「Miss Candyって何?」 という疑問をお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんが、何のことはありません。私の相棒を務める事になったマイ・サックスの名前です(爆) 鮮やかな手腕で、私を新たな道へ引きずり込んでくれたCandy Dulferに敬意を表して(少なくとも、私は敬意を表しているツモリなんですけどね)、買ったその日に命名しました。私、こーゆートコロは超ミーハーですから(^^;) もーねぇ、食べちゃいたいぐらいカワイイです(←これも「親バカ」って言うのか?) ちなみにこれは、YANAGISAWA(ヤナギサワ)というメーカーのサックスで、A-991というモデル。ストラップをひっかけるトコの近くに、ちーっちゃくシリアルナンバーが掘られてるのね。言ってみれば、このシリアルナンバーがついてるサックスは世界に一本ってワケじゃない? そう考えると、カワイさも倍増っすよ、ホンマに(←ノロケ? ・笑) でもねぇ、楽器もペットみたく飼い主に似てくるんでしょうか? もしそうなら....とんでもねえ「じゃじゃ馬娘」になる可能性大だ、やべぇ.......(汗) |
→→→→→ シリアルナンバーがついてるの、 わかります? |
Meet Miss Candy!! <<Code name: サックス購入大作戦>> 私が「楽器」という言葉から連想するものと言えば、もっぱらエレクトーン。なんせ幼稚園の年長さんの頃から20歳まで付き合ってきたもので。 楽器とは言っても、エレクトーンはプラグをコンセントに差し込んで初めて音が出るという、れっきとした電化製品。つまりパソコンと同じで、音色やプログラミング等、その機能が日々進化していく楽器なのです。そんな理由で、数年立てば新モデルが市場に出回る。そのため、いくら新機種をゲットしたとしても、3年後には早くも「お古な楽器」となってしまうワケなんですわ。 私が習い続けた16年の間に、エレクトーンは格段の進歩を遂げました。最初は弾くだけでOKだったのが、リズムの打ち込みができるようになり、レジストレーションパック(作った音色を保存するための、小型のメモリパック)が開発され、フロッピーディスクに演奏プログラムを丸ごと保存できる機械が出回り....と、その発展ぶりは目を見張るほどのスピードでした。最新機種に買い替えたり、新しい装置を外付けしたりと、うちの両親の出費もさぞかし大変だったハズ。 そんなデジタル楽器の先駆者とも言えるエレクトーンとは対照的に、うまく使えば一生お付き合いができるサックス。そんなすごいモノを買う時の緊張感って、想像つきます? というワケで、私めの「サックス購入大作戦」についてをご紹介します。 ********** 3ヶ月間の初心者コースで習っている間は、教室で楽器をレンタルさせてもらえるという、オトクな特権に預かることができたんです。買う必要があるのはマウスピースとリード、そしてテキストのみ。でも、この初心者コースを修了して本科に進めば、無情にも(!?)レンタル権は剥奪される。そのため、必然的に何らかの形でマイ楽器を手に入れなければならなくなったんです。 「急に仕事が入って、3月に行く予定だったニューヨーク旅行が流れちゃったんだもん。その費用をサックスに充てるって事でいーよね。これってもしかして、私がサックスを買う事になるのをお見通しだった神様が仕組んだのだろーか?」 『そなたは近いうちにサックスを買う事になるからのう。旅行はガマンするのじゃ、ふぉっふぉっふぉっ』 ....都合のいい時だけ存在を正当化される神様にとっては、とんだ迷惑なハナシなんだけど(笑) とにかく、3ヶ月習っただけでやめるだなんて小指の先ほども考えていなかった私は、運良く浮いたニューヨーク旅行用の資金、そして6月にもらえるであろう夏の賞与をアテにして、サックス購入大作戦を練り始めたんでございますの。 まず買う前に、インターネットや雑誌、センセイからいろいろと情報を仕入れたのだけど、結構これが私に恐怖心を植え付けたと言うか.... 楽器に限らず、品物ってなんでもピンキリですやん? 安かろう悪かろうなモノもあれば、安くても意外にいい質のモノ。逆に、大枚はたいたのにイマイチな質のモノ.... そんな事も含めて、各情報源にほぼ共通していた注意点は.... 「同じサックスとは言え、人間一人一人に個性やクセがあるように、サックス一つ一つにも独自の性格がある。時間をかけて自分に合ったサックスを探して購入するべし」 んな事言ったってよ〜、あたしゃまだ全部の音階すら出せない超(×1000)初心者なんだっつーの。自分に合うサックスなんて分かるかよぉぉぉ(泣) なーんて恐れおののきながら(←これマジ。ホントに恐かった)、いくつかの楽器店に何度か通ってみました。 まずは店頭に並んでるサックスを見て、ちびちびと店員さんに簡単な質問をしながらカタログをもらう、ってな調子。たいがい店員さんが持ってきてくれるのは、YAMAHA(ヤマハ)・YANAGISAWA(ヤナギサワ)・SELMER(セルマー)という3メーカーのカタログ。 国産サックスとしては、YAMAHAとYANAGISAWAという2つのメーカーが市場をほぼ独占しているらしい。各情報源によると、言わずとも名の知れたYAMAHA製サックスは、音が硬めでクラシック向けなのだそう。対するYANAGISAWA製サックスは、YAMAHA製と比べて音が柔らかく、ジャズ・フュージョン向けとのこと。 SELMERは、フランスの超有名メーカー。とにかくその知名度はバツグンで、「サックスといえばSELMER」と言われるほど。実際に、世界の第一線で活躍しているサックス・プレイヤーを見ても、このメーカーが使われている事が多い。ちなみに、ワタシの女神サマであるCandy Dulferも、SELMERのmarkYというビンテージものをご愛用。 ただし、このメーカーはごっつい「えくすぺんしぶ」な上に、需要と供給のバランスが取りきれないほど人気があるのか、店にもほとんど置かれていない。そのため、私の選択肢に「セルマーを買う」という項目は、はなから入っていなかった(もちろん、一度でいいから吹いてみたいとは思うけどねぇ) さてさて、服を買う時に試着をするのと同じで、サックスを購入する時も試奏を行うのが普通なのだそう。というワケで、次は自前のマウスピース持参で店に赴いた。とりあえず見た目が気に入ったモノを選び、実際に吹かせてもらう。YAMAHA製はレッスンで使っているのだけど、YANAGISAWA製を吹くのは初体験。「同じサックスでも、メーカーによって全然違うわよぉ〜〜」という情報源の言葉は正しかった。ド素人の私でも、持った瞬間から感触の違いがよ〜〜〜くわかる。 YANAGISAWA、重い!!(笑) なんで!? なんでこんなに重いんだ!? YAMAHAがオモチャみたいに感じられるぐらいドッシリしている。うを〜〜、マジっすか!? と、腕力の弱い私はヒーヒー言いながら、試しに指をキーに置いてみた。すると.... 速攻「むきっ」と、右手の小指がつってしまった(爆) 「ギャー!! こっ、小指が....」 落とすとエラい事なので、慌ててサックスをスタンドに戻した。右手をぶるんぶるん振り回していると、少しばかりその場を離れていた店員さんが、穏やかな表情で戻ってきた。マヌケな姿を見られなくて良かったよ、ホントに。 「どうですか? YANAGISAWAの感触は?」 「あっ、あの....小指のキーの位置が遠いですね....YAMAHAとは随分違うようで....(痛)」 「そうですね〜、YAMAHAは比較的ビギナーや女性にも扱いやすいようにできてますから」 あ、そう、そうなの....。 持ち具合=YAMAHAに軍配 ま、とりあえず吹いてみよう。気を取り直し、マウスピースをくわえて息を吹き込んでみた。 わーお、超なめらかっ!! これが、YANAGISAWAサックスに恋した一瞬でした(笑) 重さも違えば音も違う。柔らかいというより「暖かさ」を感じましたね。息を吹き込んだそのままの勢いでスッと音が飛び出すクールなYAMAHA製とは違って、吹き込んだ息が暖められ、優しく包まれたような感覚で音の出るYANAGISAWA。 自分で吹いた時の音=YANAGISAWA勝利 でも、ずーっと吹いてると結構シンドイ。初心者で慣れてないって事もあるし、普段YAMAHAを使ってるっていう環境も影響あるのかな? というワケで、吹いている時の感触というポイントでの勝負はつけられなかった。 もちろん、自分で吹いている時の聞こえ具合と、人が吹いているのを聞いた時の音も全然違う。自分の声を録音して聞くと「げっ、これ私の声!?」ってビックリしますよね? あれと同じ原理。なので、試しに店員さんに吹いてもらって、ハタから聞いた時のカンジを体験してみた。自分で吹いている時の聞こえ方とは若干違ったけど、やっぱり音に暖かみを感じるYANAGISAWAの方が好き。 人が吹いた時の音=YANAGISAWAの勝ち そんな感じでいろいろと試してみた結果、トータルで見ればYANAGISAWAの方がいい。しかし、小指がつってしまった事が頭から離れない。まさか、お買い上げ前から既にトラウマか!? うーむ、どーしたらいーんだろー?? と、そんな時、センセイのお言葉をふと思い出した。 「YANAGISAWAは最初扱いにくいんだけど、使ってるうちに変わってくる。そこが面白い」 店員さんにも「指は使っているうちに慣れてきますよ。長くつきあう楽器なので、音色や吹き具合の好みで選ぶ方がいいと思います」と言われたので、YANAGISAWAをゲットする事に決めた(祝!!) ところでサックスって、試奏したものをそのままお買い上げなんですよ。服や靴だと、倉庫にしまってある新品を新たに持ってきてくれますよね? でもサックスはそうじゃない。吹いた時の感触が大事だという理由で、たとえそれが展示品だろうが倉庫から出したての新品だろうが、とにかく買い手が実際に吹いたものを売ってくれるのが普通なんだそうです。(もちろん、持ち帰る前に楽器の調整は行ってくれます。) こんなカンジで散々悩み抜き、とうとうマイ・サックスをゲットした。「ハイどうぞ」と、店員さんにサックスを手渡された瞬間、めちゃめちゃ感動した。「これが私のサックスなんだ〜〜〜!!」って、なんとも言いようのない嬉しさが、ハンパじゃなくドドーッと湧き上がってきましたね。代わりにクレジットカードを出す時、一瞬手が震えましたが(笑) 生まれたての赤ちゃんを看護婦さんから手渡された時のお母さんって、こんな気持ちなのかもね〜....って、こんな事言ったら、世のお母様方に「生きてるモノと一緒にするな」って、怒られるかもしれんなぁ(^^;) でも、私にとってこのサックスは赤ちゃんと同じ。だって、これから私が育てていくんだもん。 しかし....私が育てると、どんなコになるんだろう? やっぱ、飼い主に似てハチャメチャなコに育つのだろーか?? ....じゃじゃ馬でもいい、たくましく育ってほしい(笑) |