We love Honda !
vol.1
Vol.1 |
ichiro ◆ Prelude Owner |
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■Preludeへの思い このクルマより速いクーペはいくらでもある。 このクルマより装備の優れたクーペはいくらでもある。 このクルマよりスペックの勝るクーペはいくらでもある。 その多くがクーペという言葉を高らかに謳う・・・ 日本の道路にはそうしたクルマは多くはないが、自分にとってこのクルマほど魅力的なクーペは他に無い。 このクルマほど、運転する楽しみに溢れるクーペは他にない。 このクルマほど、カタログ以上のスペックを感じるクーペは他にない。 『このクルマでなければ満足できないほど、このクルマは自分を魅了する。』 ■その車は、Preludeと云う。 『Prelude』…その名の通り、日本車の新しい時代を切り拓く前奏曲のように、この車は華麗なる姿を地上に舞い降りさせた。 稀代のエンジン屋、本田宗一郎は、単なる技術屋では満足しなかった。 S500から始まるこの会社の産みだした車たちは、常に「夢」を追い求めた。 その一つの結論として、ラグジュアリー性の強いエクステリアと、VTECを得てPreludeはホンダの「夢」を高らかに謳った。 初代から数えて4台目。 ふくよかで、尚且つ均整の取れたそのボディ。 フェンダーラインからリアのコンビランプに連なる美しい曲線は、国産車のデザイン力が最早世界レベルに達したことを伝えた。 ボンネットフードに納められた可変バルブタイミング機構「VTEC」を奢る、2.2リッターエンジンは、トルクフルで自然吸気のエンジンの新たなる可能性を標榜した。 ■『美しく走る。』 機能のみ追及すれば必要の無いこの要素を、ホンダは諦めなかった。 常に前進し、躍進する企業の若々しさをそのままに反映したこのクルマは、オーナーをコクピットに迎えたその瞬間から、また美しい前奏曲を奏でる。その音は、果たして「ホンダ・ミュージック」と称えられた、かのF1の遺伝子を忘れることは出来ないのだ。 ■今こそクーペ Preludeの魅力はなんと言ってもその個性的で美しいスタイリングである。 最近でこそ、時にワゴンやSUVに心惹かれることもあるものの、自分はもともとクーペ派である。 スポーツカーがドライバーのための車だとしたら、クーペは前席二人のための車であってほしい。 走り屋路線ではなくラグジュアリーカーとして。 日本の都市生活者のライフスタイルとして、平日は電車通勤で休日はデートやドライブのために車に乗る。外見はスマート。でも中(前席)は広くて快適。インテリアもセンス良くまとまっている。 ちょっとした荷物や買い物袋は後席に置いて。トランクにはゴルフバックが二つ入るくらい、二人で週末の温泉旅行に行く荷物が積めれば十分…。 やっぱりスタイリッシュで美しいクルマに乗りたい。 クルマを選ぶ条件として、まずはスタイルが良くなくてはダメだ。世の中のクルマが全体的に、背が高く腰高になってしまった。 ついこの前までは極めて背の低い、特殊なセダンが走り回っていた。それがいつしか高さ方向へのパッケージの効率化という設計手法に転化していった。 そういう時代だからこそ、背が低くて流麗なクーペボディがひときわ魅力的にみえるのだ。世の中に迎合するより、反逆するほうが、何となくカッコイイ、というのもある。 すべての人に好かれるクルマは、誰一人として熱狂させることはできないのだ…。 発売からずいぶん時間が経つのに、まだに美しさが際立つPrelude。まったく古さを感じさせないのもすごい。 やたらと派手にキャクターラインが入っているわけでもない、にもかかわらず、流麗で綺麗で個性的なフォルムは見る人を惹きつける。 このクルマを眺めていると、やっぱりクーペは美しくなくては、とつくづく思う。お気に入りのアングルは斜めリアからの眺めで、グラマラスなフェンダーライン、フェンダーからCピラー〜そしてフロントへとつながるルーフラインが一番いい。 ドアを開け、室内に乗り込んでも、エクステリアの感動を裏切られることなく、洗練されたモダンで都会的な内装デザインが、スポーティでありながらもちょっとラグジュアリーな気分にしてくれる。 デザインはとっても大事だけど、ステアリングを握った時にあまりにもギャップがあっても困るもの。 Preludeが素晴らしいのは、デザインからシャシー、エンジン、ミッション、サスペンションなどなど、要するに、クルマ全体が同じニュアンスでまとまっている点である。 排気量2200CCのエンジンは充分な力がありながら、あくまで滑らかさと気持ち良さをアピール。ステアリングも、センター付近にやや鈍い領域があるのだけれど、操舵とサスペンションの動きがちゃんとシンクロしてるから、あえてその部分を締めてほしいとも思わない。そして、乗り味が絶妙。まさしく鍛え抜かれた筋肉のようなしなやかさと、ステアリングやボディのいなされ感が見事にマッチングしている。馬でいえばサラブレッドといった感じか。 このクルマのステアリングを握っていると、さほど絶対スピードを上げなくてもスポーティでスムーズなドライビングが堪能できる。 タイヤが鳴くほどコーナーを攻めようという気にもならず、ミッションに不満を覚えることもなく、クルマなりに走るのがすごく気持ち良い。 セダンほど実用主義でなく遊び心やドライビングプレジャーがあり、スポーツカーほど尖がってなくて気楽にドライビングを楽しめる。 そして見ているだけでもその実しさで所有欲を満たしてくれる。Preludeは、とても魅力的なクルマである。 近ごろクーペがどんどん少なくなっているのがとっても残念に思う・・・ ■JUST DO IT ! Preludeは1993年に4代目といわれるモデルを手に入れた。 丁度その頃流れていたアイルトンセナのPreludeのCM(さあ走ろうか編)は今でも記憶に鮮明に残っている。 ボディカラーは誰もが一度は乗ってみたいと思う色「ブラック」をチョイスした。 実際所有してみて、黒という色のクルマの維持の大変さはあったが、それ以上に満足感があった。 一日かけてワックスをかけ、黒光りするその艶やかなブラックのボディを眺めていると時間が過ぎ行くのを忘れた・・・。 過去形「た・・・。」というのは、現在は所有していないからである。 残念ながら、ブラックボディのPreludeは1996年12月に自分の操作ミスによりクラッシュしてしまった。 走行距離47000KMだった。幸い体は無事だったので、ラッキーだったのが救いだった。 しかしその後もプレリュードへの想いは途絶えず、今現在でも同型式の1995年型Preludeを所有し、プレリュードライフを満喫している。 ボディカラーは当初ブラックにするかシルバーにするかを迷ったシルバーをチョイスした。 セブリングシルバーと云われるそのシルバーボディを纏うプレリュードは1993年版のTV-CFで同じくアイルトンセナがスペインの山岳道路を疾走するその姿が印象的だった。 結果どちらのボディ色も乗ることができて良かったのかもしれない。 この先、どれだけこのクルマに乗り続けられるか分からないが、このクルマのキカイとしての使命が全う出来るまで乗り続け、クルマが死ぬまで見届けたいと思う・・・。 |