Word VBA

ワード・マクロ(VBA)の活用13


■ テンプレート・セットアップの自動化

1 煩雑なセットアップ

 Wordのテンプレートを[STARTUP]にセットし,アドインとして使用する場合,
 OSがWinndowsXPのときの保存先は,
 手操作で,次のようにフォルダを深めて行き,
   [Windows XP(C:)] → [Documents and Settings] → [user](ユーザー名) → [Application Data] → [Microsoft] → [Word] → [STARTUP]
 最終的に,次のフォルダにたどり着く。
   C:\Documents and Settings\user\Application Data\Microsoft\Word\STARTUP

 OSがWinndows Vista又はWinndows7のときの保存先は,
 手操作で,次のようにフォルダを深めて行き,
   [ローカルディスク (C:)] → [Users] → [user](ユーザー名) → [AppData] → [Roaming] → [Microsoft] → [Word] → [STARTUP]
 最終的に,次のフォルダにたどり着く。
   C:\Users\user\AppData\Roaming\Microsoft\Word\STARTUP


2 セットアップの自動化

 Wordのテンプレートをセットする場合,その都度,手操作で保存先フォルダを求めて,上記のような作業を進めていくのは,どう見ても煩わしく面倒である。
 この面倒な操作が,Wordのテンプレートの活用を阻んでしまうと言えなくもない。もっとてっとり早い方法はないものか。

 次のWord 「セットアップ」ツールソフトは,VBAにより,ボタン一つで保存先フォルダを直ちに検索し,指定するテンプレートを所定フォルダに自動的にセットし,その後必要に応じてエクスプローラ(ファイルやフォルダの表示や管理に使うWindows用ソフト)でファイルのセット確認や削除などが簡単にできるようにしたものである。
 ユーザーによりOSの違いなどがあるが,すべて自動判別してセットできるようになっている。
 以下では,このソフトを使用してテンプレートをセットアップする方法を説明したい。

SetUp

 まず,セット先を指定する。
 ここでは,「JPWord2.doc」ファイルを,[StartUp]を指定することとして,説明する。
 「セット先確認」のボタンをクリックすると,そのフォルダの内容を閲覧することができる。
 また,セット先に[Templates]を指定して同様の操作をすれば,そのフォルダの内容を閲覧することができる。
 この確認作業は,慣れないうちは確認しておいた方がよいが,必ずしも必要としない。
SetUp

 セット先を選択した後は,「テンプレートの自動セット」ボタンをクリックする。
 すると,まず「ファイルを開く」ダイアログが現れる。
SetUp

 テンプレートにしたいWordファイルを,フォルダから探して指定し,「開く」を実行する。
 すると,先に指定したセット先に,そのテンプレートとして自動的にセットされる。
 セットされた結果を確認するか否か聞いてくるので,「はい」を選択すれば,エクスプローラ上で閲覧し,確認することができる。
 この画面を閉じる場合には,画面上部右端の赤色「×」印をクリックすればよい。
SetUp

 なお,テンプレートとしての利用を必要としなくなった場合は,セット先を指定して,「セット先確認」のボタンをクリックすれば,エクスポーラ上で所定フォルダ内のファイルが確認できるので,ここでファイルの内容と要否を再度確認し,ファイル削除の処置をする。
 ファイルの削除は,ファイル名にマウスポインタを置いて,右クリックメニューで「削除」を実行する。  一度ファイルを削除すると復活できないので,注意を要する。

 上記のセットアップ・ツールファイル(WordTemplateSetUp.doc)は,次から取得できる。
 ダウンロードすると,直ぐ「マクロが含まれているが,実行するか否か」の選択が表示される。このサイトでは安全なものを提示しており,通常の使用で安全性に問題はない。
  「WordTemplateSetUp.doc」をダウンロードする


3 セットアップ先のファイルの確認と処理

 Wordのテンプレートを既定の[STARTUP]フォルダにセットした場合,Wordを立ち上げると同時にアドインされ,テンプレートファイルが自動実行されて機能する。
 この点では便利であるが,この状態で,上記のセットアップ・ツールファイルを使えば簡単に閲覧はできるが,フォルダ[STARTUP]内のテンプレートを削除しよとすると,それは既にWordで実行中のファイルであるので,削除することはできない。
 Wordテンプレートファイルの削除の必要が生じた場合,Wordを使わず,エクスプローラで直ちにテンプレートのセット先フォルダを表示させることはできないものか。

 そのために作ったのが,次のExcelによる「Word既定フォルダ検索ツール」ソフトである。テンプレートファイルのセットアップ機能はないが,ボタン一つで保存先フォルダを自動検出し,そのフォルダ内容がエクスプローラで表示されるというものである。
 エクスプローラでは,ファイルの内容確認と削除処理のほか,ファイルのコピー,移動等のファイルの編集処理ができる。
SetUp

 上記のWord既定フォルダ自動検出ファイル(WordTemplatesSearch_.xls)は,次から取得できる。
 このソフトも,ダウンロードすると,直ぐ「マクロが含まれているが,実行するか否か」の選択が表示されるが,通常の使用で安全性に問題はない。
  「WordTemplatesSearch_.xls」をダウンロードする
 なお,一度,既定フォルダが検出できれば,その後は,ショートカットキーを作成し,これを利用して既定フォルダを呼び出す方法でも足りる。

 フォルダを検出する程度のものであれば,何もExcelまで動かさなくても,ファイルサイズを小さく,HTMLファイルでも作れる。
SetUp
 しかし,こちらの方は,ネット上で使用するには無理があり,試したい方は,ダウンロードして解凍の上使用することになる。ファイルを実行すると,次のような警告が出るが,このファイルは通常の使用に支障はない。
SetUp
  「WordTemplatesSearch.zip」をダウンロードする


 道具が役立つか否かは,使いようによる。


2010.7.24 〜 2012.3.24
|
TOP
|

[ HOME ]