[4.療養]
筆者の高血圧症は、結局「手術では治らない」ことが判明し、入院3日目で
病院から追い出されることになった。診断名も「腎血管性高血圧症」ではない、
ということになった。
幸いにも降圧剤のうち「ACE阻害剤」と呼ばれるカテゴリーのものが良く
効いたため、経過を観察して様子を見ることになった。これが良く効くという
ことは、つまり筆者の場合、血漿レニン活性がやたらと高いことだけが高血圧の
原因である、ということに他ならない。主治医はおそらく「腎硬化症」という
腎臓の毛細血管の動脈硬化が進んでいる病気であろう、と診断した。事実、PWV
により、動脈硬化度はかなり進んでいることがわかった。
しかし・・・
降圧剤の効果があったのか、2ヵ月後の検査で、なぜか動脈硬化度が逆戻りした。
しかも、腎機能障害にいたっては、手術時にさかのぼっても異常が見られない。
少なくとも状態は改善しているように見える・・・にもかかわらず、血漿レニン活性
だけは相変わらず、やたらと高い数値のままであった。
現時点でもレニン活性がやたらと高いため、降圧剤がなければたちまち血圧が200
を超えることは明らかであり、結局飲み続けることになった。
「悪性高血圧症」には、やたらと高い血圧、進行する視覚障害、腎機能障害の3つの特徴
があるが、筆者の場合、腎機能障害の度合いを示すクレアチニンが異常値を示すことは
なかった。やたらと頑丈な腎臓を持っているらしい。視覚障害は現れたが「軽微」なもの
であり、進行は現在止まっているようだ。血圧は、降圧剤を飲んでいる限り高くなること
はない。しかし、血漿レニン活性が高い限り、治ったとはいえないのだ。
現在の筆者は、降圧剤の副作用であるから咳と立ちくらみ、易疲労性に悩まされながら
療養生活を送っている