*第二章・ひらた殺人(?)事件*

*京都*

死体の処置を鑑識に任せた我々は、京都駅前に戻り聞き込みを開始した。やがて・・・。

「近くのお寺の人が話してくれたのですが、先日おかしな男がいたそうです。」
「おかしな男?」
「その寺にお参りに来て、30分もの間必死で拝んでいたとか・・・ひらたでしょうか?」
「ふぅむ・・・。」

我々はその後も聞き込みを行ったが、結局それ以上の情報は得られず、仕方なく捜査本部へと戻ることにした。おそらく神戸に戻る頃には検死の結果も出ていることだろう。

*捜査本部*

本部に戻った我々は、すぐさま京都府警の鑑識に検死結果を問い合わせた。その結果・・・。

「ひらたの結果がでました。死亡時間は17日午後1時ごろ、何と、ひらたはこうぞうより先に死んでいたんです!」
「と、すると、今の段階で何か知っていそうなのは1人のみだな・・・ゆきこを呼んでくれ。」
「はい、ボス。」
やがてやってきたゆきこは、父親を自殺で失ったにしてはサバサバとしていた。今時の女性はみんなこうなのか?

「まずあなたのアリバイから聞かせてもらおう。」
「うん、その時間は家にいたよ。」

だがそこで、ゆきこのアリバイを調べていたヤスが口を挟む。

「嘘はいけません、ゆきこさん。あなたが事件の夜に出かけるのを見ていた人がいるんんですよ。」
「・・・・・・!」
「それにあの指輪・・・。」

そこまで突っ込まれると、観念したのか、ゆきこは素直に話し出した。

「わかったわよ、言うよ。確かに7時ごろあの屋敷にいったわ。」
「やっぱり・・・。」
「親父にもっとお金を貸してもらえないかなぁって。うちの親父、別の所からもっと借りてて、その取立てのほうがすごかったんだ、そのこと話したら、貸すっていってくれたんだ。」

・・・?と、するとひらたの死はこうぞうからの借金のせいではなかった?

「こうぞうという男が、わからなくなってきましたよ。ボス。」
「親父は馬鹿よ!何も自殺することなんてないのにさ・・・。くっ・・・。」

ゆきこは涙をにじませていた。無理して冷淡な態度をとっていたのか・・・。

「念のため聞きますが、こうぞうを殺したのは・・・。」
「親父を助けようとした人を、アタシが殺すわけないじゃん!」

どうやら、嘘はなさそうだ、とすると・・・以前【ぱる】のマスターの話に出てきた【かわむら】という男が唯一残った手掛かりということか。

*新開地*

再び新開地を訪れた我々は、そこで新たな手掛かりを発見した。

「何とボス、新劇の踊り子、【おこい】がかわむらという男と親しかったそうです。」
「おこい?」
「はい、ゆうひおこいと言えば新開地では有名なストリッパーです。昔宝塚にいた、と本人は言っていますが、本当かどうかは・・・。」
「一度、話を聞いてみるか。」

我々はおこいに話を聞くべく、捜査本部へと戻った。新劇シルバーのようなストリップ小屋では満足に話を聞けない事も多いからだ。