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概要
ETCとは、Electronic Toll Collection System :エレクトロニック・トール・コレクション・システムの略称で、有料道路を利用する際に料金所で停止することなく通過できる自動料金収受システムのことです。日本では一般にイーティーシーと呼ばれたり、ノンストップ自動料金支払いシステムと呼ばれたりします。
1989年にイタリアでテレパス(TELEPASS)という無線式料金収受システムが導入されたのが、ETCの起源です。日本では1997年に小田原厚木道路の小田原料金所で業務用車両を対象に試験導入されました。2001年から全国の高速道路で一般車も利用可能となりました。日本ではETCは国土交通省が推進しています。2011年5月末時点で、日本では累計4336万台の車両にETC車載器が取り付けられ、利用率は全国平均で87%となっています。
仕組
ETCを構成するのは、料金所の無線通信機器、利用者側の車載器、及び、ETCカードです。利用者はまずETCカードを車載器に挿入し、カードの認証を行い、これが正常に終了していなければ利用できません。有料道路の料金所のETCレーンに進入すると、無線通信により車載器と料金所の間で料金精算に必要な情報(車両情報・ETCカード番号・入口料金所・出口料金所・通行料金など)が交換されます。無線通信が正しく行われ、情報に問題がなければ、ETCレーンに設置された開閉バーが開き、車両は停止せずにレーンを通過できます。
車載器には予め車両の情報を登録しておく必要があり、これをセットアップといいます。また、車載器を搭載する車両を入れ替えたり、車載器を別の車両に移す場合には、セットアップをやり直す必要があり、これを再セットアップといいます。セットアップも再セットアップも有料となりますが、これらが終わっていれば、どのETCカードでも利用可能です。有料道路の使用料はETCカードの契約者が支払います。
料金所にはアンテナや車両検知器などの「路側装置」が設置されており、ETCカードをセットした車載器と交信が行われ課金情報を送信します。「路側装置」より利用明細が「中央処理装置」に送られ、課金情報をもとにユーザーに請求されます。
車載器と料金所の通信は時速80km/hでも可能ですが、ETCカードの挿し忘れや通信エラーなどで開閉バーの直前で止まる可能性があるため、料金所の通過速度は20km/hに制限されています。
種類
ETCの車載器をハードウェアの形式で分類すると、無線通信を行うアンテナ部を別ユニットで持ち、ETCカードと併せて3つのパーツから成り立つ3ピース(アンテナ分離型)と、アンテナ部を内蔵した2ピース(アンテナ一体型)の二つのタイプがあります。
ソフトウェアの機能で分類すると、カードの入れ忘れなどをブザーで知らせるタイプと、音声で料金などを案内するタイプの二つがあります。
利用履歴を、連動したカーナビゲーションで管理できるものもあります。
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