ギア比

長文注意な上、数学的説明が含まれています。 ギアレシオともいう。ギアの比率のこと。 自動車においては、ミッション、ステアリング、デフなどのギアの比率をさす。 2個以上のギアが組み合わされた場合に発生する数値。 入力ギアの歯数÷出力ギアの歯数で求められる。 それ以外にギアが組み合わされていても、無視される。 そういうギアをアイドルギアと呼ぶ。 例えば、入力ギアの歯が10枚、出力ギアの歯が5枚だったとしよう。 10÷5=0.5となり、ギア比は0.5。単位はない。 入力ギアが1回転すると、出力ギアは2回転するわけだ。 すなわち、回転数が2倍になる。すると、入力ギアにはいったトルクは出力ギアから出るとき 1/2になる。ギアには、そういう特性がある。 逆に、出力ギアの歯数のほうが多い場合は、速度がさがりトルクが増す。 ここで、自動車のギアレシオの話をしよう。 ここをクリックすると、インテグラTYPE-R 98SpecRのギア比が開かれるので見てください。 減速比という項目が一番数字が大きい。これはファイナルギアと呼ばれるもので、 デファレンシャルギアのギア比なので、とりあえず無視。 それ以外だと、1速が一番大きい。 前述のとおり、ギア比が大きければ、回転はおそくトルクは大きくなる。 このエンジンは6200rpmで19kgmのトルクがでるので、それで計算すると、 回転:6200÷3.230=1919.5  トルク:19×3.230=61.4 これに、減速比を計算に入れると。 回転:1919.5÷4.785=401.1  トルク:61.4×4.785=293.8 となる。 要するに、ドライブシャフトは、401rpm・293kgmで駆動しているわけだ。 これに、タイヤ径を計算に入れると、速度が求められる。 同様に今度は5速を計算する。 回転:(6200÷0.787)÷4.785=1646.4 トルク:(19×0.787)×4.785=71.6 5速では、1646rpm・71kgmで駆動する。 単純にいえば、5速では、約4倍の速度で回転し、トルクは約1/4になる。 なぜ、1速の方が、5速より加速がいいかが、理解できたと思う。 また、エンジン回転があがれば、速度が高まるのも事実。 同じギア比ならば、より多くまわせれば、速く走れる。 仮に、タイヤの直径が600mmだったとしよう。 そうすると、タイヤ外周はπrなので、1884mm 1884mm=188.4cm=1.884m=0.001884kmだ。 また、回転数は一分あたりなので、時間になおす。 401rpm=24060rph。一時間あたり24060回転している。 で時速を求める。タイヤ外周×回転数だ。 0.001884×24060=45.3 インテグラTYPE−R98SpecRが、直径600mmのタイヤを履いたとき、 エンジン回転6200rpmで走ると、45km/hで走るわけだ。 同じことを5速でやると、 1646×60=98760、98760×0.001884=186.1 186km/hでる。リミッターをきってなければ出ない速度だ。 以上の説明を公式にすると、以下のとおりになる。 E:エンジン回転(rpm)  R:タイヤ直径(mm) α:ギア比  β:減速比    E   ―――    α        π×R  ―――――×60×――――――― =時速    β      1000000 となる。 インテRは。8500rpmがレブリミットなので、255km/hまで出る計算になる。 もっとも、この計算は理論上のもので、実際は色々な抵抗があるので、こんなに出ないはず。 以上の説明で分かることは、タイヤ径を大きくすれば、速度が速くなるということ。 ならば、大きくすればいいんだというと間違い。 次は、トルクの計算だ。 トルクは、kgmという単位。1mの棒に1kgの力をかければ、1kgmだ。 1mあたりの荷重といえばいいだろう。 先ほどの直径600mmのタイヤ、半径は当然300mm。0.3mだ。 ドライブシャフトには、1速6200rpmのとき、293kgmで駆動している。 そのとき、タイヤの接地面のはどれくらいの力がかかるかというと、 293kgm×0.3m=87.9 88kgmの力が働く。 たいしたこと無い数値だと思えるだろう。しかし、それは間違い。 この88kgmという力。エンジンが6200rpmで動いている限り、常に発生しているのだ。 常に、88kgmの力で蹴っ飛ばされているわけだ。 理解しづらいかもしれないが、ここで力が少しでも増えると、駆動系に加わるストレスは 一気に上昇する。 タイヤ径を大きくするとこの力が増えるので、駆動系への反動が高くなる。 最悪、ドライブシャフトが折れることも起こりうる。 インチアップするときは、タイヤ外径を極力変えないようにしましょう。 これを理解していると、カタログを見ればその車の特性が理解しやすいだろう。 意外と楽しいと思うのだが、どうだろうか? 知って無くてもいいけど、知っていると、ちょっと自慢できるかも? もどる