#878 BB6TNE-CM
　ノイズとは無縁の絢爛さをまとった音色と、揺るぎのない安定感に溢れています。
　CelloやContrabass、Violinなどの音色を美しいものと認識する方は多いと思いますが、Ken Smithの音色にも共通したものがあり、あくまでエレクトリックベースという枠組みを借りた特別な弦楽器といっても誇張や語弊では決して無いでしょう。
　製作に取りかかる前に、すでに完成形が見えているからこそ出来ることですが、異なったテイストを持つ木材に統一性を持たせ、望む方向にコントロールしていることや、もちろん天才的な発想が最初に存在していたのは事実ですが、それらを論理的に整理し取捨選択し、破綻なしに継続的に盛り込み続けていることには未だに驚かさせられています。
　心惹かれる自然の素材の持つ彩と、伝統的な様式美を象徴的に備えている楽器です。

#873 BSR5TN-CM
　3pc. Bodyにより、多く見られる5pc.のBlack Tigerと比較して、相対的によりオープンな方向にシフトしたキャラクターを持っています。
　聴感上特定の帯域においては、より太さや厚みを感じる部分もあり、優れたPickupやPreampが備わってはいるものの、それらに頼ることの無い、自然で余裕のあるトーンがあります。
　アタックのスピードや立ち上がりからの滑らかさなど、Ken Smithという楽器における特筆すべき無数の長所は変わらずに存在しており、一般的なエレクトリックベースで生じる限界を軽々と飛び越えてしまいます。
　隙の一切ない、完璧な調整と、長期間シーズニングされた材料、そして長い経験によって洗練されてきた製法の融合は、弾き手に安心を与えます。

#878 BSR6TN-CM
　"We don't just make basses, we make 'Musical Instruments'"というKenの台詞を強烈に感じさせるBlack Tigerです。
　本当の意味での優れた楽器と言うものは、自体、限り無く完成はされてはいるものの、決して100%まで引き上げておらず、残りの数％は弾き手の介在によって、 はじめて真価を発揮するというものですが、そのバランスを非常に良い形で保っています。
　これにより弾き手は楽器と対等に語り合うことはもちろん、お互いの良さを引き出そうとする良好な補完関係を構築させる上で大きな要因となり、結果手放せないパートナーとして認識させることとなります。
　通例、ポテンシャルを発揮させる上で適切なリリーフをNeckに与えることは不可欠ですが、ある程度無視されていても、持ちうる素晴らしさを体感できるのはKen Smithという楽器の強さであり、 それがどんな現場でも安心して使うことができ、音楽に集中して臨める理由になっています。
　卓越したプレイアビリティ、バランス、音色などが相まり、フレーズが次から次にわき出してくる刺激的な楽器です。

#895 BSR5GNBF-WM
　WalnutとMapleをプライするアイディアを普及させたKen SmithのFrettedでの素晴らしさは語るべくもありませんが、Fretlessにおいても全く変わることが無いのは、ContrabassやCelloのような美しいサウンドをもったエレクトリックベースを作るというコンセプトによって製作されていることを考えれば灼然であると言えます。
　一般的なエレクトリックベースの音色が、ノイズを内包することによって成立している為、ノイズを敬遠する音楽と親密な関係を構築する上で限界を感じさせることもありますが、その分岐を超えることができる楽器があることも事実であり、Ken Smithはその代表例です。
　エッジの利いたWalnutと、密度があり明るいMapleの組み合わせによって生じるきらびやかさは、Ken Smithの用いる独自のTop & Back構造によって、 瀟洒なアコースティック楽器をつま弾くような感覚を弾き手にあたえ、その音色は弾き手の意識を投影したものとなります。
　ビブラートをかければ、弓によって奏でられたようなトーンへと変貌し、一方下から突き上げてくるような力強さも兼ね備えている、指のタッチや奏法によってどのような使い方もできる楽器です。
　また、リクエストにより、シンプルな見た目にまとめられていますが、そこから受ける印象もそのまま音色に反映されています。

#894 BSR6TNE-CM
　英語での賛辞は、Marvelous, Excuisite, Tremendousなど無数にありますが、それらをいくら積み上げても足りないのではないかと思わせてくれる素晴らしい楽器です。
　PLEK導入以後、今まで以上に様々な楽器に触れることとなりましたが、その上で改めてKen Smithを評価するのであれば、全てを熟知した人間のみが作りえる傑作というものになるでしょう。
　極限まで低い弦高にしても楽器が弦をきっちり鳴らしきり、一方高い弦高でも、そこから生み出される力強さを一切損なうこと無く、常に弾き手に最大限のポテンシャルを提供できる楽器と言えます(PLEKによるスキャンでは、他の楽器とは異なった調整が見受けられ、これがKen Smithの安定したクオリティの創出と幅広いプレイスタイルのプレイヤーに受け入れられることに大きく貢献していると考えられます)。
　グラマラスな低域は空気すら鳴動させ、高域に関しては完全無欠な上質を提供し、音色に触れる全ての人間を揺さぶります。
(池部楽器店リボレ店様に在庫していただいております。) 　

#893 BSR6TNE-CM
　Ken Smithでは、セミオーダーに属するものが中心になりますが、Top Dotの位置をご要望に応じてずらすなど、基本的なクオリティに影響がないものであれば柔軟に対応しているという所も興味深くあります。
　あくまであるべき本質の良さを損ねない、ということが前提条件になっているため、このBlack Tiger Eliteも非の打ち所が一切無い完璧な楽器になっており、それはKen Smithにとって顧客に対する果たすべき義務をどのように考えているか、ということの現れでもあります。
　Ken Smithを長年弾いていて感じることは、いわゆるエレクトリックベースという枠組みに属してはいるものの、立脚しているコンセプトや存在意義を異にしているため、独立した一つの楽器ではないかということです。
　特にピアノとの音の相性の良さは、他のエレクトリックベースの追随を許さず、そこから生み出される音色の響きは、数ある音楽の中でも頂点に位置するものの一つでしょう。

#891 BSR4EG-FW
　不確かな要素のある天然の素材を計算し尽くして製作することにより、どこから見ても文句のつけようの無い完璧な楽器を送り出しているのがKen Smithです。
　PLEKによるスキャンは、10年や20年先を当たり前のように見据えて作られていることを如実に表出させ、それはKen Smithを"Genuine Musical Instruments = 本物の楽器"足らしめている大きな理由となっています。
　バランス良くまとまりのあるサウンドは、シンセベースのような強烈な安定感を誇っていますが、無機質という表現とは縁遠いものとなっており、やはり弾き手の存在があり初めて完成するものであるということを同時に感じさせます。
　細部までの異様とも思えるこだわりや、突き詰め方は、時には楽器自体をこじんまりさせてしまうこともありますが、この4EGにおいては、それら全てが統一感を持ち、秀逸な調和を保っています。

#892 BT5TNV-CM
　BSRやFusionなど、新しいシェイプがいくつか時間とともに生み出されていますが、依然として根強い人気がBT Shapeにはあります。
　BT Shapeは、ローポジションへのアクセスは遠くなりますが、その分ハイポジションでのプレイアビリティには優れたものがあり、近年のあたらしいプレイスタイルにマッチするという点においても改めて脚光を浴びています。
　ノイズ成分とは無縁で純度がたかく、色気に溢れ、CelloやContrabassの美しい音色にも例えられる、Classicを演奏し違和感を感じさせない数少ない楽器です。

#868 BSR6P-TN
　私自身5弦を弾くことが多くありますが、ずっと弾いて来たかのような錯覚を覚えさせる、広めの指板から受けるストレスとは無縁です。
　近年、ネット上においてサンプル音源や、音資料の入手は非常に容易になりましたが、その反面、録音状況等の違いにより、そのクオリティに関しては玉石混在とも言えます。
　そういう条件においてもいつも納得させてくれる美しいトーンを響かせている楽器がKen Smithであり、このBSR6Pもその例外では無く、楽器のもつ芯の強さを体感することが出来ます。
　微細なニュアンスを余すことなく、PAを介してなおオーディエンスに確実に届けることを保証するだけでなく、ベースとしての確実な仕事をこなし、フロントのプレイヤーとも対等に会話できる楽器です。

#889 BSR5P-KM
　1988年頃よりKenによってシーズニングされていたプライベートストックのKoaを使用し限定製作されたBSR5Pです。
　KoaとMapleの組み合わせの良さは、すでに通暁していましたが、数年前、偶然修理依頼をいただいたBSR6Pを弾いた時の感動が忘れられず、オーダーに至った楽器です。
　 材料の特徴を語る時にPlainな特性の木材としてよく言われるのが、Poplar/Tulipwoodですが、Koaはその純朴さを何倍にも伸張させたような個性があり、この5Pにおいてもそれを存分に感じることが出来ます。
　その結果、アンプの品質に左右されること無く音楽的で艶のあるトーンを紡ぎだしてくれ、指板状の全ての音域が朗々と歌います。
　また弾き心地も素晴らしく、弦を弾き、それがどのように楽器に伝わっているかを如実に体感できる、弾くことがより一層楽しくなる１本です。
(池部楽器店リボレ店様に在庫していただいております。)

#888 BSR6EG-QQ
　Western Quiltd Maple CoreとQuilted Maple Topの組み合わせは、今までに数本入荷しており、その深遠まで通じるフラットな中域と、甘さのある外廓の絶妙なバランスを特徴として備えています。
　一つ一つの音の響き方には、例えようの無い得難い美しさと色気があり、ベースという楽器の特性上一般的に不向きなコード弾きをした際にも、それぞれのトーンの分離も良く、ピアノやホーンセクションのように複数のボイシングをもってアプローチすることを可能にします。
　相当なローアクションセットアップでも破綻しない、研ぎすまされたセットアップを持ち、ベースとして最も求められる役割はもちろん、コードやソロ楽器としても自在にオーケストレーションを構築できます。
(池部楽器店ベースコレクション様に在庫していただいております。)

#882 BT5VEWT-TW
　New ModelのWhite Tiger EliteのVintage Modelです。
　White Tiger自体は、Ken Smithと私の間での、独自の呼称を持つモデルとしてスタートしたものですが、米国でもレギュラー化されるようになりました。
　Ken Smithでは、Matching Headstockを多く見かけますが、あえてEbonyを使用するなど、1980〜90年代に製作していた楽器の復刻としての意味合いもあります。
　Neckには、美しい虎杢がでていますが、強度に一切不安を感じさせるものが無く、結果、楽器全体として、トーンの弾力と芯の強さの絶妙なバランスが同居しており、Flame Maple Neckであることに、後づけではない、あるべき大きな意味を感じます。
　例えば、一見うるさすぎるものの、しかしアンサンブルにおいては過不足無いLow-Bからも分かるように、アコースティックな響きは強烈で、弾き手を飽きさせずに進んで手に取らせる要因に溢れています。
　派手すぎず、実力のある弾き手が求めるつぼが抑えられている、低音楽器としてあるべき要素以上のものが備わった楽器です。

#850 BSR4M-A
　現在では、完全な受注生産になってしまったKen SmithのBolt-onですが、 楽器としての完成度はNeck-thru同様高みを極めており、それは、このシンプルな構造のMでも全く変わることがありません。
　Swamp Ash Bodyの楽器は、レンジの広さゆえScoop(日本語で言うところのドンシャリ)されているのが一般的な傾向とされていますが、きちんとシーズニングされた良質のものであれば、 全帯域に渡る均整なバランスを特徴とし、力強さをも兼ね備えた理想的なサウンドキャラクターを持ちます。
　楽器の音色を決定する要素は無数にありますが、Neckという重要な条件が非常に高いレベルで安定しているのであれば、Body材による音質の差異が個性としてより大きく浮かび上がってきます。
　Swamp Ashは、中でも最もポピュラーかつ安定した供給量のある材料の一つですが、その結果には大きなばらつきがあります。
　Ken Smithは、Body材の特徴や差異を、他のどの楽器よりも良く感じることのできる楽器ですが、広く知られているように、上記の条件を常に満たしているからこそであり、それこそが長い間飽きること無く弾くことのできる大きな根拠になっています。
(ロックハウスイケベ様に在庫していただいております。)

#849 BSR5TNE-CM
　ベースという低音楽器の持つ音色の美しさの全てを、余すこと無く備えています。
　端然かつ流麗なトーンはしなる低域と、アンサンブルの土台として十分なボリュームをもちながら程よい主張のある中域、一直線に山の頂を目指す陽光のような途切れることのない長いサスティーンを持つ高域、その全てが"バランスの良さ"という表現をすることに意味を感じさせないほど完璧な状態で備わっています。
　弾き手の虚栄心を満足させる為だけに存在しているExotic Wood Topを持つ楽器は少なくありませんが、このスタイルの先鞭でありながらも、木目や重量といった、存在している要素の様々を的確に楽器の個性に結びつけているメーカーはそれほど多くなく、このBlack Tiger Eliteのような好例に巡り会えることは、Ken Smithにおいては珍しくないのですが、実際には奇跡に近いものがあるでしょう。
　他人に先駆けることや、オリジナリティで勝負することは、結果だけ見てしまうと安易なものととらえられてしまうかもしれませんが、そこに練り込まれたコンセプトや、鋭い洞察力、試行錯誤を厭わない姿勢など、尋常ならざる努力を継続することによって、誰が見ても十分な説得力を有する場合になりえることもあるということを、このBlack Tiger Eliteは力強く語っています。
(Music Force Global様に在庫していただいております。)

#848 BSR5EG-FW
　艶のある乾いた、ホロウボディの楽器が持つような独特の響き方をする楽器です。
　最良のTonewoodの一つであるWalnutは、通常であれば重くなりがちな傾向にありますが、アタックは速く、非常に滑らかなつながりと気持ちのよい粘りを持つ自然なキャラクターを常に感じることが出来るのは、やはり長いシーズニング期間によるものでしょう。
　この5EGを購入する方は、見た目の美しさがその動機になるかもしれません。しかし、時間の経過とともに、それが"良い音だったから"、ただそれだけの理由に確実にすり替えられてしまう楽器です。
　PLEKによるスキャンは、その楽器上で起きている殆どのことを説明し得るものですが、Ken Smithという楽器が世界中の名だたるミュージシャンに愛用されているその理由の一つは、どのようなスタイルのプレイヤーが使ってもベストな結果をもたらすことのできる、許容量の大きさによるものであり、この5EGもまさにそれを代表する楽器になっています。
(Music Force Global様に在庫していただいております。)

#835 BSR5TN-CM
　ピッキングの僅かな違いによる、弦振動のダイナミクスにリアリティのある、その全てが体感できる楽器です。
　このBlack Tigerを弾いて思うことはいくつもありますが、その一つは楽器と道具、高い家具の境目とは何かということです。
　その疑問に対する答えは、個々人による様々な見解ゆえ、容易にはでなくとも不思議ではありませんが、Ken Smithにとっては、楽器そのものが回答であり、万人に、客観的かつ正しい価値観を与えることの出来る希有な例と言えるでしょう。
　多くの製作家が口を揃える良い楽器の為の条件である、材料の良さ、感銘を与える音楽的なサウンド、木工技術の高さは、当たり前のようの存在していますが、それだけではなく、例えばネジの長さや、ポットのシャフトの長さまでも、入念に検討された上で選ばれているということを一例として、Ken Smithという楽器に於いては、多くのものが慎重に積み上げられており、これこそが長い間、安定したクオリティを供給し続ける主たる要因になっています。
　世界中の優れた音楽家に愛されている様々な理由は様々ですが、共通する、その主なるものの一つであることは間違いないでしょう。
(三木楽器心斎橋店様に在庫していただいております。)

#833 BT4EG-AQ
　世界に誇る、日本の古い歴史のある木造建築を思わせる優艶なAshを用いた、池部楽器店様の35周年記念モデルのBT4EGです。
　全楽器製作者の中で、最良のウッドストッカーであるKen Smith曰く、30年以上の経験で数える程しか見たことが無く、Ken Smithで使用する材のクオリティを満たしているものはほぼ皆無という、この珍しいAshは、Northern Whiteとは異なった種類のもので、シーズニングにはもちろん、シーラーを使用していない為、塗装にもAshという材の性質により膨大な時間がかかっています。
　シーズニングの期間は、もちろん製作者ごとに異なった基準を設けていますが、入手後十分なシーズニング期間を経ずに使わざるを得ない状況にあるメーカーも、特に生産本数の多いところでは、少なくありません。
　大手のメーカーでは、シーズニング期間の短さをカバーするべく、様々な機材を導入していおり、表面的な問題の回避を行っていますが、こと"楽器"に用いられる手法としては、昔ながらの自然乾燥に勝るものはありません。
　以前、自然乾燥のものと、強制乾燥を経た材をそれぞれ年単位の変化でどうなるか、という比較をKenに見せてもらうことが出来ましたが、前者がいつまでたってもまっすぐであるのに対し、後者は程なく反っており、消耗品ではなく、長く弾かれる存在にとってどちらが良い自明の理があります。
　オーダー前に、どのCore材がベストかという問いに対し、Kenは'Western Quilted Maple'と即答してきていましたが、完成した楽器を手にとってみた瞬間にそれが揺るぎない正答であることを確信させてくれ、どういう楽器として仕上がるかが製作前に分かり、そのイメージに対して適切な選択を行うだけだ、と語っているKenの変わらぬ凄さを感じます。
　かなりのローアクションから、高めの弦高まで、どのように調整しても確実な結果を導いてくれる完璧なセットアップに加え、多弦楽器製作のエキスパートならではの余裕のある、珍しいTop材という特徴をどこかに圧しやってしまうバランスと素晴らしい音色が、このBT4EGを代え難い1本にしています。
(ロックハウスイケベ様に在庫していただいております。)