[6.ヒトの性欲は本能じゃない]

 

 最近「草食系男子」とか「絶食系男子」とかいう種類の男性が増殖していて、女性たちの間で大問題

になっているらしい。(当事者の男性にとっては問題ではないようだが)

 どんな連中のことをそう呼ぶのか、私には謎だったので調べてみた。

 

 草食系男子:女性との交際に興味があるが、自分からは誘わずに女性のアプローチを待つ型の男性

 絶食系男子:そもそも女性との交際に興味がなく、女性からのアプローチに反応がない男性。

       (なお、同性愛者とは異なる)

 

 なるほど、じゃあ私は絶食系男子というわけだな(笑)。

 

 自称知識人たちの評価によれば

「これは最近の男性たちが劣化しているというほかはない」

「そもそも男性の本能である性欲と生殖欲に逆らっているのだから異常だ」

「本能に逆らう行動には無理があり、いつまでも続くはずがない」

「このような者たちはいずれ自然に淘汰される」

との事。(他の意見もあるが少数派)

 

 まあ、突っ込みどころはいくらでもあるが・・・

(例えば「これは男性の劣化ではなく、男女平等という新しい状況に適応しただけ」など)

 

 そのまえに、私には重大な疑問点がある。

 それは「そもそもヒトの性欲は本能ではない」ということ。

(「本能ではないのでは?」ではなく「本能ではない」と断言できる。)

 なぜか。

 そもそも本能に基づく行為であれば、意志の力でそれを抑制できるわけがないからだ。

 

 ヒトの性欲が本能じゃない傍証はいくらでもある。たとえば・・

 動物には発情期というものがあり、この期間中は主に繁殖活動が行われ、関連しない他の行動は

抑制される。一方、ヒトの発情期はない(あえて言えば年中)。これが可能なのは「本能じゃないから」

という説明が一番しっくりくる。

 また、ヒトは性欲を「我慢する」ことができる。

さらにヒトによっては性欲が同性やモノに向く場合がある。

 etc...

 

 つまりヒトの本能は「得られる快楽が多くなるように行動すること」であり、それ以外は個体の性質や

教育次第でどうにでもなることなのだ。要は、男は性器を刺激して快楽を得られるのだから、それが自慰

行為によるものでもなんら問題はないのだ。

 ちなみに、ヒトの場合は教育により性欲を「消す」ことも可能だと思われる。

 

 最近の男女平等の思想は、代償として男女が引き付け合う動機を1つ消滅させたことになっている。

 したがって、男が女を必要とする動機は、少なくとも以前よりは小さくなっていたのだ。

 さらに、最近は男が生身の女以外から快楽を得る方法が増加しているため、なおのこと女の必要性は

低下している。以前「あなたはもう幻想の女しか抱けない」とかいう本を書いておられた学者がいたが、

その時すでに、男の側では生身の女を必要としていなかったのかもしれない。

 

 したがって、これから絶食系男子が増えることはあっても、減ることは望めない。そうなっても男性の

側は何ら困ることはないのだから。

(余談だが「子孫を残す」ことも本能ではない。本能であれば自発的に避妊を行うことなどありえない。)

 さて、これまで順調に権利を得ていた女性たちはこれからどうするのだろう。

 男女平等を放棄する?・・

まず無理だし、時すでに遅いかもしれない。

 絶食系男子にアプローチする方法を考える?・・

そもそもそれがうまくいくような男は「絶食系」じゃない。

 海外に出ていく?・・

  おそらくこの道をとるだろうが「絶食系男子」の増加は日本に限った事じゃないから、海外が「男女平等」

  路線をとる限り結果は変わらない。「男尊女卑」路線の国に行けば可能性はあるかもしれんが。

 

 ちなみにこの状況、私としては笑いごとだ。女性たちは自ら望んで不幸に飛び込んでいるのだから。

 なお、この結果として少子化が促進されるので、早めにクローン技術を実用化して法律改正が必要かも

しれない。

 

 

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