Bodyについて
Ken Smithでは、Solid(単板)、Top & Back(2pc.)、Top & Back w/Core(3pc.)、Veneer(化粧材)を挟み込んだ5pc.もしくは7pc.という構造を持っており、それらをCenter
Block(Neck-thru時にはNeck及び、Heel Cap)と組み合わせて楽器を製作していきます。
Body Wing部は、2pc.であれば、Tiger Maple, Quilted Maple, Walnutの中からBack材の選択可能であり、3pc.以上であれば、Tiger
Maple, Quilted Maple, Walnut, Mahogany, Avodire’, American Cherry等の中からCore材の選択が可能になります。
Exotic Woodの使用やLaminated Body構造の採用しプロユースの楽器を長年作り続けているKen Smithでは、見た目にも美しく良質な音響特性にすぐれた希少なTop材を使用することが可能ですが、それらのいずれも凹凸や傷の無いものに限って使用し、楽器としてのクオリティを著しく引き上げることに成功しています(傷や凹みがある材は、通常エポキシ等で埋めなくてはならず、それが楽器のサウンドに不必要な要素を生じさせます)。
近年無数の新しいExotic WoodがTop材として使用され始めていますが、Ken Smithは、昔からTone Woodとして知られている、MapleやWalnut、Macassar
Ebony, Cocobolo, Morado, Imbuia, Shedua, Bubinga, Lacewood等のみのこだわって使用しており、これも確実に完璧な楽器を製作する為の一つの要因となっています。
Solid Bodyでは、材の持つ特性そのものを素直に活かした、また、Laminated Bodyでは、上質な木材を組み合わせた楽器ならではの味わい深くオリジナリティに溢れたサウンドを持ちます。それにより、ヴィンテージ楽器のような温かみのあるもの、上品でハイファイなもの等、幅広く現場で使える音色を作り出すことを可能にしています。
Ken Smithは、世界的にも屈指のウッドコレクターであり、自社で数十年先に製作する楽器の為の材を保有するだけでなく、名の知れた一流の楽器メーカーにその材を卸していることでも知られています。また、すでに製材されたものを使用している一般的なギターメーカーと異なり丸太の状態で材を仕入れ・加工していることも大きな特徴です。それゆえ、Ken
Smithで使用されるものは、真の意味で厳選された最上級の材であると言えるでしょう。
Ken Smithという楽器の面白いところであり、もっとも評価されるべきは、多弦ベースが存在しない時代に、膨大な試行錯誤の上に設計された、優れた自社製のパーツを使用しているにも関わらず、その音色の良さは、全て材の良さに帰しているということでしょう。また、それらを組み合わせるにあたっても、楽器の製作を開始する前に、その楽器が持つべきサウンドをイメージして、ネック材、指板材、Top材の木目等が決定される、ということです。
見た目だけでなく、Ken Smith氏のNYブロードウェイで活躍したスタジオミュージシャンとしての経験と、数多くの優れたミュージシャンのフィードバックが集約された、抜群のプレイアビリティと全く無駄の無い音響特性を考慮した構造が、非常にバランスのとれた、演奏家が必要とするファクターのみを備えた楽器を製作することを可能にしています。 |