#401 BSR5GN-FM
　低域の解放感溢れる伸び方に感動を覚える楽器です。
　WalnutとMapleの組み合わせは王道ではあるものの、その実、本当の意味で良さを楽器に盛り込めているメーカーは少ないように感じるのは、Ken Smithにとってはスタンダード中のスタンダードであり、そのいずれもが他に類を見ない最良のTonewoodであることをはっきりと明示していることを私自身が知ってしまっているからかもしれません。
　Ken Smithとしては、Crotch Walnutを使用したBlack Tigerが有名ですが、このClaro Walnutを用いたGNには相対的に'太さ'という要素がより多く盛り込まれているようです。
　レスポンスや、切れ味とぬけの良さと安定感、太いLow Mid、散らない低域等、Ken Smithの良さを端的に示しており、もう一つのスタンダードとも呼べる、長い弦楽器製作の歴史の中で、きわめて正しい方向に進んでいる楽器だと思います。

#413 BB5MW-BW
　Bubingaのみが持ち得る、特有の気持ちの良い太い中低域をWalnut Coreがばらつかないようにタイトに纏め上げている印象があります。
　当たり前のことですが、エレクトリックの楽器ではあっても、アコースティックの時点で完成していなければならず、その結果、 楽器本体の程よいテンション感がPickupやPreampを介して結びつき、アンサンブルを支える力に直結する充実したヴォリューム感の生成に貢献しています。
　ベースとして必要な適切なミッドレンジの存在を常に感じながらも、嫌みのない、そこだけ出過ぎていない大変にバランスの良い楽器は、振り返ってみると、この価格帯でも、どこに連れて行っても必ず結果を残してくれる楽器というものが、一般的には実はそう多くは無いのだという現実において、稀有な存在であると言えます。

#494 BB5MS-GN
　品がありすぎずに、程よい存在感と主張をするCocoboloは、優れたExotic Woodであり、Tonewoodの最高峰と呼ぶに相応しい材です。
　中低域に重心があり、Cocoboloの特徴がMahoganyと程よく溶け合っています。また、粒立ち良く滑らかな高域は、アンサンブルに過不足のない彩りを加えるものです。
　ベースの音色は、細すぎるより太い方がもちろん良いのですが、それも度が過ぎると共演者がやりにくく感じてしまうことがあり、そういう意味でも落ち着いた自然な太さのあるこのBB5MSは、大変に優れた楽器の１本であると評価できます。
　上述と反するようですが、Cocoboloは、実は起用法が難しい材でもあります。それはその材の良さにだけ頼っていると、ということですが、Ken Smithでは、常に分かった使い方をしており、元々存在している以上の良さを楽器に与えています。

#498 BSR6MS-FM
　パッシブの古い楽器のように良く振動し、弦を弾いていることが強く実感できます。
　かなりのLow Actionでセットアップされているにもかかわらず、中低域には芯があり、弾き手のプレイアビリティに対する要求と、オーディエンスとアンサンブルが要求する"そこにいるべきベーストーン"の双方を確実に応えてくれる楽器です。
　Neckのピース数は、その楽器の音色には大きく影響しないものの、性質や傾向の決定付けにはかなり意味を持っており、Ken SmithがなぜこのMSというモデルを新たに市場に送り出して来たのか、また、彼が楽器製作という行為を通じて伝えようとしている哲学は、このMSというモデルを通じて強く伺い知れます。
　デッドスポットとは全く縁のないNeckは、どのポジションを選択してもストレス無く指を運べ(これは譜面を見ながら演奏する際には非常に大きな利点になります)、また、35"の必要性を全く感じさせない明瞭なLow-B弦、4弦ベースの延長線上にある力強いE弦等、良いベースの基本的な要素のすべてを持ち合わせている素晴らしい楽器です。
　場面を問わずに、確実な結果を常に求める弾き手の方にお薦めです。

#500 BT5G-KM
　1988年にKenが入手したKoa材を用いた、プレーンでストレートな音色を持つ完璧な楽器です。
　長いシーズニングを経た材こそが、良い楽器を作る主たる要因であることは重々承知しているものの、それは見た目で分かるものではない為、乾燥期間の長さは楽器の優劣を決定づける際に分かりにくい要素となってしまいます。
　しかし、それはあくまで表面的なものであり、弾き手にとってもっとも大切な、楽器が与えるインスピレーションには、特に重要な意味を持ってきます。
　ラミネート構造のBody Wingを持つKen Smithでは、Top & Backが楽器の方向性を決めCore材が色づけを行います。そういう観点でこのBT5を考えると、一見、Koaの特徴はどこに活かされているのであろう？と考え込んでしまうほど、そのキャラクターを感じないものとなっていますが、やはり古いKoaがこのBT5を"あり得ない完全無欠の良すぎる楽器"足らしめている主たる要因になっていることは間違いありません(もちろんそのことは、この楽器をオーダーする際に、Kenによってすでに説明されていたことであることは言うまでも無く、VeneerにWalnutを用いていることから考えても、彼にしてみれば予定調和を実践しただけのことかもしれません)。
　また、さらに興味深いこととしては、このBT5のように製作家が分かって作った楽器は、選ばれた弾き手にとってもそっくり当てはまる事があり、演奏に向かい合った際に、同じような現象が起こりうるということがあります。
　どういう材を使ってもブレのない、確実な完成度を保証する造詣の深さ、多弦楽器の先駆者であるKen Smithのコンセプトの完成度の高さ、それを寸分違わず楽器として世に送り出す事のできる実行力など、まだまだこのメーカーには驚かさせられっぱなしです。

#471 BSR5EG-FM
　見た目だけ良い楽器に高級家具との違いを見いだす事は出来ませんが、音の良さや必要とされるファクターが詰まっているとなれば話は全く変わり、それも必要要素の一つとなります。
　Ken Smithでは、材を組み合わせる際に"対比の美"と"統一感"の双方を重視しますが、濃い色のFlame Mapleが、何とも言えない幽玄や色気をこの楽器に与えています。
　近年多くのメーカーが値上げを行っていますが、昔から完成された楽器であるKen Smithでは、その点、明らかに見た目でもお客様に納得していただけるだけの楽器製作を行っており、音、弾きやすさ、バランス、見た目、その何れの要素でも弾き手を納得させてくれるプロフェッショナルな楽器はそうざらにはないのではないかと思います。
　引き締まって分厚いアンサンブルでもカットする音色一辺倒でなく、経験豊富な製作家によって齎される、多様な表情と深みがあり、Neck-thru構造の良さをはっきりと明示している楽器です。
　この価格帯の楽器であれば、良くて当たり前であり、実のところ表現する言葉はあまり無ことは十分に分かっていますが、それでも感動させられてしまう一本です。

#449 BSR6GN-FM
　低めの弦高のセットアップが施されていますが、変なバズも無く、強固なローミッドを持ったサウンドをしっかりと感じることが出来るのは、やはり丁寧な製作姿勢と良質の材によって生み出されるものだと思います。
　その為、速いパッセージでも一つ一つの音が潰れることなくアンプを通して再生され、ゴーストノートを交えて率先してグルーブを生み出すスタイルのプレイヤーには、大変強力な武器となる楽器になっています。
　このBSR6GNをチェックしてすぐに想起したのは、昔のPatitucciのサウンドですが、その頃の音色にふくらみを加えた、というのがこの楽器の音を表現するのに適切なものと感じます。
　WalnutとMapleのコンビネーションは、このスタイルの楽器に必要不可欠な要素を生み出す最良の手段ですが、このことにいち早く気付き、自身の楽器に採用しているKen Smithはやはり慧眼の持ち主であったということでしょう。
　アンサンブルに埋もれない力強さはもちろんありますが、決していきすぎず、優れた楽器としてのバランス感覚に富んだ、主軸たるべき確実性を創出する楽器です。

Gold

#472 BSR5TNE-CM
　厳選された味わいのあるCrotch Walnutに加えて、柾目のFlame Mapleとうっすらと表出するBirdseye Maple、Bubinga材の織りなす美しいコントラストに、独自のCatalyzed Lacquer Finishが華を添えている楽器であり、その全てに美しさの追求の為の必然性を感じます。
　ホロウボディーやチェンバー構造の楽器のような独特のエアー感があり、この特徴は特にアコースティック系のギグや、エレクトリックベースでは通常混ざりの悪い、ピアノとの相性の良さに強く現れる、ノイズとは縁遠い余裕溢れる音色になっています。
　加えて、かなり低めのセットアップが施されており、軽いタッチでスムースかつ綺麗なトーンを紡ぎたいプレイヤーにとって最高の楽器になりえるでしょう。

Hand Rubbed High Gloss Catalyzed Lacquer
　　　　　　　　　　　　over Stradivari Gold Oil

Series/Parallel Switches with Smith B.M.T. 3 Band EQ Circuit
and Smith Custom Bass Hambucking Soapbar Pickups

#328 BSR7EG-QW
　"光り輝く一点の傷も無い玉"と評するに相応しい楽器です。
　4弦の楽器が持っているような剛健さや力強さを失わず、全ての弦がグランドピアノの様な均整で伸びやかな響きやレスポンス等、全ての面において、間違いなく現存する弦楽器の最高峰に位置しています。
　近年、数多くの作りの良い楽器を目にする事が多くなってきましたが、それらからは、どちらかといえば冷淡な印象を受ける事があります。対してこの楽器の精度の高さは、おそらくは人の手によって製作し得る限界の到達しているものでありながら、コンピューター制御によって作られる楽器の精度とは、異なる次元の高さを持っており、これが温かみに溢れる良質な鳴りと、手放したくないと感じさせる、弾き手に与える印象の良さを楽器に与えているようです。
　微動だにしない安心感溢れるネックや、弦振動がしっとりとボディとネックに沈み込んで行く感じ等、他の楽器ではあまり味わえない良さに溢れた素晴らしい楽器です。

Hand Rubbed High Gloss Catalyzed Lacquer
　　　　　　　　　　　　over Stradivari Gold Oil

Series/Parallel Switches with Smith B.M.T. 3 Band EQ Circuit
and Smith Custom Bass Hambucking Soapbar Pickups

#392 BB5GNW-BN
　衝撃的に良かったBubinga TopのWide Pitchの再オーダー分です。
　BubingaとMahoganyの組み合わせは、自分自身のKen Smithと同じもので、材の特性からわりと重量がある楽器になっていますが、このBB5GNWは比較的軽量で、弾き手としては有り難いと感じるものだと思います。もちろん重さに起因する両者の差はあると感じますが、それでも、Bubingaのみが持ちうる特徴的な中域と、各帯域の分離の良さ、アタックを伴った厚みのある太い出音、そしてKen Smithならではの強烈な安定感は十分に健在です。
　Wide Pitchということで、Smithの持つ抜群の弾きやすさが失われるのではないかとの懸念も実際ありましたが、実際に楽器に触れてみるとあたかもそれがスタンダードであったかのような弾きやすさと抑えやすさがあり、逆にこの広さが快適と感じてしまう瞬間があるのは全く不思議なことです。
　Mahogany Coreは、このBubingaの特徴を最大限に引き出しており、スラップ、指弾き共々、やみ付きになる音色＝得難い魅力で溢れています。

#350 BT4TNV-CM
　良質の材によってのみ生み出される、しなやかで弾力性のある、言葉で表現すると不可思議なものとなりますが、堅くて柔らかいNeckを持っている楽器です。
　アンサンブルにおいて最大限力を発揮する、主張と融合のバランス感覚に長けたKen Smithの真骨頂がこのVintage Black Tigerにも多分にあり、弾き方によって生み出されてくる音色のキャパシティにも語らずにはいられないものがある、様々な表情を見せる'本物の楽器'です。
　出てくる音色はもちろん、それ以上に弾き手に与える感触がこの上無く気持ち良く、でき上がったばかりの楽器にもかかわらず、こなれた生音と振動がNeck、Bodyの両者から体全体に伝わってきます。

Series/Parallel Switches with Smith B.M.T. 3 Band EQ Circuit
and Smith Custom Bass Hambucking Soapbar Pickups

#349 BSR5PEF-OW
　彼の愛用するダブルベースが持つ、絶品の音色と雰囲気を想起させる素晴らしいフレットレスです。
　タッチの加減一つで、粒立ちの良いタイトなエレクトリックベースのみに許された音色から、アルコ奏法を彷彿とさせる雄大な音色まで、その全てが自然に表現できるのも、Ken Smithが強い意志によって、一貫した方策を揺るぎなくその楽器に盛り込んでいるからでしょう。
　人類の財産たるギリシャ彫刻のように、出るべきところと引き締まるべきところのメリハリが、完璧なバランスを持っているトーンは、敬遠されてしまうこともあるオーセンティックなJazzでも使用できる数少ないエレクトリックベースとしての位置を確立させており、そはやそれ以外か、それ以上の楽器として評しても何ら違和感がありません。
　そのような感覚を、表面的なものではなく、もっとも大切な音色という要素に溢れさせる楽器製作には膨大な時間と労力が必要なのだと思いますが、その完成した形の一つがここにあります。
　また、油分を含んだ材とオイルフィニッシュの相性はあまり良くないことがあり、その場合ムラがでてしまうことがあるのですが、この点でもKen Smithには大きな改良を見る事ができ、今では全く問題の無い、世界最良のオイルフィニッシュを楽器に施すことができるようになっています。

Series/Parallel Switches with Smith B.M.T. 3 Band EQ Circuit
and Smith Custom Bass Hambucking Soapbar Pickups

#157 BSR6GN-FN
　6弦ベースながら、その軽量さに驚かさせらますが、決して軽くはないトーンによって、さらに驚かさせられる楽器です。
　サウンドは、上から下まで自然で、軽く弾いてもしっかりとした質感を伴っています。
　この材は、私が3年前にKen Smith工房を訪れた際に実際に選んで来たものですが、その時点ですでに何年も寝かされていた訳ですから、やはりこれが十分な自然乾燥を施した材の良さなのでしょう。
　ネックは薄めですが、触ってみると堅牢で安定感が感じられます。
　多弦ベースになると、ギターライクなサウンドになってしまうものもありますが、この6GNは、ベースらしい、落ち着いた野太いトーンをもっており、中域にも美しいと感じられる艶があります。
　歌やサックスなどフロントのプレイヤ−を決して邪魔せずに聴こえるベースのサウンドを持ちながら、それでいてアンサンブルをきっちり包み込んでくれる、良い意味でハイエンドらしからぬところもある楽器です。

Hand Rubbed High Gloss Catalyzed Lacquer
　　　　　over Stradivari Gold Oil (Ken's Secret Sauce)

#375 BB5EGW-BH
　Ken Smithで使用されている、長い時間による自然乾燥を経たTonewoodの中には決定的な良さを持つものが少なくありませんが、このBubingaもそのトップに位置するものと評しても決して言い過ぎではないと思います。
　楽器の地力の強さがあればあるほど、組み合わせるアンプや、EQの加減による影響を良い意味で受けにくいと思いますが、このBubingaを使用したKen Smithは、特にその傾向が強く、どんな状況やどういう使い方をしても、この楽器にしかない癖や良さを維持してくれます。
　Low Midから低域まで強力な太さがありますが、分厚いアンサンブルでも決してまわってしまう事がないのは、やはりこのBubingaの特性によるものでしょうし、程よい粗さが上品になりすぎずに非常に多岐にわたる音楽ジャンルでの使用を可能にしていると思います。
　この楽器は19mm Wide Pitchの為、通常のKen Smithより大きいように見えますし、実際にそうであるのですが、バランスの良さや、優れた加工によるネックのグリップにより 時として、通常の18mm仕様の楽器よりも弾きやすいとすら感じることがあるのも、自身現役の演奏家であり、弾き手の為の楽器を真摯な態度で製作しているKen Smithならではだと思います。
　また個人的には、スラップのやりやすさや、その音色に特筆するものがあると感じます。

5pc. Aged Hardrock Maple & Morado w/ Graphite Inlaid Bars

ELECTRONICS

Series/Parallel Switches with Smith B.M.T. 3 Band EQ Circuit
　　　　 and Smith Custom Bass Hambucking Soapbar Pickups

#376 BB6TNE-CM (Black Tiger Elite Fusion)
　音楽家や聴衆が弦楽器という存在に求める数多くのあるべき要素を持ちすぎると、エレクトリックベースという容器や枠組みに、それらを納め切る事が難しいと一旦は感じさせるものの、スマートかつ洗練されながら完璧な形で具現化されているのがこの強烈な楽器です。
　深く豊かなトーンは、ソロでは美しさと力強さを同時にバランス良く内包したものへ、アンサンブルでは、確実のその存在を誇示しつつも、あたたかく混ざるという、普通であれば両立が困難であるものの、大変理想的な求められる要素に満ちあふれています。
　一方、リアリティとディティールの再生にも優れ、その分、粗がでることもあるかもしれませんが、一つ一つの音に責任を持って臨む弾き手にとってはこれほど強力な武器はないでしょう。
　弦楽器の古き良きサウンドは、今でも愛される不変のものとなっていますが、その理由をこの新しい楽器を通じて感じる事ができるのは、非常に興味深いものです。

5pc. Aged Hardrock Maple & Bubinga w/ Graphite Inlaid Bars

ELECTRONICS

Series/Parallel/Tap Switches
　　with Smith B.M.T. 3 Band EQ Circuit
　　　　& Smith Custom Bass Hambucking Soapbar Pickups

#288 BSR5EG-EH
　ある特定の条件を持ったMacassar EbonyとMahoganyの組み合わせは、'最良'を文字通り体現したような楽器の成立条件となります。
　低域をカバーする楽器の善し悪しは、アンサンブルに入らないと分からないこともありますが、ことこのBSR5EGに関しては全く心配ないということが、単体のみでも十分すぎるほど理解できます。
　やや太めながら弾きやすいNeckも、Body材同様、この楽器の長所を形成する上で大きな要因となっているようで、Low-Bのイントネーションの良さ、揺るぎのない安定感などに現れているように感じます。また、その結果、優れた多弦ベースでも実はあまり無い、Low-Bの12フレット以上の音程もしっかりした、使えるものとなっています。
　最近は、Tone Controlを搭載した楽器が数多く出現しており、個人的にも重宝することが少なくありませんが、Ken Smithに於いては、Neck/Bridgeのどちらか一方でも不満を感じさせないPickupとBalancerの組み合わせがその役割を果たしてくれ、本当の意味でのバリエーション豊かなサウンドが、この楽器に"多様性"という素晴らしさを与えています。

Hand Rubbed High Gloss Catalyzed Lacquer
　　　　　　　　　　　　over Stradivari Gold Oil

Series/Parallel Switches with Smith B.M.T. 3 Band EQ Circuit
　　　　and Smith Custom Bass Hambucking Soapbar Pickups

#122 BSR5GN-TW
　良質なTiger Mapleを使用した楽器特有のしなりと、押し出しの強いはっきりした撥音をするWalnutの組み合わせが、指弾き・スラップともに抜群のサウンドを提供してくれる楽器です。
　Ken Smithは、MapleとWalnutのストック量がギターメーカーとしては世界一を誇り、いくつかの老舗の有名ギターメーカーに卸していることでも知られていますが、この楽器を弾けば、"厳選された材を使用した"というすでに古めかしい売り文句が、Ken Smithにとっては、誇大表現とはほど遠い、全くの掛け値無しのものであることがわかるでしょう。
　SLEEK ELITEでは、今まで主に、Top & BackにWalnutを、Tiger MapleをCoreにそれぞれ配した楽器を中心に扱っており、Tiger Maple Topの楽器はやや珍しいものでした。しかし、約半年前にこのTiger Maple Top & BackとWalnut Coreの楽器を注文し、そのあまりの良さに言葉を失い、Ken SmithではMW(Maple/Walnut)というモデルがあるくらいですから、昔からスタンダードの組み合わせであったこともあり、大変に後悔したことをよく覚えています。
　この楽器はその時すぐにオーダーしたものですが、今回も大変に素晴らしく、私の期待以上の楽器でした。
　秀逸なプリアンプを搭載していますが、それに頼ること無く、弾き方とピックアップのバランスのみで、荒さのある力強いサウンドから、上品で洗練されたサウンドまで幅広くカバー出来、それらがいずれも中途半端と感じられない楽器です。

Classic Hand Rubbed Dutch Varnish
　　　　　over Stradivari Gold Oil (Ken's Secret Sauce)

Gold

Hand Rubbed High Gloss Catalyzed Lacquer
　　　　　　　　　　　　over Stradivari Gold Oil

Series/Parallel Switches with Smith B.M.T. 3 Band EQ Circuit
　　　　and Smith Custom Bass Hambucking Soapbar Pickups

#348 BB5MW-FN
　珍しいルックスの楽器と思われるかもしれませんが、私が工房を初めて訪れた際に見たKen Smithをイメージして製作してもらった楽器です。
　渋く落ち着いた品のあるルックスを持つこのBB5MWですが、音色は、多くのプレイヤーが望む、良質のハムバッキングピックアップと木材による、力強くしっかりとした安定感のあるものとなっています。
　高域は乾いており、低域にはダークさがあるという理想的なバランス感覚を備えている、弾くことの楽しさを多分に感じます。
　Low-B弦のイントネーションも非常に良く、シンプルで使いやすく完成されたクオリティによって、無限大のフレーズを導き出してくれる、そんな楽器です。
　HBSBピックアップを搭載したBolt-onの良い楽器をお探しの方には大変お薦めの１本です。

Classic Hand Rubbed Dutch Varnish
　　　　　over Stradivari Gold Oil (Ken's Secret Sauce)

Gold

#327 BSR5TNF-CM
　エレクトリックベースの中にもコントラバスを想起させるものがあり、エレクトリックアップライトもその素養を求めています。しかし、本物の前ではその多くは無力であります。　しかし、根本的なスタート地点や、コンセプトの違いの為か、それらの多くよりも遥かにコントラバスらしく音楽的な存在足り得るのが、Ken Smithのフレットレスです。
　コントラバスらしいという表現や、ウッドベースのようだ、と言ってもそれらの多くはあくまで表面の形容にしかすぎず、本当に大切なのはその先にある真実が一体どういうものであるか、ということであり、それを具現化している数少ない存在です。
　アルコ特有の満ち欠けのある滑らかなダイナミクスを多分に備えており、例えばJazz等コントラバスが必須と思われる場面の為、敬遠されてしまう状況においても尚、十分すぎるほど、その力を発揮してくれるでしょう。
　アタックはきわめて早く、そこを起点として倍音と基音の双方が何倍にもふくれあがる音色は、大変気持ちが良く、これはKen Smithのフレットレスは、時間が経過するとよりその傾向を強くするのですが、古い材を使用した為か、すでにこの感覚を多分にもちあわせています。

Classic Hand Rubbed Dutch Varnish
　　　　　over Stradivari Gold Oil (Ken's Secret Sauce)

Gold

Classic Hand Rubbed Dutch Varnish
　　　　　over Stradivari Gold Oil (Ken's Secret Sauce)

Gold