Dingwall Designers Guitars Super J

  


 Sheldon Dingwall(シェルドン・ディンウォール)の製作するSuper Jは、伝統的なルックスに由来するサウンドと質感、現代的なクオリティと研ぎ澄まされたアイディアの融合の成功例と断言できるでしょう。
 Sheldonは、それぞれの弦に一本ずつ、本来与えられるべきスケールに着目し、Novax Fanned-fret System(ファンド・フレット・システム)を採用し、さらにその長所を独自のアイディアで進化させています。その結果、きわめて自然で滑らかなトーンと、最高のプレイアビリティを両立した楽器になっています。
 





HEADSTOCK :
 ヘッドストックには、Hipshot社製ウルトラライトチューナーを採用しています。また、独特のヘッド構造(Flame Maple Headstock Design)は、常に確実に最適なテンションを弦に与えるだけでなく、ヘッドストックの軽量化に成功しヘッド落ちの心配もありません。 
NOVAX FANNED-FRET SYSTEM :
  G弦で32"、E弦で34.25"というファンドフレットシステムの採用により、G/D弦はパンチのある甘いトーンを、E弦は立ち上がりの速い、明瞭かつ正確な音程感を伴ったトーンをそれぞれ与えることに成功しています。また、複雑な運指の際に左手に生じる負担の軽減にも貢献しています。
NECK :
  ネックは3pc.と5pc.の構造を採用しており、トラスロッドに独自のものを使用しています。これにより実に400kg以上もの負荷に耐えられるような強固な構造になっています。また、丁寧に施されたオイルフィニッシュによって、滑らかで自然な触り心地が与えられているのと同時に、めまぐるしい環境の変化に対し、ポリウレタンやラッカーフィニッシュ以上の安定性を誇るネックに仕上げられています。

FINGERBOARD :
 指板には十分なシーズニングを施されたMoradoが使用されています(Maple指板はオプションです)。また、フレットの処理もFanned Fret Systemのクオリティを維持するのに必要な大変に精度の高いものが採用されています。
BODY :
 2ピース、もしくは3ピースのAlderは、大変に軽量で、楽器としてくみ上げられてからの鳴り方や、弾き込まれていくことによる変化を考慮して厳選されたものを使用しています。
PICKUPS :
 ピックアップにはオリジナルの、ハムキャンセル仕様のピックアップを採用しており、現代的なレンジの広いサウンドから、ヴィンテージ感溢れるシングルコイルのサウンドまで、幅広く自然な音色を生み出します。
 配線材から、ポットなどのパーツ全てに大変高品質なものを使用し、ローノイズの実現、電気信号のロスを最小限におさえています(オプションとしてPJレイアウトも用意されています)。
 また、パーツの種類によっては、経年変化や湿度の影響で、音色の劣化を招いたり、シールディング効果が失われてしまうものもありますが、様々な外的要因の影響を受けない配慮がなされており、長年の使用にも十分に耐えうる構造になっています。
ROTARY PICKUP SYSTEM :
 Dingwallオリジナルのピックアップセレクターによって、このスタイルを持つ楽器に対して、プレイヤーが望む全てのトーンを得ることを可能にしています。シンプルで使いやすいコントロールながら、多様性のあるサウンドメイキングを可能にしています。

Position 1 : Bridge (Rear) Pickupのみ
Position 2 : Both Pickup in Parallel
(両方のPickupを同時にパラレルモードで使用し、レンジの広い、フラットなトーンを得ることができます。)
Position 3 : Both Pickup in Series
(両方のPickupを同時にシリーズモードで使用し、強力なミッドレンジを得ることができます。)
Position 4 : Neck (Front) Pickupのみ

CONTROLS :
 プリアンプには、Aguilar社のOBP-1を採用していますが、パッシブモードでも大変な完成度を誇る構造になっております。また、このSuper J独自の仕様として、アクティブ時にはトレブルとして機能するポットがスイッチポットではなく、そのままパッシブ時にはトーンコントロールとして機能するという、デザイン面と機能性の双方に配慮した設計になっています。
BRIDGE :
 弦交換を容易にするクイックリリース構造の、弦間19mmのファンド・フレット・システムに対応したオリジナルブリッジです。

FINISH & PICKGUARD :
 オリジナルカラーのBaltic Amberによるものなど、丁寧に加工されたピックガードが、雰囲気を醸し出しています。
 また、ポリウレタンで下地を仕上げ、ポリエステルでコーティングし、最後の仕上げとしてクリアーを吹き付けて仕上げられるボディは、往年のラッカーによる光沢のある美しい質感を持ちながらも、経年変化による劣化に大変強いという、手間がかかっている分、大変理想的なフィニッシュになっており、ポリウレタンやポリエステルを採用している他のどのメーカーも追いつけない、硬度と美しさを兼ね備えたものになっています。
 カラーは現在、Olympic White, Natural, Seafoam Green, 3-Tone Sunburst, Super Sonic Blue, Piano Black, Burgundy Mistの中から選択可能です。




 最新のテクノロジーの導入や高価なパーツの採用は、”楽器”に関しては、それ自体に大きな意味は見いだせませんが、練り込まれたコンセプトを伴うことや、自分自身に厳しい命題を課すことで、究極的に洗練され、また音楽的な存在となり得るということがこのDingwallの楽器から感じられます。
 誰もが目指してなし得なかった弾き心地、音色のバラツキの解消を可能にした楽器がここにあります。


 スタジオミュージシャン、セッションミュージシャンとして世界的な名声を得ているLee Skler氏は、Dingwallを手にして以降、それ以外の彼が所有していた楽器の殆どを売却し、さらに素晴らしい活躍をしています。
 理想的なテンションとバランス感覚を兼ね備えた、Fanned Fret Systemを最良の形で示し得るDingwallのMojoを語るエピソードの一つでしょう。
  4弦の楽器であれば、その殆どは良くも悪くも、同じ音を違う弦で弾く事で、音程は同一であっても質感は異なっています。また、細い弦であるG弦やD弦は張りが強く、結果、弾きやすさを求め弦高を下げようとします。しかし、これによって今度は、力の無い細い音色になってしまいます。
 もしこの様な悩みを感じておられるようでしたら、試しに一度Dingwallを手に取ってみてください。