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取材レポート

■第51回聖マリアンナ医科大学難病治療研究センター研修会のご報告。
レポート抜粋
第51回聖マリアンナ医科大学難病治療研究センター
研修会のご報告
挨拶:聖マリアンナ医科大学・難病治療研究センター星恵子先生
講演:山梨県立看護大学短期大学部人間・健康科学 松本美富士先生
6月11日に聖マリアンナ医科大学の第51回難病治療研究センター研修会が開かれました。今回のテーマは「線維筋痛症」(英語ではfibromyalgiasyndromeと言いますので、以下FMSと省略です。講演は山梨県立看護大学短期大学部人間・健康科学の松本美富士先生が、スライドを使ってわかりやすく「FMS―理解されない慢性疼痛―」とはどんな病気かご説明下さいました。
FMS患者のリウマチ科への外来受診数は年々右肩上がりで上昇しているそうです。日本におけるFMS患者の実態については日本リウマチ財団が調査を始めますが、欧米では比較的頻度の高いリウマチ性疾患で、米国の例ではリウマチ外来受診者の15%、一般人口の2〜5%がFMS患者であるといわれています。かなり高い数字です。そのうちの75%が女性、よく発症する年齢は40〜50歳代です。日本も欧米とさほど差がないのではないかと考えられています。
日本でのFMSの問題点は、一般に医療従事者の間でのFMSの認識が低いため、専門的医療による管理を受けることが難しく、患者はあらゆる科を受診しては他の疾患とみなされ、ドクターショッピング(病院を転々とすること)を繰り返してしまうことが挙げられます。
FMSの主たる症状は、全身の慢性疼痛です。特徴としては朝、午前中に悪化することが多く、疼痛の方向は体軸へ向かって集中することがあります。日によって変動が激しく、体調がよいときには活動することも可能です。疼痛は身体の広範な部位に存在しますが、痛む場所は移動します。痛みがひどくなると、着衣も困難になるなどの著しいQOL(生活の質)の低下が起こります。
随伴症状は列挙するときりがないのですが、身体症状としては微熱、倦怠感、疲労感、頭痛、手指のこわばり、関節痛、過敏性胃腸症状、動悸、生理不順などがあります。神経症状としては四肢の感覚障害、手指のふるえ、眩暈、眼振、耳鳴りなど、精神症状としては、抑うつ状態、不安感、睡眠障害、集中力の低下、注意力の低下などが挙げられます。データによると人種差、民族差などはないようです。

FMSの診断の要点として他に考えておくべきことは、特異な臨床症状としてどのようなものがあるか把握すること、心理学的な背景はあるとしても精神医学的な問題はないことの検討、内科的な臨床検査をして異常が認められないことなどが挙げられます。
FMSと診断を受けた患者さんたちは、今後どのようなことを望んでいらっしゃるでしょうか。とにかくこの全身の痛みを取り除いてくれる劇的な新薬の開発でしょうか。触診検査以外の一般的な通常の検査でFMSが診断できるようになることでしょうか。ゆくゆくは行政への働きかけによってFMSが難治性疾患として認知されることを望んでいらっしゃる方もおられるでしょう。そのために私たちに今出来ることは何でしょう。まずは患者である私たち自身がFMSはどのような病気であるかを理解していくことがとても重要なのではないでしょうか。そうでないと自分が今かかっている病気を他人に説明することができません。社会的認知を広げていく始めの一歩が自分の病気について知るということになるでしょう。その意味でもこうした研修会に患者の皆さんご自身が参加していくことはとてもよい機会になったと思います。残念ながらこの研修会に参加できなかった皆様も、この記事をお読みになって少しでもFMSに対する更なる理解が深まれば幸いです。今回得た知識を周囲の人々に知ってもらうところから少しずつでも社会的認知の輪が広がっていくことを心から望みつつ、この研修会の報告を終わらせていただきます。

原文:会員「Y」



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