ライブレポート
David Sanbornの巻


7/12/2003(Sat)
2nd stage
at Osaka Blue Note



サックスを巧みに操るミュージシャンはたくさんいる。しかし「サックスと言えばこの人」と言っても決しておかしくはない。それほどの人気と実力を誇るデビッド・サンボーンのライブへ行って来ました。


Blue Noteは、基本的に2ステージ行われます。一回あたりのライブ時間は1時間ちょい。若干短めなのだけど、なにせステージと観客との距離が短いので、短い時間でも充分に満喫できます。最前列に至っては、自分が座ってるイスの隣はステージ、なんてぐらいの至近距離なんですから(笑)


さてさて、毎回大人気のサンボーンのライブなのですが、今回、その人気の高さを改めて実感しました。当日、アタシは仕事があったので、同行者であるBさんが一足先に会場へ整理券を取りに行ってくださいました。「到着しました。どうやら5番目のようです」との報告メールが入ったのは13:00頃。ちょっと待て、整理券配布は17:00からでは?


「1番の整理券の人達、朝8:30から並んでたんだって」



おい、ウソだろ!!!
ウソだと言ってくれ〜〜〜〜!!!!!
(呆笑)



しかも、そのご一行様は1stセットもご覧になるため、この日は一日その場で暮らす覚悟だったようです。それぐらい人気があるサンボーンですから、「サンボーン様」と敬ってやまない人々がたくさんいるのもわかる気がします。もちろん、この日の2ndセットは立ち見が出るほどの満席状態。そんな中、なんとアタシ達の席は
中央の最前列で、アーティストがステージへ上がるための階段と背中合わせ、というスゴい位置(感動) Bさんに大感謝、でございます(ぺこぺこ)


定刻時間になり、バンドメンバーがステージに姿を現すと、テンポの良い演奏が始まりました。ほどなくして、いよいよサンボーンの登場と相成りました。アタシの背後で、一斉に拍手が沸き起こる。振り向くと、わずか数メートル先には「かのサンボーン様」が穏やかな笑顔を浮かべて立ってるではありませんかい!! 思わず



「きゃーーーーーっっっっ、ホンモノ!!!!!!!!」



と、チョー間抜けな雄叫びを上げてしまいました(恥) 


アルト・サックスを手にしてゆっくりとステージに向かってくるサンボーンに手を伸ばすと、彼は軽くポーンとタッチをしてくれました。ゴッド・ハンドに触ってしまった。。。。まさかこれで自分もサックスがウマくなるとは思ってないけど、
「感動した!!!!!」(←コ○ズミ純ちゃんみたい・笑)


サンボーンがステージに上り、下唇をペロッと舐めてマウスピースをくわえる。スーッと息を吸い込んでクチをキュッと締めると、サックスから音がフワッと飛び出した。



げっ、何事!?!?!?



たった3つの音だったけど、それを聞いた瞬間、アタシの両腕には
ザザザザザーーーーーーッッッッ!!!!!! と、スゴイ勢いで鳥肌が立ったんです。そりゃーもう驚いたのなんのって!! CDで聴くよりも何十倍もいい音なんだもん。どれだけ絶賛の言葉を並べても、この瞬間の感覚は表現できないぐらいです(ごめんなさーーーい!!) 


この後も、幾度となく背筋がブルッと震えました。ジョーク抜きで、ホントに身震いしちゃいましたよぉ!! スパーンと勢いのある鋭い音や、優しく包み込んでくれるような暖かい音、ホントに言葉が聞こえてきそうな気さえしてくるような、歌うような音色....たった一本のサックスでいろんな音を見せてくれるサンボーンは、アタシにとってまさに魔法使いのようでした。


彼はとにかくシブい。今年で58歳になる彼は、歳を重ねるごとに、どんどんオジ様としてのシブ味を増しているような気がします。でもって、そこそこ長身なんだけど、すごく細いの。ガタイなんて、
アタシの7割ぐらいじゃないかしらん(苦笑) あの細いカラダのどこに、これだけ人に鳥肌作らせるほどのパワーが隠れてるんでしょう? 絵になるよぉ、ホントに。


目を閉じてサックスを操るあのシブい姿はマジでカッコイイ。けど、あのヒョロリとした体でビミョーなステップ(←恐れ多くて
「中途半端なステップ」とは書けない....って、しっかり書いてるけど・爆)を踏む彼の姿も、オチャメでちょっぴりカワイかったりする(笑)


今回のセットリストは、5月に発表された『Timeagain』という新アルバムのナンバーを中心とした構成。個人的にお気に入りな『ハーレム・ノクターン』や『テキーラ』が聴けてヒジョーに満足でした♪ また、以前からセンセイに「サンボーンはね、
必ずアンコールは『The Dream』なのよ〜」と聞かされていたとおり、この日のアンコールももちろん『The Dream』でした(笑) この曲もすごくイイんです。アタシがサンボーンを聴き始めて最初に気に入ったのも、この『The Dream』だったしね。


とにかくライブの間は、その素晴らしさにド肝を抜かれっぱなし。ライブ後はしばらく
クチもきけない&足が立たないぐらいの放心状態に陥ってしまったぐらいです。こんなに心の底から感動できる音を聴いたのって、もしや生まれて初めてだったのではないかい??



ライブの後は、サンボーンのサインをゲットしようという人達が列を成し、店内にはあっとゆー間に蛇のような大行列が....大きなコンサートホールじゃサインなんてもらえないし、これもBlue Noteならではの光景ですね。もちろんアタシ達もサインをゲットすべく、「もう閉店時間です。アーティストにも都合がありますので」と、コワーい顔して制止しようとする店内スタッフを振り切って(ニヤ)、列に並びました。


その頃にはなんとか歩けるようになってましたが、まだ興奮が醒めないアタシ。サインの順番が回ってきて、なんとかこの感動っぷりを伝えようと思うんだけど、なんと
ロレツが回んなくなっちゃってたのね(驚) LとRの発音なんて、もー区別つけられないぐらいメチャメチャ(*--*) そんな異常な状態の中、きっとボヤーッとした顔してんだろーなあ、と思いつつ、つっかえながらも自分が言える精一杯の言葉をノドの奥から振り絞りました。



「なんて言っていいのかわかんないんだけど....ホントに感動しました」
(↑ああ情けねー、もっと気の利いた事言えっつの!!・大恥)



そんなアタシにも、彼はヒジョーに紳士的な態度で、かつ辛抱強くアタシの言葉に耳を傾けてくれたんです。そして深くコクリと頷き、「Thank you very much」と答えてくれました。



「すごく楽しかったです。またお会いできるのを楽しみにしてます」
「ありがとう。僕はまたこの12月に日本へ来るかもしれないんだよ」
「ホントに!?」
「ああ、まだ確定じゃないんだけどね」



実現してほしいっすね〜、ぜひぜひ!! 



CDへのサインと握手だけでなく、めでたく2ショット写真も撮る事ができ、「わしゃー幸せぢゃーーーー!!」と、とろけそうな気分いっぱいなアタシ。やんわりとした表情で微笑むサンボーンに手を振って、その場を後にした。


その後、同じタイミングで店を出てきたバンドメンバーのリッキー・ピーターソン&リチャード・パターソンとも記念撮影。ちゃっかりサンボーンの隣にサインをしてもらいました
(リッキーもステキなんすよ〜!! リラックスした表情でキーボードを弾く彼の表情にはホレボレしちゃいます、ハイ)しばらく興奮が治まらず、地震じゃないかと思うぐらい体がいつまでも震えてました。


アタシがサンボーンを知ったのは、自分自身がサックスを習い始めてから。普段から、ある程度CDも買い揃えて聞き込んでるし、今回のライブで演奏された曲も全部知ってました。でも、熱狂的なファンというワケではなかったんです....このライブを体験するまでは。でも、あんなにスゴいナマ演奏を聞かされて、ファンにならない人っているのかなぁ? とにかく、他のサックス・プレイヤーと比べるなんて、そんなのムリ。なんだかもう他人と比べる以前に、遥かに別の次元だし。


大大大ヒットな極上ライブ、でした。
これを体験せずに一生を終えるなんて、そりゃーもったいないっすわ(笑)