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知っておいて頂きたいこと
 (2006年6月21日:全面改訂、2010年2月3日:カスタマイズ版改訂、2010年7月13日:HowTo追記)

 ここでは、「フカセ籠」をより確実に安心してお使い頂く上で、経験から得た知見をまとめました。 他のページと重複する内容もありますが、特にトップページ「詳細な説明」の補完として、ご一読願います。

「フカセ籠」を使用する上で最も望むことは、次のように作用することです。

 ポイントへ投げて、着水し沈下を始めてウキが徐々に引き込まれ、ウキのトップが没水直後に
「フカセ籠」が開きコマセがバラケて)ウキが適正位置まで立ち上がり、 アタリを待つ臨戦態勢へ入れる。


 そのためには、 使用している仕掛け(適合オモリ不要の自立ウキ仕掛け、または適合オモリを付けた非自立ウキ仕掛け) に対して、調合するコマセ(比重、練り具合、・・・) との相性を見出す事や、 「フカセ籠」の癖を知って使い方(ハリスの巻き方、クレータに詰めるコマセの手加減、・・・) に慣れる事が 必要です。

[ 一つの方法 ](2010年7月13日追記)
上述の’・・・ウキのトップが没水直後に(「フカセ籠」が開きコマセがバラケて)ウキが適正位置まで立ち上がり、・・・’ と言われても、解るけれど慣れるまでには難しい・・・かもしれません。 そこで、一つの対策として下図に示す方法を紹介します。

使用される棒ウキのトップに、小さな発砲スチロール球または棒を装着し、 「フカセ籠」が開くまでの負荷を、この浮力で支えるようにします。 図の例は、発砲スチロール棒を短く切ってウキトップへ差込み、ウキゴムで抜け落ちないようにしています。
なお、発砲スチロール球などは、釣具店やDIY店で販売されています。


 本題に戻って、以下、「フカセ籠」使い方の要点を紹介します。

(1)コマセの調合

 「フカセ籠」は、下記の2種類のコマセを使います。それぞれは、次のような物性を持つように調合します。

 @ 「フカセ籠」に入れるコマセは、適度な速さで沈下するための比重を有すると共に、’開’した時にバラケ易い事。
 A クレータに詰めるコマセは、「フカセ籠」を投げてから着水→沈下して狙ったタナに到達する迄は’閉’を保持すると共に、
  タナに到達した時点で「フカセ籠」を’開’させることが出来る事。

 前者@については、皆さんの好みで準備されて構いません。 それの比重が不足している(沈下に時間がかかる)ようであれば、比重のある集魚財を加えるなり、 又は粒子の細かい砂を混ぜるなどして対応します。
 バラケ易さについては、海水を加えてドロドロに練ることで粘度を落とすと良いでしょう。 または、砂を混ぜると効果的です。

 後者Aは、少しの海水でパサパサに練ったチヌパワー(マルキュー製)が適しています。 粘性が強く、クレータに詰める際の力加減で「フカセ籠」を’閉’にする保持力が調整できます。
 ただし、強く詰めて保持力を高めると、クレータからの’剥がれ’が悪くなって、 「フカセ籠」がタナに到達した時点での’開’に時間がかかります。 そこで、この問題を解決する方法を後述(4項)しています。

 ご参考までに私がコマセとして使用している集魚剤(図1)を紹介します。
 前者@として、3種類(三浦黒鯛、オカラだんご、アミパワーグレ)をブレンドして海水でドロドロに練ったもの。 場合によっては、粒度の細かい海砂を混ぜることもあります。
 後者Aとして、チヌパワーのみをパサパサに練ったものです。
 ブレンド比率の詳細などは、トップページの「コマセの消費量と費用」に記載していますので、後でご一読ください。


(2)ハリスの巻き方
カスタマイズ版はハリスを巻かないので、この項は無視してください。(2010年2月3日)

 ハリスは図2にて示すように、内側から外側へ向かって重ならないように巻いてください。
 ただし、最初の一巻きは重ねて巻いても良いです。その方が、巻いたハリスに弛みが出来ません。  図は半時計方向で巻いていますが、逆でも構いません。


(3)飛行中のエサの飛び出しを防ぐ方法
カスタマイズ版はサシエの入れ方を決めていますので、この項は無視してください。(2010年2月3日)

 ハリスを巻き終わりエサを籠の中へ入れた後、図3のようにコマセを盛ってエサを覆い隠します。
 こうすることで「フカセ籠」を投げた時、飛行中にエサが飛び出してしまうことを防ぎます。

 この方法によると、コマセは最初に「フカセ籠」へ入れた量と後で盛った量の合計をバラケさせることになります。
 ここで気付いたことですが、最初のコマセと後で盛るコマセの量を加減することで、 ’エサとコマセの同調の仕方’に違いが生じます。参考になると思いますので、紹介します。

 トップページのアニメーションや「詳細な説明」は、 最初に入れたコマセ量のみの場合になっています。 従って、エサの入れ方はコマセの上に乗っけるように説明しています。 この事は、「フカセ籠」が開き始めると(傾くので)ほぼ同時にエサが飛び出し、 更に傾くことによって最初に入れたコマセがバラケ始めます。と言う事は、エサをタナに落としてから、 その周りにコマセをバラケて同調させたことになります。
 一方、ここで紹介した後でもコマセを盛る方法は、この発展形として 最初に入れるコマセ量を少なく、後のコマセを多めに盛るようにすれば、 「フカセ籠」が開き始めると、まずは後で盛ったコマセがバラケて、 その中へエサを落とし込むことにより同調を図ったことになります。

 このように、コマセの入れ方/盛り方によって、 エサとコマセのバラケの関係が逆になった同調方法を行うことが出来る訳です。 いずれが良いか?ご判断に任せますが、私は後者の方を多用しています。



(4)クレータのコマセの’剥がれ’をスムーズにする方法

 クレータに詰めるコマセ(ex.チヌパワーなど)を強く詰めた場合、 (高い粘性のため)海水にさらされてもクレータから剥がれ難く「フカセ籠」が’開’になりません。 現象としては、ウキが引き込まれ、なかなか浮上してこないことで判ります。
 これを避けるためには、図4で示す方法で解決することが出来ます。すなわち、詰め用コマセを詰める前に、 締め糸のガン玉を隠すくらいの少量のコマセ(籠へ入れるドロドロのもの)を入れてから、 クレータ用のコマセ(ex.チヌパワーなど)を詰めます。 (チヌパワーのような)粘性の高いコマセが、クレータの底面へ直に触れないように、 粘性の低い(籠へ入れるドロドロの)コマセで幕をしている訳です。

 更に、この幕にするコマセに砂を付ければ、’剥がれ’が一段と良くなります。
 やり方は、スプーンにすくった粘性の低い(籠へ入れるドロドロの)コマセの先を、 別途に備えている砂(後掲図7の右上のコーナー参照)にチョイと触れてからクレータへ入れた後、 その上から本来のクレータ用のコマセ(ex.チヌパワーなど)を詰めます。
 この方法は、お奨めします。是非、試みてください。



(5)糸ヨレのある’締め糸’は直ちに交換

 締め糸は使っている内に、ヨレが出てきます。このヨレがあると、 「フカセ籠」が’開’する時に締め糸へ引っかかって完全な’開’状態へ移行しません(図5参照)。  直ちに交換してください。
 空中にて何とか(かろうじて)’開’になる場合、海中では海水の抵抗で’開’にならないと思ってください。
 なお、締め糸の作り方は、トップページ「修理の方法」に記載しています。


(6)締め糸ガン玉が2Bでも’浮上モード’、
  または、締め糸ガン玉がBでも’沈下モード’になる場合の対策


 本体自重と浮力(発泡材)とのバランスが狂っているからです。
 原因は、「フカセ籠」の連続使用に伴い発泡剤に海水が浸透して浮力が低下、 または、商品製作時の浮力調整誤差、発泡材の劣化、海水比重の変化などが 考えられます。
  前者の浮力低下は、使用後、次回の使用までには乾燥するようにお願いします。後者の場合は、 いずれも締め糸先端のガン玉の選定によって微調整願います。

   ・ 浮上モード ⇒ 現在のガン玉より1ランク重いガン玉に代える。
   ・ 沈下モード ⇒ 現在のガン玉より1ランク軽いガン玉に代える。

 なお、ガン玉の選定によって、浮上モードにおける浮上速度の変更や、 沈下モードにおけるオモリ負荷の調整が可能です。


(7)ウキの状態による対処策

● ウキが引き込まれて、なかなか浮上してこない。
 ウキが海中へ没してしまう場合の原因は、「フカセ籠」に入れたコマセの量が 多過ぎるからです。少し量を減らして、ウキのトップが見え隠れする程度にコマセを 入れるようにしてください。
 ただし、海中に引き込まれても、直後にクレータの詰め用コマセが崩れれば、 直ぐに浮上するので問題ありません。
 したがって、海中に没して、又はウキのトップが見え隠れする状態から、 なかなか浮上してこないのは、第一にクレータのコマセが思惑通りに 剥がれていないことが考えられます。
 そのためには、(4)項にて述べたクレータ用コマセの詰め方を実践願います。
 その他に考えられる点は、下記の3点です。

・ 締め糸にヨレがある。この点は(5)項の対策をお願いします。
・ 「フカセ籠」の開閉が難い。「フカセ籠」のヒンジを修理して使用している場合に考えられます。
 修理方法は、トップページ「修理の方法」にて述べていますが、修理後、スムーズな開閉となるように修理願います。
・ アタリの可能性あり。経験したことですが、なかなか浮上してこないで軽くシャクった時、 ガツンと手応えがありました。

 いずれにしても、この状態からウキを浮上させるには、’軽くシャクる’ようにして下さい。くれぐれも’軽く’です。 毎回、シャクらなければならないようであれば、上記の締め糸ヨレと修理の確認をお願いします。

● ウキが沈み込まない。
 沈下途中で「フカセ籠」が’開’になっている。または、「フカセ籠」に入れたコマセが軽すぎて 沈下に時間がかかっている。この2点が考えられます。
 前者は、クレータに詰めるコマセを更に強めに詰め込んでみてください。 後者は、砂を加えるなど、コマセの比重を重くしてみることが必要です。

 カスタマイズ版は、着水時または沈下中に’開’すると、ハリスが絡む原因になります。 クレータにコマセを詰める操作を丁寧に行って下さい。 (2010年2月3日)

● 波の揺動でウキが沈み込まれアタリが判らない。
 「フカセ籠」を’浮上モード’にてご使用ください。 ’浮遊・沈下モード’では、「フカセ籠」がウキの錘となっているためです。
 少し浮力の強いウキを使用する方が、得策かもしれません。

(8)必需品2点。 「竿置き」と「コマセ入れ」

 「フカセ籠」にコマセを詰める際、両手を使います。ここで以外と苦労するのは、釣り竿を置き方です。 足場の悪い釣り場(テトラなど)では、特にそう思います。 PanPointは自作可能な’竿置き’(図6)を、トップページ「アイデア紹介」に記載していますので、 ご覧になってください。簡単なものですが、重宝しています。
 もう一つ重宝しているのが、市販の道具箱を流用した’コマセ入れ’(図7)です。 これに、コマセを盛るためのスプーンを結び付けました。 海水の補充には、洗剤用のスプーンが便利です。これらのスプーンを用いて ドロドロ(籠入れ用)とパサパサ(クレータ詰め用)の練り具合が異なるコマセを、 釣り場でつくっています。
 最近、上記の’コマセ入れ’が店頭にて見つかりません。 代わりに台所用品のプラスティックケースを使用しています。
 トップページ「アイデア紹介」に記載していますのでご覧ください。(2010年2月3日)


 現在(2006年10月)は、籠入れ用のコマセと、クレータ詰め用のコマセを それぞれに用意したペットボトルに入れて持ち歩いています。特に後者は、チヌパワー(マルキュー製)のみを 使用しています。クレータに詰める際の手加減が楽だからです。
 私が使っているコマセについては、 トップページの「コマセの消費量と費用」にて詳細を紹介しています。   (2006年10月23日追記)


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