ゴーストワールド
ゴーストワールド (2001/米)
Ghost World

製作総指揮 ピッパ・クロス / ジャネット・デイ
製作 リアンヌ・ハルフォン / ジョン・マルコビッチ / ラッセル・スミス
監督 テリー・ズウィコフ
脚本 ダニエル・クロウズ / テリー・ズウィコフ
原作 ダニエル・クロウズ
撮影 アフォンソ・ベアト
美術 エドワード・T・マカボイ
音楽 デビッド・キティ
衣装 メアリー・ゾフレス
出演 ソーラ・バーチ / スカーレット・ヨハンソン / スティーブ・ブシェーミ / ブラッド・レンフロ / イレーナ・ダグラス / ボブ・バラバン
自分以外のやつらがみんなバカに見えてしょうがない。
自分の周りはくだらなくてダサいことばかり。
だけどみんなは退屈な現実を受け入れ、周りと同じフツーの生活に染まっていく。
学校生活はつまらなかった。
だけど学校を卒業しても面白いことはなにもない。
世の中はダサくて俗っぽくてつまらなくて、居心地のいい場所はどこにもない。
やりたいことなんてなにもない。
そんな世の中が許せない。
だけどどうしたらいいのか、なにをしたいのかもわからない・・・・

そんな気持ちを抱きながら、あえて「ダメに生きる」少女イーニドの日常を、胸が締め付けられるような切なさ、身につまされるエピソードとともに、不思議に醒めた視点で描く。
しかもけっして暗くなく、可笑しく、可愛く、そして甘ったるいだけのガーリー映画とは違ってちゃんと厳しくもある作品。
原作はダニエル・クロウズのオルタナティブ・コミック。
監督は「クラム」のテリー・ツウィゴフ。
「ダサ過ぎて逆にイイ」というなかなか表現しにくい感覚を的確に描写して新しい。

もはやキュートとも言えないブスっぷりで主人公イーニドを演じるのは、いまアウトサイダーを演らせたら右に出る者のいない注目のソーラ・バーチ。
鋭くハズしたダサかっこいい(でいいよね?)ファッションを次々と披露してくれる。
イーニドに振り回される彼女いない系中年男シーモアを演じるのはスティーブ・ブシェミ。
78回転のオールドレコード収集家というダサ系オタク、定職持ちアウトサイダー(しかも会社役員)という痛いキャラで苦笑とともに共感を呼び、心当たりのある人(僕とか)の涙を誘う。
ゴーストワールド <ダニエル・クロウズの原作マンガ


  イーニド(ソーラ・バーチ)
 なんかすごい太いんすけど・・・>
イーニド
実はこの映画、名台詞の宝庫。
「ほしいものがわかってんのに見つからないなんてマジ気が狂いそう」
「私あんたとの友情維持すんのもう疲れた・・・」
「ダサいのを通り越して、ちょっと良くなってきたのを通り越してやっぱりむかついてきた」
最後のは僕もいろんなところで引用させてもらっている。
この映画、悩める不器用な人々をどこかに連れていってくれたりはしないが、なぜだかちょっと救われ、そして確かになにかを得ることが出来る。
2002 04/21
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