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取材レポート

■2002年11月16日 篠ノ井総合病院 浦野房三先生に取材。

篠ノ井病院の浦野房三先生 取材レポート
 11月16日、篠ノ井病院の浦野先生にお会いして、お話をうかがうことができました。先生は独自にホームページを開設され、整形外科医、リウマチ医として詳しい解説をされています。
 当日のお話は多岐に渡りましたが、ここでは線維筋痛症(FMS)に絞って分かりやすくレポートしたいと思います。
米国での線維筋痛症の患者数は、以前から1〜2%と言われていました。研究者によっては2%という数字が出ていますので、かなりの頻度です。日本や韓国ではそれよりも上回るのではないかと言われています。発病率はリウマチの4〜5倍です。日本人の肩こりは童謡に歌われるくらい有名ですが、これも線維筋痛症の予備軍と考えられるかもしれないと先生はおっしゃっています。

 先生が診察された線維筋痛症の患者総数は100名をはるかに超えているそうです。もし診断できる医師が十分に増えれば、患者数は100万人単位となります。線維筋痛症はリウマチ医が主に担当することになりますが、リウマチ科の参考書に記載されるようになったのはつい最近の1998〜9年頃からですが、試験に出るわけではないので、必ずしもすべてのリウマチ科医が診断できるとは限りません。
 もっとも、線維筋痛症が病名として認められないのは、そのような単純な問題だけではないそうです。

 診断に関して言えば、線維筋痛症は慢性疲労症候群(CFS)、シェーグレン症候群(SjS)、全身性エリテマトーデス(SLE)、リウマチなどと合併し易いことはよく知られています。鑑別するのが難しい例もありますが、できれば詳しい検査の上、他の病気でないことが確認されたうえで線維筋痛症と診断されることが望ましいということです。血清反応陰性脊椎関節炎(SNSA)も鑑別しにくい病気だそうです。

 先生の臨床経験では、線維筋痛症はリウマチより回復し易いということです。半年から一年くらいである程度回復し、薬を服用しながらでも社会復帰できている例があるそうです。ただ、治療の初めは、患者自身もなかなか受け入れることができず、周囲の理解を得るのも時間がかかります。
 患者自身の受け止め方、精神状態の在り方、周囲の理解、これらは治療に大きな影響を持つようです。強い痛みがある場合、だれでもパニックに陥り絶望を感じるものですが、このような状態は痛みを余計悪くします。精神科医も慢性疼痛に理解をもって、このような患者をサポートしてくれるようになることが望ましいようです。

 以上、簡単にレポートしましたが、先生のお話から、線維筋痛症は決して難治性疾患ではなく、むしろ適切に診断され、適切な治療を受ければ、社会復帰も早く、怖い病気ではないことが分かりました。このことは、大変心強いことです。
 最後になりますが、先生のお話で以下のことが特に印象に残りました。「今までは、医療側から病気を診断しており、患者は受身だった。ところが、線維筋痛症に関しては患者側のほうが勉強をし、世の中に浸透させようという動きになっている。これは、まったく新しい動きですね。」

 今回は、時間の関係もあり、簡単なご説明にとどまりましたが、またお時間をいただいてさらに詳しく勉強させていただき、皆様にレポートしたいと思います。詳細なレポートは、機関紙にてお知らせする予定です。

 この件に関するご意見、ご感想がございましたら、友の会宛てメール、または掲示板にてお知らせくださいませ。
 最後になりますが、貴重なお時間を割いていただき、お話を聞かせてくださいました浦野先生にお礼を申し上げたいと思います。



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