LSearcher  法律とコンピュータ

法文検索ソフト 】の夢

 先に掲載したインターネット時代の情報処理術「あかさたな」により,インターネット時代の情報処理術がどういうものかは理解していただけたかと思います。
 それを前提に,今ここでは,司法改革とIT化により,変わり行く法律実務の世界を前に,法律実務家にとって情報処理術がどうなるかを考えてみることにしましょう。
 しかし,読者の多くは,前述のような話を長く続けても,そう興味は示さないかも知れません。「それで・・・,理屈はいいから,その先の話。パソコンを使ってどうなるの,パソコン上で見てみたい。」と,そんな声も聞こえて来そうです。
 そういうニーズに応えるのが「実務の友」であれば,その「夢を形にしてみたい。」。100パーセントは無理にしても,今一歩,他とは違う仕組みを提供して,法律分野でのコンピュータの活用のあり様を考えてみたいと思います。

 法律実務家にとって大事なことは,法律的な事案に対する問題解決力です。その紛争解決(問題解決)の基準,指針となるのは「法律」であり,その「条文」が仕事に根拠を与えることになります。法的な考え方や法実務は,「法律にどう規定されているか」を抜きにしては考えられません。まず法規集である「六法」を手元において,条文を確認することは,日常的に仕事をする上で不可欠のことになります。
 法律実務家は,法律問題の解決には,まず「法文検索」が必須であり,法律の条文に基づいて解釈・判断を展開し,現実の事柄,事象を明確にした上で,事実への当てはめをして,対象事案(問題)の法的解決を図ろうとします。その過程の中で,法的な思考力を働かせて,問題点(論点)を明確にし,判例・学説等を調査して,法的な解決案あるいは主張を構成し,その具体的な発現として,例えば,準備書面なり判決書なり,法律文書の起案を行うことになるといえます。

 しかし,その前提となるのは「法文検索」であり,この六法をくくる,法律の条文を確認する作業は,法律実務家にとって欠かすことができません。これについて,現状では,多くの場合,ペーパーとしての「六法」を見ることになりますが,目当てのものを探し出すまでに時間がかかり,ページをめくるのが煩わしい場合もあります。
 インターネット普及の時代にあって,法令情報も,デジタル情報として,「集める」,「貯める」点では,急速に便利になっていることは既に述べましたが,これらの法令情報は,パソコン上で法令ごとに「検索する」,「読む」,作成中の文書に「取り込む」という点では,まだまだペーパー情報よりは便利になったというレベルでしかありません。

 これを,法律実務家にとって,もっと便利な「情報処理機」に仕立てることはできないかと考えるのです。
 理想とするのは,インターネットから取得した法令情報,テキストを利用して,加工・検索・削除等「か・さ・な」の情報処理術も簡単に実現できるソフトです。テキストの一部をコピーして,ワープロ文書に貼り付けて・・・というのは,当然の機能ですので,その先の付加機能をどう実現するかというのが課題になります。
 具体的なところでは,例えば,次のような課題が考えられます。
(1) 日常の執務等で必要な基本六法については,インターネット・データベースの法令情報源に直結して,信頼性の高い最新の法情報を取得し,敏速に閲覧できるようにする。
(2) 法令情報に関連して,一般的に必要かつ有益な情報については,リンクにより,ただちに参照できるようにする。
(3) 読みにくい民法,商法等の「カタカナ表示」の法令条文は,ボタン1つで簡単に「ひらがなに変換」して読みやすくする。
変換前
(原文表示)
 「権利ノ行使及ヒ義務ノ履行ハ信義ニ従ヒ誠実ニ之ヲ為スコトヲ要ス」
変換後  「権利の行使及ひ義務の履行は信義に従ひ誠実に之を為すことを要す」
(4) 縦書き表示の法令文につきものの「漢数字」は,簡単にアラビア数字に置き換えて読みやすくする。
変換前
(原文表示)
 「第五百七十一条  第五百三十三条ノ規定ハ第五百六十三条乃至第五百六十六条及ヒ前条ノ場合ニ之ヲ準用ス」
変換後  「第571条 第533条の規定は第563条乃至第566条及ひ前条の場合に之を準用す」
(5) 法令条文のテキストファイルから,条文ごとに切り出し,条文ごとに表示する法文データベースを作る。

 このような夢を描き,あったらいいなと思うのは誰しも思うのですが,これをパソコンの画面上で,どう実現するかです。 既に,Web六法では,(1)(2)(3)の機能を備え付けて,未来に向けた一歩を踏み出しました。
 国民が,必要な法情報を,いつでも簡単入手でき,読みやすい形で読んで理解でき,関連した有益情報も得て,自ら主体的な判断ができる・・・・規制緩和と自己責任,自律の時代には,大切なことだと考えています。

(以上2003.02.24-2003.11.29記)


2007.11.29追加
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