この物語はフィクションであり、
登場する人物名、地名、
団体名は実在のものとは
一切関係ありません。

・・・僕は誰かに抱きかかえられていた。
朦朧とする意識の中で、唯一その男の人の声だけが頭の中に響いている・・・。

「おっ!気が付いたか。しっかりするんだ、君っ!」
「僕は、どうして・・・ここは、一体どこだ・・・?」
「ぼ、僕は誰だ・・・。な、何も思い出せない・・・。」
「君、何も覚えていないのか?」

何も思い出せない・・・僕が誰なのか、ここがどこなのか、どうしてここにいるのか?

「僕は・・・誰だ・・・。」

僕はふたたび、気が遠くなっていくのを感じていた・・・。
*マンションの一室*
僕が次に目を覚ました時、目を覚ましたのはマンションの一室だった。どうやら、僕を助けてくれた男の人が、そのまま自分の部屋に運んでくれたらしい。
【おおさと市】というところにあるらしいが・・・。

「災難だったね。でも無事でよかったよ。私は【あまち】というんだ、よろしく。」
「僕は・・・一体どうしていたんですか?」
「私がちょうど【うなかみの崖】のそばを通りかかったら、道端の草むらに君が倒れていたんだ。どうも、崖の上から下の草むらまで落ちてしまったらしいね。」
「崖の反対側は海になっていて、人も滅多に通らないそうだから、不幸中の幸いだったよ。」

そうだったのか・・・何も記憶にない・・・っつ!!頭に鈍い痛みを感じる・・・。

「とりあえず、【うなかみの崖】へいけば何か思い出せるかもしれないね。とりあえず、力になれることがあるかもしれないからいつでもおいで。相談に乗るよ。」
「・・・ありがとうございます。」

僕はとりあえず、【あまち】さんの言うとおり、【うなかみの崖】に行ってみることにした。
*事故現場*
「ここで【あまち】さんが僕を助けてくれたんだ・・・。」

事故現場の【うなかみの崖】は相当に切り立った崖だ、寂しげな波の音だけが辺りに響いている。
・・・崖の上から僕の倒れていた草むらまでは、4〜5mはある。そこから落ちて助かったのは本当に不幸中の幸いかもしれない。
おや?あれは誰だ?崖の上に誰かいる、こちらに向かって手を振っているみたいだ。

*崖の上*
崖の上にたっていたのは1人の女の子だった。歳は・・・中学か、高校生ってところかな?
その女の子は、僕に向かって歩いてくると、ちょっと怒ったような顔で話しかけてきた。

「連絡もしないでどこに行っていたの!?心配したんだから!」
「君は・・・僕の知り合いなんですか?」
「何をふざけてるのよ?あなたと同じ探偵事務所のあゆみじゃないの!」

・・・探偵事務所だって!?僕は、とりあえず今の事情・・・何も思い出せないことを説明した。

「ええっ!記憶喪失ですって!?ここから、下の草むらに落ちて気を失ったらしいですって?もし反対側の海の方へ落ちていたら助からなかったわよ!」
「・・・わかったわ。とりあえず一緒に事務所まで来てちょうだい。」

相変わらず名前も、この女の子のことも思い出せなかったけれども、僕はとりあえずこの女の子・・・【あゆみ】さんについて行くことにした。
*空木探偵事務所*
そこは、キレイに整頓されたビルの一室だった。僕もこの探偵事務所の一員だった・・・?

「ここは【うつぎ】先生の事務所で私たちの仕事場よ。・・・先生はいないみたいね。」
「【うつぎ】・・・その人が、この事務所を開いた探偵さんなんですか?」
「あなたと先生が知り合ったのは、あなたや私がまだ中学生ぐらいの頃の話だそうよ。離れ離れになった両親を探していたあなたは、この街で先生と知り合ったの。」
そうだったのか・・・。

「ところで、どうして【あゆみ】・・・さんはあの崖へ?」
「あなたがあの崖で『誰かに会う』って電話してきたから、連絡を待っていたんだけど、そのまま何の連絡もないし、心配になって・・・。」
「僕が・・・誰かに会う?」
僕が探偵事務所の一員だとして、僕は何を調べていたんだろう。そして、あの崖で誰と会うことになっていたのか・・・?
もしかしたらその人物が僕のこのケガと何か関係があるのかもしれない。

「おや?なにかメモがあるぞ・・・【みょうじんむら】【あやしろ】と書いてある!」
「そのメモはあなたが書いたものみたいね。」
「よし、【みょうじんむら】に行ってみよう!そうすれば何かが・・・。」
「待って、名前ぐらい思い出さなきゃどうしようもないわよ。思い出してみて!」

名前、名前・・・僕は必死に靄のかかった記憶の中を探った・・・。やがてその中から1つの名前が浮かび上がってくる・・・。

「・・・・・・そうだ!思い出したぞ!僕の名前は茂木茂夫・・・【もぎしげお】だ!」(注:この名前は、清涼銀河がつけたものです)
*さあ!いよいよ本格的な捜査の開始です!*
Nintendo 1988年度作品

あやしろの 家に
仇為す者 あらば

死後の 世界より
蘇りて
その者に
災いを もたらさん・・・