為これまで、一度踏み入ってしまったら生きてでてくるのは至難の業だったのです。

しかし、冒険者であるあなたは、ふとしたことから北を常に持ち主に知らせ、出会った人の善悪を判断してくれる魔法の指輪を手に入れました。
この指輪さえあれば、サソリ沼を踏破してその中に隠された財宝を手に入れることも不可能ではないかもしれません!

この作品の特徴はなんといっても、これがゲームブックでありながら非常にTRPGに近い性格を持っているという事です。
実際、以前管理人がマスターを務め、3人の友人をそれぞれ冒険者としてこのゲームブックをプレイした際には、全く違和感なくマルチプレイを楽しむ事ができました。

サソリ沼に向かうあなたは、沼の近くに存在する村で3人の依頼主に会う事ができます。
善の魔法使いセレイターは沼のどこかに自生しているという幻の薬草アンセリカを求め、中立の商人ブームチャッカーは、交易商売の発展のためにサソリ沼を抜けて反対側の町へ至る地図を欲しがっています。
さらにはこの村には悪の魔法使いグリムズレイドも居をかまえ、サソリ沼に住むと言う謎めいた“あるじ”たちのもつ銀の護符を手に入れたがっているのです!

あなたが、この3人の誰に味方するかは全て自由で、誰の依頼を受けるかで沼で出会う人々の反応も異なってきます。
さらに、この作品では“魔法の石”を消費することでただの戦士であるあなたも魔法を使う事ができるのですが、その魔法の石にも属性があり、どの依頼主につくかで選べる魔法が異なってくるのです。

また、サソリ沼は今までのような一方通行のパラグラフ選択ではなく、双方向性のパラグラフ選択になっています。
あなたは心ゆくまで各々の空き地を探索し、地図を書くなり薬草を探すなりすることができるというわけです。

あなたは果たして、依頼主の意に添う結果を残し、無事にこのサソリ沼を後にする事ができるでしょうか?
2004年6月3日
【ファイティングファンタジー】シリーズ・オススメサイトリンク
『サイロス民芸資料館++』 http://www.twin.ne.jp/~cyross/
ゲームブックに関しては最も情報が豊富で、今もニュース提供を続けている、ゲームブックサイトの老舗中の老舗。
ゲームブック掲示板には初心者用と経験者用がキチンと用意され、初心者でも比較的発言しやすくなっています。
また、リンクサイトも豊富で、ゲームブックに関してネットサーフィンするのであれば、ここから始めるのが一番でしょう。
『八幡國瓦版』 http://www.1000cp.org/vboost/
FF世界に存在する日本に似た奇妙な国、八幡國の名を冠したFFシリーズサイト。
FFシリーズに関しては、日本では未訳の作品も含めて紹介がなされています。
また、タイタンの神々について解説してある辞書ページもあり、FFシリーズの資料として非常に役立ちます。
さらには、タイタンについて研究した論文も掲載されており、さながらシャーロック=ホームズシリーズにおけるシャーロッキアンといった趣です。
FFに関して基礎知識を得たければ、まずはここをのぞいて見るのが良いでしょう。
『化夢宇留仁の異常な愛情』 http://www.luice.or.jp/~kemkem/
2020年からやってきたようなHNを持った化夢宇留仁さまのサイトです。
TRPGや麻雀、3DCGと豊富なコンテンツを誇りますが、そのコーナーの一つとして“TheWorldofTitan”が設置されています。
その中ではFFシリーズ第1〜第10作までの解説や、タイタン世界の具体的な紹介、そして化夢宇留仁さま自身がプレイされた記録である、“何回死んだら気が済むの!?”など盛り沢山です。
また、FFをチャットでプレイした、“チャットでタイタン!リプレイ!!!”などは非常に興味深い内容です。
※今ではあまり見られない形態 後々のコラムで詳述しますが、現在、創土社という出版社によって、過去の名作の復刊や新作の発行が行われています。
※TRPG ルールを把握し、ゲーム全体の進行を管理する“ゲームマスター”と、通常4〜6人程度の“プレイヤー”によって遊ばれるゲーム。
筆記用具とダイス(サイコロ)を使用する他は、状況説明から自分の行動の申告、事態の推移の報告まで、その全てを卓上でのそれぞれの会話によって進めていくため、『テーブルトーク』と呼ばれている。
※時代背景は主に中世 FF世界の基本となる世界『タイタン』は確かに中世的剣と魔法の世界ではあるが、FFシリーズに含まれる作品の中には、宇宙での冒険を題材にしたスペースオペラや、特殊な力を持った超人が活躍するスーパーマン的なもの、核戦争後の崩壊した世界を舞台にしたカーバイオレンスものなど、タイタンでの冒険に含まれないものも存在する。