食糞について
最近、食糞の話をよく聞きますが、その数の多さに驚いています。

食糞を矯正するにはその原因を特定するのが早道かと思います。
食糞の原因は大きく分けて「栄養説」と「学習説」「その他」があります。
まず一過性と考えられる「その他」について
「その他」
@寄生虫による偏食
A空腹のために耐え切れず糞を食べてしまう。
B成長の過程でいろいろな物に興味を持ち、手当たり次第に口にしてしまう。
「その他」については糞を特定して食べているわけではなく、口にしてしまういくつかの内のひとつが糞であったという意味でとらえた方がいいようです。

さて、本格的な食糞は「栄養説」と「学習説」になるわけですが、私たちブリーダーは長らくこの「栄養説」には否定的でした。
と言いますのも、私自身20数年間のブリーダー生活で経験した食糞はたったの一頭だけでこれは「学習説」によるものでしたし、私のブリーダー仲間にも「栄養説」と考えられる食糞は一頭もいなかったからです。
しかし、逆に言うと栄養のバランスが摂れていれば食糞は極めて稀な事であるといえるわけで、一般愛犬家に多発している糞食のほとんどは「栄養説」に有るのではないかと考えられるわけです。

「栄養説」
栄養のバランスが摂れていない場合で、多くは選択したドックフードが愛犬に合っていないと考えられると思います。
多頭飼いのお宅で複数の食糞が見られる場合は、一番に「栄養説」を考えてください。

「学習説」
これは母犬から学習した場合と、人間から学習した場合があります。

母犬から学習した場合ですが、母性の強い子犬の面倒をよくみる母犬に育てられたときに時々見られることがあります。
普通は子犬が離乳食を始める頃から母犬は段々子犬の糞の始末をしなくなりますが、稀に生後2ヶ月頃になっても糞の始末をしようとする母犬がいます。
子犬は母犬が自分の糞の始末をするのをみて学び習慣になるわけです。

人間から学習した場合は、トイレの掃除を犬に見せたことが原因する事があります。
犬にとっての掃除は母犬が子犬の糞を食べて掃除するのと同じで食べる事になります。トイレの掃除の時に飼い主さんを見ていてお手伝いをしようとしたのか、良い事と思い飼い主さんの真似をしているかです。


まずは一過性のものなのか、「栄養説」か「学習説」か原因を探してください。