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’高感度・高視認性の棒ウキ’の紹介


 棒ウキの感度と視認性は、相反する関係にあります。即ち、感度を高めようとすれば、視認性が悪くなります。 逆に視認性を高めようとすれば、感度を犠牲にしなければなりません。

 従って、両方を高めることは出来ない訳ですが、この無茶な要望を満たせないか?・・・と考えて作ったのが右図に示す棒ウキです。
 最近、使っている高感度ウキが見え辛くなりました。年齢からくる視力の低下だと思います。 そこで流行の表現を借りて言えば、’どげんかせんといかん’と思ったのが発端です。

 まずは構造の紹介をします。
 持ち合わせの小型ウキを組み合わせて、雫(しずく)形の浮力体を作りました。 形状を決める際の参考にした資料は、ウキの流体力学的研究です。

 この浮力体の中心に直径=1.4mmのカーボンソリッドを貫通して接着。 浮力体の上面には、直径=8mmの円周上に直径=0.6mmのカーボンソリッド6本を等間隔に林立させて、 各々の先端を直径=8mmのトップに接着。その後、調整オモリとサルカンを取り付けております。
 なお、カーボンソリッドやトップは釣具店にて販売されています。

 この棒ウキの感度と視認性は、期待以上です。

 性能比較の参考として、下図(参考図)に愛用のウキ、3種類を示します。 左側のウキほど感度が高く、右側のウキほど視認性が良いものです。

 今回の棒ウキの視認性については、右側の遠投用ウキ(ウキトップの直径=5mm)より優れています。 実釣で確かめました。

 感度については、左側の高感度ウキ(ウキトップの直径=1mm)と同等以上?です・・・と言うのは、 目視確認の結果だからです。
 確認方法は、水槽で棒ウキを立たせた状態にして、ガン玉Bの負荷を加えた時の 「沈み込み速度」と「沈み込み代」を観察するやり方です。
 その結果、参考図(下図)に示す左側の高感度ウキの「沈み込み代」は15cmだったのに、 今回の棒ウキは18cm(トップ下まで)の沈み込みを呈しました。
 このことから、同等以上?と表現した訳です。
 なお、参考図(下図)の左側に示す高視認性の遠投ウキは、「沈み込み代」=3cmでした。

 もう一つの観察項目「沈み込み速度」については、目視の限り、明らかな違いはありませんでした。 どれも、ほぼ同じような感じです。

 以上、今回試作した高感度・高視認性の棒ウキを紹介しましたが、ご理解頂けましたか?
 これで何故に高感度・高視認性が得られるか?・・・ 中核としているアイデアは、次の通りです。

 ’1本の細いソリッドでは見え辛いが、数本を林立すれば良く見える。’

 戦国武将’毛利元就’の格言として、「三本の矢」が知られています。 上記のアイデアは、この格言に僅かながらも通じるのではないかと思いまして、 今回紹介した棒ウキを勝手ながら’毛利ウキ’と呼ぶことにします。

 興味のある方は、是非、自作してみてください。釣りが一層、楽しくなりますヨ。



追伸
1。 廉価版として、0.6mmΦカーボンソリッドの代わりに、ミチ糸(4号、黒色)を使った’毛利ウキ’を試作しました。 性能は変わりませんが、ミチ糸が伸縮するので、その緩み是正対策が必要です。
2。 この’毛利ウキ’は投げた時にハリスが絡まないか?・・・カーボンソリッドが林立しているので、 その隙間にハリスが入り込む心配が想定されます。
  「フカセ籠」を使う限りでは、問題ありません。 単独使用した実験もしましたが、この間に絡むことはありませんでした。

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