■株式分割(株価の動き)
株式分割発表〜権利取得最終日(分割日)まで
株式分割が発表されると、投資家がこぞって買いはじめます。 その間に見られる株価の動きを予め知っておくと便利です。
まず株式分割が発表されると株価は急上昇します。 株式投資をはじめると頻繁に聞くニュースです。なにゆえ株価が上がるかは、
- 分割後に株価が安くなる→買える投資家が増える→人気が出る→株価が上がる→ 短期売買目的の投資家が集まる→更に株価が上がる…
理論的には株価が上がる要素はありませんが、思惑が生じるため上がります。
ところがそのような状態のときは株価は乱高下しがちです。 もともと保有してた株が分割対象になったときはタナボタ利益が得られますが、 発表されてから飛びつくと高値掴みの恐れもあります。
権利取得最終日(分割日)直前
発表日からしばらく経ち、分割日の直前になると投資家の見解が分かれます。
- 十分利益を得たので売ってしまう投資家
- 株式分割後も更に株価は上がると予測して、保有を続ける投資家
- 株式分割後は逆に下がると予測して、売ってしまう投資家
- 株式分割を発表してからの動きを見て、更に株価は上がると予測して新たに参入する投資家
- 効力発生日まで1〜2ヶ月間、拘束されるのがイヤなので売ってしまう投資家
このような思惑が絡み合い、投資家たちの綱引きがはじまります。 概ね綱引きの結果というのは…保有/参入組が勝ちます。 結果、株価は乱高下しながら分割日まで上がり続けることが多いです。
権利取得最終日(分割日)〜効力発生日
株式分割が行われると、そこから更に株価は上昇していきます。 私のように80万円では楽天の株を買えなかった投資家が8万円の株を買おうとするからです。 ここに80万円の株を10分割しても、株価が10万円超へと育っていくカラクリがあります。 更にはそこに短期目的の投資家も参入し、 場合によっては連続ストップ高が見られるほどに上がります。
このようにして株価は分割後も上昇を続け、やがて頂上に辿り着きます。
頂上〜効力発生日
頂上付近まで昇った株は、効力発生日がチラつきだすと今度は下降をはじめます。 効力発生日になると、株式分割前に保有を決め込んだ投資家たちが大量の新株売りを出してきます。 それを端に株価が下がることを嫌気する投資家が、株価がまだ高いこの時期に利益確定しだすからです。
つまり効力発生日に向けて、今度は徐々に下がっていきます。
効力発生日〜
効力発生日になると株価はガクンと下がります。 株式分割前に保有を決め込んだ投資家が、売りを出してるわけですが… この人たちはこのときはじめて“分割日後も保有して正解だったか?”を知ることができます。 多くの場合、それは正解になると思いますが…これは一概に言えませんので、 リスクを犯すのが嫌な人はやはり株式分割前に株を手放してみてください。
ちなみに効力発生日後もチョボチョボ株価は下げ続け…やがて麓に辿り付きます。 こうして株式分割祭りが終わり、通常の相場に戻るわけです。
以上が株式分割を発表してからの基本的な動きになります。 ここに銘柄の人気度、株価水準、etc…の思惑が入り込み、
“どこで買って、どこまで保有し、どこで売りさばくか?”
この見極めがとても難しくなってきます。
続いて私が経験したスカイマークの株式分割をご覧下さい。