ライブレポート
Gerald Albrightの巻



2005/08/24
1st stage
@Blue Note Osaka


アルさん。
今ではすっかりスムースジャズ界のトップ集団メンバーとして認識されているジェラルド・アルブライト(=アルさん)はその昔、結構なファンキー野郎だったそうな。見た目はしっかりミドル・エイジな領域。ちょっぴりビール腹らしきもの(?)も目立ち始めた感のある、見た目は優しそうなフツーのオジサン。アタシが彼を知った頃、彼は既にソフトな路線へキャラ変えした後だったので、アタシの中での彼のイメージは100%の割合で


『優しいスムースおじさん』


きっと、今回のライブもそんな癒し系っぽいカンジなんだろーなと、軽い気持ちでフラリと観に行ってきました。


ギター・ベース・キーボード・ドラムの編成を従えて登場したアルさんは、黒いパンツに黒Tシャツという、チョー普段着モード。彼はとてもリラックスした表情で、足元に立ててあったアルトサックスを持ち上げました。彼の愛器はキャノンボール。丁寧に磨き上げられたピカピカの銀色ボディが、スポットライトを浴びて眩しいほど輝いてました。その念入りなケアっぷりは、遠目からでも十分すぎるぐらいわかったですよぉ。新品みたいだったもんねー。


アーティストが一発目の音を出す直前って、アタシがサックスのライブで一番好きな瞬間。やっぱりCDとナマ音って、全然違うでしょ?この人、ホントはどんな音出すんだろー?っていう、あのドキドキ感がたまりませんねん(笑)で、アルさんの一発目は....すごくビックリでした。CDだと「なめらかプリン」並みの甘い音が多いんだけど(←例えが....苦笑)、もうなんだかねー、


胸のすくような気持ち良さ!!!!(倒)


高音が
「スコーーーーーーーーン!!!!!!!」って、そりゃもう伸びる伸びる!!!!!!! 曇りがなくって、めっちゃくちゃ快音なワケ。ブルーノートの屋根が飛ぶんじゃないかと本気で思ったぐらい(←マジです・笑) アルさんって体格がガッチリしてるので、音のパワーもスゴいんすよね。もーサックスの全面積が響きまくってるってカンジ。「サックスってのはなー、こーやって音出すんだぜぇぇぇぇ!!!」って、アタシ、テッテー的に教えられたような気がしました。


ほんでもってアルさん、音もいいんだけど声もステキなんです♪実は
ピーボ・ブライソンに雰囲気似てるよなー」と思ってたんですが(爆)、ハリのある渋いオトナな声で「Thank you very much. It's great to be here」と言われた瞬間、そのアホな考えもどこかへ吹っ飛んでいきました(^^;)


彼のCDは2枚しか持ってないので、楽曲に関してはあんまり詳しくないんですが、とにかくCDとライブじゃ全然違う!!っていうのが、アタシの感想。CDでは丁寧なメロディーラインが重視されてるのか、派手なアドリブがあんまりなくて、曲の仕上がりがすっごいシンプルなんです。極端なハナシ、練習すればアタシでも吹ける!?っていうぐらい(←かなり大口叩いてますが....)全体的にカフェとかテレビCMのBGMっぽいイメージなんで、聞いててもあまり印象に残らないんですよね。それがどうよ!! ライブじゃあれだけ盛り上がるんだから驚きです。
ホントに同じ曲?って疑いたくなるぐらい迫力が違うの。CDでも、あれぐらい暴れてくれたらいいのになあ、って思ったりして。


今回は、この6月に発表された最新アルバム『Kickin' it up』からのナンバーを中心に演奏されてましたが、スムース、ファンク、生粋ジャズ、なんでもイケる技術を持った人なんだって事が十分に伝わってきました。アルトとテナーを巧みに使い分け、JBの『I Feel Good』や、チャーリー・パーカーの『Now’s the Time』、シェリル・リンの『Got to be Real』などといった曲のフレーズもチラリと混ぜ込まれてたりして、ついニヤッとしてしまうような遊び心もアリだしね。アルさん、マジでサイコーっすよ!!!


でもアタシ、声を大にして言いたいです。


アルさん聞くなら、絶対にCDよりもライブだなーっ!!!