大牟田天領病院の皆様、この会報をお借りして、今年の6月1日からスタートした婦人科外来について御紹介します。1年2ヶ月の間、産婦人科が休診状態でしたが、とりあえず婦人科の外来診察を再開しました。しかし分娩は扱わず、また現在のところは、入院・手術も取り扱わないという、ささやかなものです。
　写真のように外来のスタッフは、婦人科医師が吉田耕治（生殖医療指導医*）、毎週木曜日午後が桑崎雅医師（産婦人科専門医・産業医科大学から）、助産師が住吉陽子、看護師が石橋和美の4人です。8月からは子宮頸部円錐切除術など手術室での小手術を予定しています。
　300床以上の病院では、入院・外来いずれでも、婦人科的な急性腹症、高齢婦人の子宮脱、子宮留膿腫、外陰腟炎、子宮腫瘍や卵巣腫瘍の茎捻転、更年期婦人の性ホルモン補充療法などどうしても婦人科的アプローチが必要になる患者が出てきます。今回、平成18年度の機器予算で経腟超音波検査器が新規に婦人科外来に入りました（Sonovista-C 3000)。画像が今まであったGE横河の古い機械より鮮明です。経腟超音波機械では、経腹超音波よりも高い周波数の超音波で検査するので、骨盤の腟から近い範囲（子宮・卵巣・膀胱・男性では経直腸的に前立腺）の画像を描出する上で優れています。しかも、CTやMRI検査よりも安く手軽に検査できるという特徴があります。これを用いれば、婦人科と外科の間で鑑別が必要な急性腹症の場合に威力を発揮できます。最近は大学などの大病院では経腹超音波検査は、超音波検査士が行うという傾向が強まっています。しかし、経腟超音波検査だけは、婦人科医にしか出来ない手技です。CTはX線被爆の問題があり、MRIも高価な検査なので、何回も繰り返すということは出来ませんが、超音波検査は、気楽に何回でも行えるのがメリットです。他の診療科の方からも、女性の下腹部〜骨盤に異常があれば、検査をオーダーしてください。