#628 BSR5TN-CM
　熟練の職人が、手抜きをせずに、将来手にするであろう弾き手のことを真摯に考えながら、良質の材料を用いた楽器、即ち英語で言うところの"Genuine Musical Instrumens"がこのBlack Tigerに代表されるようなKen Smithです。
　試行錯誤の上、作り出された優れたPreampの搭載によって、サウンドメイキングという作業では、一見どのようにでもできてしまえるような印象受けることもありますが、実際のところそれは、屋台骨である楽器自体が揺るぎないものでなくてはならず、また保険として存在しているからこそ、余計にその良さを感じることができるというのが本当のところでしょうし、在るべき姿ではないかと考えます。
　技術を鋼のように磨き続け、自分が自分であろうと思う弾き手にとっての、上質な個性と完璧なバランスをもった楽器です。

#445 BSR6EG-FN
　Quilted Mapleのような木目を持つWalnutは、美しいだけでなく、非常に珍しく、今までに数えるほどしか見た事がありません。
　6弦ベースとなりますと、やはりそのネックの質量からか、重たい楽器が増える傾向にありますが、このBSR6EG-FNは、重すぎず軽すぎずの"Optimum"な重量バランスを持っています。
　言葉では表現しにくい幽玄や、良い按排を持った温かみと太さは理想的なサウンドの一つであることは間違いありません。
　フォーカスされた散らない低域は、Low-Bの再生にも大きな力を発揮する一方、High-C弦にも力強さをもたらしており、多くのプレイヤーが求める6弦とはまさにこのようなものだと思わさせられます。
　ニュアンスが非常に良く出るキャラクターが根底に有る為か、弾き手のタッチの加減や機微の全てが楽器を通じて再生され、例えば力強さは"がっつり"としたトーンに、弱いタッチはふくよかで包み込むサウンドにそれぞれ繋がります。
　幅広いスタイルの音楽への高い適応力を誇る、弾いていて楽しい楽器です。

#556 BB5TNF-CM
　トーンにオレンジや赤を基調とするカラフルな色彩を持っており、人がそうであるように雑多であるからこその美しさを、確実な製作技術によって生み出された絶妙のバランスに立脚し備えている楽器です。
　Ken Smithのオリジナルのアクティブ・サーキットは、自然に機能する為、良い意味でらしくない、かゆいところに手の届くものとなっていますが、ことフレットレスに関しては、Passiveで使われている方が、少なくないのも非常に頷ける楽器の１つです。
　スタンウェイに例えられることの多いKen Smithは、エレクトリックベースというよりも、完成された、なにか別の違った弦楽器と評するに相応しいものでもありますが、このBB5TNFが証明しているように、右手のタッチと、指を置くポジションだけで、必要とされる以上の様々なトーンを生みだし、アンプはもちろん周囲の空気さえも、その音色の一部とせしめてしまうからでしょう。
　クリアーで、明瞭なイントネーションを持ち、それでいて温かみのあるトーンは、スピーカーからの出音はもちろん、指板上でも筆舌に尽くし難いものであり、それら言葉では表現し難いものになっています。
　このBB5TNFも、他のKen Smith同様、きわめてはっきりした音程を確実に創出し、それは弾き手優劣を如実に示してしまうようにも思えますが、音程の精度を維持する事の難しさをあまり感じさせず、楽器がプレイヤーをサポートしているかのような錯覚を持つ楽器です。
　ベースプレイヤーであることに幸せを見いださせてくれる得難い、本物の弦楽器です。

#466 BB5TN-CM
　Ken Smith初のFusion ShapeのBlack Tigerです。
　程よく引き締まったサウンドキャラクターにより、低域から中域までに物足りなさを感じる事が無く、高域においてはベースという楽器の音の美しさを誇示しています。
　全てのエレクトリックベースの中でも最良のLow-Bの音程感を味わう事ができ、古すぎず、またモダンに偏る事も無く、良い音とはまさにこれと言わんばかりのトーンを持っています。
　弦高は、1弦で1.6mmとやや高めにセットアップされていますが、それが全くストレスにならない絶妙なプレイアビリティを保っているあたりは、ミュージシャンの為の楽器製作に定評のあるKen Smithならではであり、全ポジションにおいて万遍無く、太く張りのある音色を生み出します。
　アンサンブルの要になるべ−スプレイヤーの為の感動させられる楽器です。

#559 BSR5EGF-FY
　人それぞれに異なった雰囲気があるように、特別な個性のある楽器です。
　ラミネートボディ構造によるメリットはいくつもありますが、多色になると、統一感を生み出す事が難しくなってしまい、美しい楽器にはなりにくくなりますが、このBSR5EGFは、普段より音の良さはもちろん、異なった材の組み合わせによるコントラストの際立った美しさの創出にも心を砕いているKen Smithの真骨頂とも言うべき、格別な佇まいを纏った楽器になっており、そこには、バイオリンやチェロを、耳だけでなく目でも美しいと感じる理由と同等のものが存在しています。
　エポキシコーティングされた指板を持つフレットレスから生み出される音は、その昔、レコーディング時に、途方も無い感動を与えてくれましたが、この楽器からは、さらにそれを上回る温かみがあり、必要な帯域が自然に持ち上がっている印象を受けました。
　バランサーの使い方次第では、コントラバスの役割を担う楽器として活躍することはもちろん、誰もが認める古いアコースティックのアンプより繰り出される、美しさと凶暴さを秘めた音色まで自由自在となっています。
　並のものであれば、それらは１つの楽器に１つの音色という具合なのですが、このBSR5EGFには、それぞれが完璧な状態で備わっており、それには、ただただ驚かさせられるばかりという感じです。

#562 BSR6MS-WM
　Neck-thru構造を持ちながら、他のSet-NeckのKen Smithと異なり、あたかもSet-Neckの楽器のような感覚を持っているのが、MS Seriesです。
　分厚いアンサンブルや、音のまわってしまいがちな環境でも、確実に生き残る、まっすぐに伸びる力強さや、芳醇で美しい高音域でありながら、グラファイトネックの楽器のようにがちっとしすぎずに、きちんと良質の木でくみ上げられた特徴を持っています。
　音楽的に機能する音はもちろん、バランスの良さにも特筆すべきものがあり、ファンドフレットの楽器を手にし、その筆舌に尽くし難い究極のバランス感覚を知ってなお、Ken Smithの凄さは際立っているように感じます。
　多くのベースプレイヤーの好みを超え、だれもが良いと認めざるを得ない、価格は抑えられているものの、十分すぎると確信させてくれる、こういう楽器を製作し続けているKen Smith工房には未だに驚かさせられっぱなしです。

#570 BSR5EG-EQ
　Ken Smithにおいて、全エレクトリックベース中、最良のLow-B弦の音程感とイントネーションの良さを誇っていることは、その最大の特徴と言えますが、それはカスタムセットアップであるHigh-C仕様にしても全く楽器としての良さは失われず、むしろ逆に、本質の素晴らしさをRevealする結果となっています。
　弦もライトゲージを使用することを前提としていた為、この楽器の為だけのセットアップをナット、ブリッジはもちろんネックの選定など随所に見る事ができ、存在自体が、あたかも5弦ベースとは、実は本来こういうものであったと考えさせる事に特段の違和感を感じさせない、きわめて自然なものとなっており、ライトゲージの弦によるネガティブも、もちろん全くありません。
　Coreに使用されているWestern Quilted Mapleは、Alderに似通った特徴を持っていますが、他のメーカーが同じように作っても、こういう楽器には成りえないと確信させてくれるのは、Ken Smithという制作家が、自身でこの歴史を切り開いてきたからであり、このBSR5EGに、Alderという材を用いた楽器以上にその良さが特徴的に備わっているからです。
　弾き手のリクエストを決して裏切らない本物がここにあります。

#523 BB5TN-CM
　BSR Shapeの誕生によって、大幅なボディバランスの改善が図られたKen Smithですが、そのBSR ShapeのコンセプトをさらにおすすめたFusion Shapeを持つ、市場2本目のBlack Tigerです。
　得難く、手放せない感覚を備えた、持った瞬間に体の一部になってくれる楽器であり、Solid Bodyの持つオープンなコンプレス感とは違った絶妙な気持ちの良さがあります。
　各弦のバランスの良さは、ファンドフレットシステムを導入した楽器が最良であることは明白ですが、それを知った今でも、このKen Smithという楽器の優れた感覚には驚かさせられるものが多々あり、それは弾き手をあらゆる場面において大きく手助けしてくれるものです。
　プレイヤーの技量や、インスピレーションに一切の制約を与える事の無い、表現の為の楽器がここにあります。

#495 BB5MS-GM
　確実にアンサンブルをかき分けて聴こえてくるものの、自己主張しすぎずに、アンサンブルを的確に支え切るバランス良さの固まりのような楽器です。
　誰もが認める指弾きのトーン等はKen Smith固有のものでありながら、いわゆる従来までのものとは趣きを異にした、切れ味の良い、強すぎない中域を持つスラップのサウンドなどがこのMS Seriesは持っています。
　Maple Coreは、その材の密度によるものか、ブライトなキャラクターをもっていますが、突き刺すような感覚はなく、弾いていて飽きず、また共演者も含めた聴き手が安心する木のやさしさがあります。
　Low-B弦の音程感の良さは感動的であり、上から下までの音域が広がりすぎず、あるべきところに必要なものがある、そして良い材を使用した楽器ならではの、ゆるやかなカーブのある音色が特徴です。

#496 BSR5TN-CM
　印象的な木目が美しいBlack Tigerです。
　でき上がったばかりの楽器は、どんなに良い材を使っても、やはり特有の硬さがあるものですが、すでに楽器全体が十分に振動し、打てば響くような反応の仕方をしています。
　アタックのスピードはきわめて速く、タッチの加減に即応し、Passiveの楽器に比べてダイナミクスが付けにくいActive Circuitを積んでいるベースをお持ちの方には、ぜひ一度お試しいただきたい楽器です。
　単体では、一聴すると細いのでは？とお感じになられるかもしれませんが、アンサンブルでは欲しいところには必要な要素が必ず全て過不足無く存在します。
　アンサンブルで確実に聴こえてしまうということは、怖いところもありますが、プロフェッショナルな演奏家にとっては、大変にその仕事をやりやすくしてくれることでもあります。
　完璧な人間には近寄り難さがあるものですが、このBlack Tigerには、隙はなくとも愛嬌があり、長く弾く事の出来る好例のような楽器です。

#535 BSR4GNF-TW
　大変に珍しい木目を持ったWild Figured Tiger Mapleを使用した4GNFです。
　同時に入荷したBlack TigerのFretlessとは、アンプを通さなくともその違いは歴然としており、この事は材が持つ音色と構造の相互作用が、どのように影響するかということを考える上で非常に興味深い事象となります(材の違いを音色に影響しないとしているメーカーもありますが、それはあくまでそのメーカーだけの事実であって、全てに当てはまる真理ではなく、言い切ってしまうことほど危険なものはないと考えます)。
　普通に考えれば、Solid Body構造の方がその違いを明確に示してくれるはずですが、殊、Laminate Body構造を持つKen Smithという楽器の方が、それぞれの材の差異をより明確に示しています。 　
　もちろん、材の違い＝クオリティの高低に直結してしまう場合もありますが、Ken Smithでは、それを避けつつ、逆説的でもありますが、最も人為的とも思える製造工程によって、材のありのままの姿を表出させるという面白い現象を引き起こしており、なおかつ驚異的な安定感を楽器に与えています(同じ形を持ち、同じ材を使用した楽器にあれだけ個体差が生じる理由も説明できるかもしれません)。
　このことを強く感じるようになったのは、それほど昔の事ではないのですが、改めてKen Smithというルシアーの深慮遠謀の凄さ、いや素晴らしさに驚かさせられています。
　Tiger MapleとWalnutの相性の良さは、フレットレスになっても十分に健在であり、それぞれの特徴が欲しい中域と低域に出過ぎずない甘みや、温かみのあるふくらみと結びついています。
　Walnut Solid Bodyは、良くも悪くも画一的なニュアンスのある音色になりますが、よくシーズニングされたTiger Mapleによって上品さとくだけた感じの同居する、独特ながらもこれだ！という絶妙な楽器になっています。

#538 BSR4TNF-CM
　Black TigerのFretlessは、私自身2000年に入手し、以来ずっと手放す事の出来ない楽器になっています。
　ニュアンスの微細な変化をつける事はもちろん、ダイナミクスの起伏、ビブラートの緩急など、リリカルで情緒ある訴求力に溢れ、エレクトリックのフレットレスベースならではのタイトでグルーブ感溢れる演奏はもちろん、アルコ奏法によるダブルベースの雄大で荘厳なトーンまで持ち合わせています。
　ずば抜けた安定感は、他のKen Smith同様に備わっており、加えて、艶やかであることを通り越して、艶かしいと言った方が適切な色気があります。 　
　弾き手の指が、実は一番のイコライザーであることを切実に感じさる本物の楽器であり、慣れる事で、例えば、レイドバックしながら躍動するベースラインのような、難しい演奏などにおいても奏者を十二分に助けてくれる楽器です。

#537 BSR4TNE-CM
　Neck-thru構造であり、そこに使われている材も異なりますが、響き方は以前所有していた63年のJazz Bassに限りなく近いものを持っているという、生まれながらにして50年程前の楽器の感覚を持つ不思議な１本です。
　Alleva-Coppoloという楽器は、Vintageの持つ魅力が、時間の経過によって生じたものか、それとも生来備わっていたかという議論に終止符を打ちましたが、ある意味このBlack Tiger Eliteも同じような存在であると言えます。
　実際の音の立ち上がりの速さは素晴らしいものですが、感覚的にも共通しており、指と弦、ピックアップとアンプ、全てが１つのものとして機能する、それぞれを一元化する力を持った楽器です。
　このBSR4TNEを弾いてみると、見た目の美しさはもちろん文句無しですが、同時に、Ken Smith工房が、やはり"音の良さ"をまず最優先の課題としているメーカーであるという事実に強い意志と大きなこだわりを感じさせられます。
　エレクトリックベースにとって必要な要素だけでなく、+αのある弾き手と聴き手を飽きさせない音楽的なMarvelous Musical Instrumentsです。

#545 BSR6TNE-CM
　全域に渡って安定した音の厚みを誇っており、Crotch Walnutの研ぎ澄まされた鈴鳴りする高域と、Tiger Mapleの密度の濃さによる力強さを第一印象として受けるかもしれませんが、その奥底にある、ふくよかさや、余裕と深みもすぐに漏れ伝わってきます。
　見た目だけでなく、本当の意味での最良の素材を一貫したコンセプトで、最高の料理人が最適のバランス感覚を持って丹念に仕上げた、目と感覚で味わえる楽器であり、例えば、誰に教えられたわけでもないのに、あたかも熟知していたかのような'正しいマナー'を生じてしまうかのごとく、指と体が自然にどのように弾いたら、良い音が出るかを楽器が教えてくれる、そう言う存在です。
　弾き手の望むサウンドが、一切の阻害要素を伴わずに生まれてくる、表現者の為の最良の楽器です。
　手と体、そして耳が、この楽器をどのように扱えば良いかを自然に明示してくれる、Mentorやパートナーと呼んで遜色の無い、鉄ではなくナイロン弦を張っている楽器のような美しさにも溢れています。

#347 BSR5JMW-WM
　F BassをJazz Bassの変化球かつ大成功例とすると、ある意味、対極の存在がKen Smithであり、それはPrecision Bassの延長線上にある究極の存在かもしれません。
　中でもこのBSR5Jは、その特徴を端的に表しているものといえ、Neck、Bridgeの何れのピックアップだけでも有効にアンサンブルで活躍してくれるのもそう言った理由によるところが大きいのかもしれませんし(Bridge Pickupだけで使用すると腰砕けの音になってしまうJazz Bass Styleの楽器は少なくありません)、そういう意味では大変に優れたPJConfigurationの楽器ともとらえる事ができるでしょう。
　Top材のWalnutが、音楽的に強力なミッドレンジを生み出し、全体としては野太い男らしい音色を感じる楽器となっています。それゆえ、EQのMiddleの加減のみで非常に幅広いジャンルの音楽に違和感無く溶け込みつつもしっかり自己主張できるという優れた特性を有しています。

3pc. Aged Hardrock Maple

#374 BB5MW-IN
　Brazilian Walnutの別名を持ち、シックな印象を受けるImbuiaをTop材として使用した、気持ちの良い粘りや、粒立ちと歯切れの良いトーンが特徴の楽器です。
　音色のピークが高すぎず低すぎずの絶妙な位置に存在しており、何十年も寝かされていることも大きいと思いますが、Imbuiaという材がTonewoodであることを如実に示しています。
　Graphiteのよる補強はLow-Bの明瞭度の増加に貢献することもありますが、このBB5MWには採用されていないものの、それが良質の材の前では無関係である事を誇るかのような、大変強力なイントネーションの良さを持っており、逆にそれが楽器のコンセプトの完成度の高さに繋がっているようです。
　Bolt-on構造とHBSB Pickupの組み合わせの楽器は数多く存在していますが、このBB5MW / Exotic Flavor Seriesは中でも最もお薦めの１本です。

3pc. Aged Hardrock Maple

ELECTRONICS

#403 BSR5TNE-CM
　長年にわたりパイオニアとして業界を牽引しているKen Smith Bassesのフラッグシップモデルと呼ぶに相応しい楽器です。
　個性的でありながらも、アンサンブルにおいて出過ぎず引っ込みすぎずという的を射た響き方と、抜群の安定感は中々得難いものです。
　Lacquer FinishとFlat Top StyleのPickupのコンビネーションは、クリアーさと艶をこの楽器に与え、Single Coil Modeでは、美しく通常のSmithよりも丸みのある中域を、HB Modeでは力強く楽曲を支えるベースらしいサウンドをそれぞれ生み出します。
　Pickupに関して、P+J、J+SB、J+J、SB+SBと多岐に渡る選択肢をこの楽器は持っているわけですが、そのいずれもが音楽的に使え、かつその選択に疑問を抱かせないのは、備わっているべき基本的なクオリティーの驚異的な高さゆえのものでしょうし、Ken Smithという楽器の底力を感じさせます。

#128 BSR5GN-TN
　本来Ken Smithにとって、材の木目の良さは、あくまで音色を追求した結果の付加価値にしかすぎないのですが(Ken Smithは、楽器製作前に、それぞれに与えるべき音色を志向し材の木目を選んでいます)、それが分かっていても、ついつい強調したくなるような自然美に目を奪われしまう楽器です。また、その良さを一層際立たせる、丁寧に施された塗装や造型の素晴らしさがあります。
　しかし、この楽器を弾くと、その存在を忘れてしまうような、素晴らしい音色と弾きやすさがあります。
　タイトで粒だちの良いサウンドは、例えばゴーストノートがあたかもパーカッションのようにも感じられるもので、その１音１音がグルーブに確実に貢献してくれる楽器でしょう。
　強烈な自己主張があるという類いのものではありませんが、グルーブをコントロールし、バンドのイニシアチブを握りたいプレイヤーにとっては、これほどの楽器が存在しないでしょう。
　楽器の鳴りはやはり新品とは思えないもので、ハードに弾けば粘りのある力強いサウンドを、ソフトに弾けば繊細で上品なトーンを紡ぎだす、そういう楽器です。

Gold

#437 BSR4GNF-TW
　Ken Smithのフレットレスですので、弦高はいくらでも下げる事ができますが、あえて少し高めに設定し、その上で、シリーズ配線にしてリアピックアップ一発をで力強く弾いていただくと、とてつもない雰囲気をもったサウンドになります。
　乱雑さと端正さが同居し、自然である事の美しさが伝わってくるのは、Neck-thru構造と材の組み合わせの妙によるところが大きいと思います。
　3pc. Bodyとのマッチングに拠るものか、バランサーの加減がトーンのように機能するため、どのポジションでも十分に使える音を持っており、小さいこの楽器にとどめておけないような、爆発的な響き方を新品ながらすでに持っているとても気持ちの良い楽器です。
　歴史に名前を残す楽器は何か？という、最近時々いただくご質問ですが、その答えとしましては、Ken Smithのフレットレスを第一候補の上げておきたいと思います。

#414 BB6TNEX-CM
　正直コメントする事が適切かどうか迷った楽器です。
　Body前面に広がる一点の曇りもない美しいCrotch Walnutは、業界広しといえどもほぼこのKen SmithのBlack Tiger Eliteでしか見る事が出来ず、この自然の造形美の素晴らしさは、いくら言葉を並べても、写真を綺麗にとっても、その真実をお伝えすることができないようなものです。
　Crotch Walnutは、その大半に凹凸や傷が散見されるものですが、Ken Smithでは、その選択にコストと手間を惜しまず、文字通りの厳選した材を使用しています。この傷を補修したりする事が無い、ということによって木の音に、更なる真実を加える事ができるのだと思います。
　チューニングしているだけでも、この楽器の良さが十二分に感じる事が出来るのは、無数に存在する楽器の一つの行き着いた形であるといっても、大げさでも何でもなく、創作意欲の流麗な源泉として弾き手をサポートしつつ、高みに導いてくれるものだと思います。
　この6TNEをオーダーするにあたって、ちょっとしたリクエストを盛り込みましたが、それに対する絶妙な回答を黙って実行しているあたりは、さすがと唸らさせられるもので、全てを表現し得る訴求力にも溢れる一本であり、向き合う事で何かが必ず生まれてくる、そういう楽器です。

#450 BSR6TN-CM
　先日のベースマガジン誌でも音楽的、かつ安定したトーンによって文字通りサウンドしていたKen SmithのBlack Tiger 6弦です。
　6弦ということで数字上では4弦+２本なのですが、こういう優れた楽器に触れていますと、単純計算ではなく、熟慮を重ねたコンセプトや適切な材の組み合わせ、また、理想を現実のものとする熱意と情熱など、無数の付加要素が必要かつ、適切に配列されることが必要となってくることを改めて考えさせられます。
　透き通っていながら、深みと力強さを携えており、また、どこかの音域が抜けてしまうことも無く、全てにおいて感じる事のできる優れたバランスとなめらかさ、それはスタイルの良い女性にも例える事が出来るようなものです。
　抜群のプレイアビリティとアンサンブルと弾き手を包み込んでくれる音色、そして類い稀な安定感の存在は、ステージ上にあるすべてを音楽に集中させる為に必要な要素です。

#447 BSR5TNE-CM
　チューニングしているだけでも思わず唸らさせられてしまう楽器です。
　上から下まで全域に渡ってクリアーながらも、ベースというパートに必要不可欠な中低域と鈴の音にも例えられる美しい高域を持っているブラックタイガーのサウンドに、Catalized Lacquer Finishが、特有のウェットで艶のある質感と低域を加えています。
　様々な楽器を弾いていますと、ピックアップや弦だけの音しかしないものもありますが、このようにしっかりと木が響く楽器は、体に振動が伝達し、結果、飽きずに長く弾く事が出来る大きな要因であると確信しています。
　繊細で美しいトーンにとどまらず、同時に強さも備わっている、まさに一流の楽器と呼ぶに相応しい、突き抜けた個性を体現した逸品です。

#443 BSR6TNE-CM
　美しい外見のみを備えた見た目だけの楽器ではなく、場面や音楽の種類問わずに対応できる底力や奥の深さに溢れています。
　Neck-thruながら、Bolt-onのような程よい暴れ方があり、これは他のBlack Tiger Eliteから感じる事のないもので、このような楽器をリクエストに応じて製作できるKen Smithを大変興味深く感じます。
　一方で、すでに何年も弾き込まれて来たかのような落ち着き払ったキャラクターも顕在化していることも特徴的であり、それぞれの音のつながりの滑らかさにも驚かさせられます。
　古いスティングレイを彷彿とさせるようなサウンドであり、E弦を弾いているかのようなLow-B弦を持っている、ローアクションの弾きやすい楽器です。。

#448 BSR6GN-FM
　シンセベースやモーグを思わせるような、スクエアで重厚な音は、木の自然な温かみに溢れ、スタジオとライブ等、様々な場面で重宝するものです。
　アタックは速く、ナチュラルなサスティーンは、グルーブを形成する上での要である音価のコントロールに威力を発揮するものです。
　Black Tigerに似た木目と外見を持っていますが、綺麗になりすぎずに、Claro Walnut独特の太さと暴れ方によってその違いを感じるものとなっています。
　6弦ながら、それを全く感じさせないプレイアビリティとEvenな出音が特徴の楽器です。

Gold

#323 BSR5J-T
　このBSR5Jは、それぞれの嗜好は異なるのは当然ですが、それでも多くのプレイヤーが共通して'良い音'と認識する存在を、苦労せずに得られる楽器です。
　軽量ながらも、どっしりとしたベースらしいキャラクターを持つのは、一見簡単なようで最も難しい、長い自然乾燥を経た材特有のものでしょうし、使いやすくどこでも困る事のない汎用性の高い音色を楽器に与えるには必要不可欠な要素の一つです。
　AshとAlderの中間を行く、派手すぎず、地味すぎずという優れたバランス感覚は、アンサンブル、ソロのいずれでも音楽的な役割を果たしてくれるでしょうし、Low-Bも他の弦と同じように響いてくれ、E弦が4弦の楽器のようにしっかり暴れてくれる様は、多くの場面でありがたがられる存在でしょう。

3pc. Aged Hardrock Maple

#451 BSR6TNEF-CM
　下の方からぐっと押し上げてくるような力強い低域、重厚というよりも濃厚といったほうが適切なミッドレンジ、鋭く差し込むように綺麗に伸びていく高域のブレンド具合は絶品の一言に尽きます。
　Body、Neckともにピース数があがる事で明るくなって行く傾向にあり、一般的には硬く感じる音になる傾向にあるのですが、材の持つ力と高い製作技術によって芯があってしっかり聴こえるが、温かくアンサンブルの他のパートを邪魔せず程よく融合する、というKen Smithの真骨頂に満ちあふれた楽器になっています。
　弦高を下げる事で、その楽器の持ち味が失われることもありますが、弾き手の好みにあわせてどういうセットアップをしても、一定以上の結果を常に生み出す事ができることが、単体で弾いていても十分に感じられる様は圧巻として言いようがなく、一音単位の細かいグルーブやアンサンブルはもちろん、楽曲全体の方向性、ひいてはステージの終始すらコントロールできる大きく深い力ゆえのものでしょう。
　低域のサウンドキャラクターは、共演者はもちろんオーディエンスにも確実な安心感を提供し、中域以上では、上質の弦楽器をアルコで弾いているような表現力に富んだ楽器です。

Classic Hand Rubbed Dutch Varnish
　　　　　over Stradivari Gold Oil (Ken's Secret Sauce)

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