*第四章・ポートピア連続殺人事件*

*港*

我々は、すもと行きのフェリーに乗るために港へとやってきた。
念のため周囲に聞き込みに行っていたヤスが、出航にあわせて戻ってくる。

「港の人たちの話では、先ほどまで、ここに若い女がたたずんでいたそうです。」
「若い女・・・?ふみえか?」
「いえ、そこまではまだ・・・。」
その時、船内のアナウンスが出航を告げる。

*「ご乗船ありがとうございます。この船は、淡路島すもと行き高速艇です。」

すもと・・・そこで何がわかるのか?こんどこそ真実がつかめるのだろうか・・・。

*すもと*

すもとに着いた我々は、手分けして聞き込みを行った。その結果・・・。

「ふみえちゃんはほんま可哀想な子でした。お父さんの会社が詐欺で倒産して、ご両親は自殺してしまったんですよ。それで親戚に引き取られましてね。たった一人いた兄さんとも離れ離れに・・・。えっ、その兄さんですか?さあ、どこに行ったのか・・・確か、肩に蝶々のアザのある男の子でしたよ。」
「ふみえちゃんの兄さんのことですか?確かあの頃、別の人にもらわれて行ったから、苗字も変わっていると思いますよ。」

「ちょっとこの写真をみてくれますか?」
「えっ?これが、あのふみえちゃん!?まー、キレイになって・・・。」
「こちらの方で見かけたことは・・・?」
「いえ、ここには来てないと思いますよ。」

我々は【ふみえ】や【ふみえの兄】の行方を捜したが、すもとには戻っていないようだった。
これ以上すもとに留まっていても有力な情報は得られない。そう判断した私は、捜査本部に戻る事にした。

*捜査本部*

捜査本部に戻った我々を待っていたのは、1枚の地図だった。かわむらの部屋の天井裏から見つかったものだと言う。

「こ、これは・・・!こうぞうの屋敷の地下迷路の地図では!?これによると、あの地下迷路には隠された部屋があるようです。前3左8左4右5左・・・。くそ、後は破けていて読めません!。」
「あとは、実地で調べてみるしかないだろう。こうぞうの屋敷に向かうぞ。」
「はい、ボス。」