ライブレポート
Candy Dulfer Bandの巻



2005/06/14
2nd stage
@Blue Note Osaka



ライブ二日目。


昼の12:30に、昨日と同じ場所へやってきた。まだMクンの姿もなく、正真正銘の一番乗りである。


よっしゃ!!


今日も気長に待つとするかな、と思っていると、5分も経たないうちにMクンがやってきた。


「あれ、早い!!」
「適当に出てきたらこんな時間」
「でもさー、昨日『2時ぐらいに来ても余裕で早い番号の整理券取れる』って言ってたのに、結局2人とも12:30に来ちゃってるし(笑)」


念には念を、とでも言えば聞こえはいいが....
とにかくアホである(苦笑)


「今日は『人生ゲーム』持ってこんかったで」
「さすがにあれは連続でやるの、しんどいもんね。じゃ代わりにオランダ弁でもどぉ?」


アタシはMクンに「excellent!!」を意味するオランダ語「uitsteken」を伝授した。


「『アウトステークン』って、ステージに向かって言ってみぃ。きっと通じるから」
「『アウトステークン』?」
「そ。『サイコー!!』って意味」


難しい難しいと言いつつ、Mクンは順調に簡単な挨拶をマスターしていく。ついにはアタシの参考書とCDを使って真剣に学習し始めた。ちょっと買いたいモノがあるから、と、1時間ほどその場を離れたのだが、アタシが買い物から戻るなり、Mクンは開口一番


Hoe gaat het?」(=How are you?)
「わっ、すげっ!! 覚えてるやん!! Goed, dank je. U wel?」 (=Good, thank you. And you?)
「えー.....わからん(笑)」

わずか1時間でそんだけ言えるようになりゃ大したモンだ。


さすがに2日連続ともなると疲れが出るのだろうか。整理券をもらって17:00を回る頃になると、2人とも意識がボーッとしてきた。こんな状態でまたボウリングなんて到底ムリなハナシなので(爆)、ネットカフェで2人揃って
おとなしく体力充電に務めていた(苦笑)


足がボールペンになってるトリさんです。ライブの内容は1日目と同じだったが、この日はキャンディさん恒例『吹きながら場内一周パフォーマンス』が披露され、遠くの席や立ち見の人も大喜び。やっぱ距離が近いと、より楽しいもんなー。アタシ達も、ソニプラで見つけた「トリのボールペン(右の画像参照)」や扇子を振り回して大賑わい状態。そしてこの日は、連れのMクン、Sくん、そして前の日の約束どおり、アタシもちゃっかりステージに引っ張り上げていただき、ゴキゲンで『アムステルダム・シャッフル』を炸裂させた(^^;) いやー、
初めてっすよ、ブルーノートのステージに上がったの!!(←当たり前・笑)ステージの上からって、こんな眺めなんだなあ....って、ちょっとキャンディさん気分を味わえちゃったりして。


そしてステージ終了後.....1日目よりもその内容は濃かった(笑) 多分、単なる時系列作文にするとワケわかんなくなっちゃうので、少しばかり項目別で書かせていただきます。




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☆キャンディさん、サックス替えたよね?

....と、センセイがしきりに言っていた。確かに、管の本体はラッカー塗装もしてなくて超アンティークっぽいのに、キーは新品並みにキラキラしてて、いつものマークYとはちょっと違うカンジ。でもアタシは「リペアしてあんなカンジになったのかな」程度にしか思ってなくて(←
無知ってコワい・苦笑)、せいぜいリガチャーが替わった事ぐらいしかわかんなかった。でもサックスのプロがそう言うんだから間違いない。


英語わかんないしなー、とブツブツ言いながらも、センセイは果敢に「You changed your sax?」とチャレンジしていた。せっかくなんで、アタシも一緒にキャンディさんのレクチャーを聞かせてもらった。これにサックスの写真があったら、雑誌の取材と変わらんな(笑)


−今日のサックス、いつものマークYとは違う...の?
そう、『インダービネン』っていうスイスの会社が作ったサックスなの。サックスに関してはまだ歴史が浅いんだけどね、マイケル・ブレッカーやデビッド・サンボーンも気に入ってるメーカーなの。マークYよりもベルが大きいから、そのぶん音も大きい。本体の表面はハンマーで叩いてあるの。ラッカー塗装はしてないけど、音はすごくいい。コーンとマークYの間ぐらいの音を目指して作ってあるサックスなのよ。


−前のサックス(セルマー・マークY)は?
あれはまだ家にあるわよ。昨年の11月ぐらいからこれを使ってるの。(万が一の時のために)マークYのスペアは必要かなと思ってるけど、やっぱり私はずっと使ってたマークYが好きだし、いざ代わりをと言っても、なかなか気に入ったのがなくて。で、今回の楽器を試してみたら、結構いいカンジだったってワケ。


−リガチャーも替えたよね?
そう、サックスワークス(というモデル)から、デュコフのリガチャーにした。今までのはゴムバンドみたいなリガチャーでね、いつも7本巻いてたんだけど、あれ、管理が結構タイヘンなの。たまに1本無くして「No〜〜〜〜!!!!!」ってなっちゃったりして(笑) そんなワケで、デュコフのリガチャーを試してみたら、サックス・ワークスを使ってる時と同じ音が出て「あ、これでイケる!!」って。


....ついでにリードの事も聞いときゃ良かったかな。


実を言うと、個人的にはあの輪ゴムみたいなリガチャー(←輪ゴムじゃないって!!)じゃなくなって、ちょっぴり残念だなって思ったりもする。黒のリガチャーって、他にあんまり使ってる人いないから、珍しくて好きだったのよねー。見た目も結構目立ってすごくユニークだったし。


*「サックスを替えた」という事について、キャンディさんのオフィシャルサイトから6月23日付でメールが届いていました。表記は英語ですが、興味のある方はコチラの「Candy plays」っていうページへどうぞ。ちなみに現在工事中ですが、インダービネン社のサイトはコチラです。




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☆ギタピスCD、海外へ流出

「一体なんでそんなに準備いーんすか!!」
と、一瞬アタシは自分の目を疑った。センセイの手には、ご自身のバンド『ギタピス』のCDがしっかり収まっている。楽器についてのインタビュー(?)をひとしきり終えた後、センセイはCDをスッとキャンディさんに差し出した。


「これ、うちのバンドのCDです。もし良かったら....」
「ワオ、そうなの!?」
「えーと....」


センセイの視線が、チロリとこちらに向いた。


(『3管』って?)


「うーんと....."3 female saxophones!!"」
「へー、面白そう!! ウェブサイトもあるんだ」
「でも日本語オンリーで....(苦笑)」
「あらら(笑)でも写真載ってるよね?見てみるわー」


後で聞いたハナシによると、ホントは違う人に渡すつもりでCDを持ってきたのだそうだ。しかし運悪く(と言うか運良く?)その人と会えなかったらしく、「せっかくだし、ここでキャンディさんに渡してしまおう」と思ったとか。これでいよいよギタピスも目指せ海外....か!? もしかしてキャンディさんの日本公演の前座とか、やらせてもらえたりして(笑)


そのCDに面白いぐらい興味を持っていたのが、なぜかギターのウルコさん。センセイの前で曲名を順番に読んでいき、4曲目でハタと止まってしまった。


『涙風』


そりゃそーだな、漢字だもん


アタシがキャンディさんにオランダ語を教えてもらっている間、センセイはウルコさんに「ナミダカゼ!!」と、読み方と意味を必死になって教えていたらしい(笑)




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☆みんなでオランダ語講座

キャンディさんは、Mクンにこう言っていた。


「アナタ、さっきステージで私に『uitsteken!!』って言ってたでしょ。
聞こえてたわよぉ!!


整理券待ちをしていた時に覚えた、まさにあの単語である。「うわ、聞こえてたんや!!」と、彼は嬉しそうな顔を浮かべた。


「very good Dutch wordだわ」
「今日教えてもらったんす」
「そっかそっか(笑)」


これでちょっと自信がついたのか、Mクンは覚えた蘭語をかたっぱしから試しにかかった


Hoe gaat het?
『Erg goed!!』....ベリー・グッドの意味ね」
Dank je!!
『Alstublieft』.....誰かに『サンキュー』って言われたら、これで返すの」


おお、盛り上がってんぢゃん、オランダ語講座!!


その光景をニマニマしながら見ていると、キャンディさんは「*☆〜$●×!!」と、なんやら長いオランダ語を発した。ちょっと慌てるAmandaさん。


「え、なんて?」
「『Tot de volgende keer!!』....『See you next time』ね」
「トット、デ、フォル....どうやって書くの?」
「v-o-l-g-e-n-d-e」
「ちょ、ちょっと....早いって!! Even Wachten!!」(←『Wait a minute』の意味)
ワオ、『Wachten』!!!」(笑)


近くのテーブルに置いてあったペーパーナプキンとペンをキャンディさんに渡すと、彼女はサラサラとペンを走らせた。


Tot(=until) de(=the) volgende(=next) keer(=time)


「『フォル.....ヘン......デ........ケール』?」
「そうそう。オランダ語らしいカンジがしてる」
「フォル・ヘ....!?」
「ヘン・デ」


オランダ語の『g』発音って難しいんすよ。フランス語の『r』と一緒で、ノドに絡ませるの。それがなかなかできなくて、何回キャンディさんに教えてもらったことか。そんなカンジで、普段は音楽のわきいずる泉・ブルーノートも、最後は単なるオランダ語講座の会場となってしまっていた(笑)



.....ライブレポと言うよりは、むしろ2日間の日記ってカンジだな(^^;)



キャンディさん直筆セットリスト、いただき♪そんなカンジで、たっぷり充実の2日間。あっという間だったが、自分の中に新たなパワーが湧いてきたのがわかる(帰宅が深夜2:00だったので次の日は会社でヨレヨレだった、という事は置いといて・笑) また頑張ろうかなって思わせてくれたキャンディさんに大感謝、である。


アタシも、もっとサックス吹くぞぉぉぉ(気合)


左の画像は、キャンディさんの足元に貼り付けてあったセットリストです。専属ローディさんを呼び止めて「あれ、ちょうだい!!」って、いただいてきました(笑)