あたたかな冬の夜
─Randy&Olivie─ 「前から思ってたけどさぁ……、あんたって、体温高いよねぇ……」 あったか〜い、と毛布に顔を擦りつけるような調子で、ランディの身体に腕を回したオリヴィエが呟く。 「これからの季節は手放せないよね☆」 「ひどいな……。俺、人間湯たんぽですか?」 「ん〜、そうだねぇ……」 「ちょっと、」 「でも湯たんぽはあったかいだけだけど、あんたはあったかいし気持ちイイし、カッコイイし?」 上目遣いの濃青の瞳が、悪戯っぽくきらめいた。顔を赤くして息を詰まらせ、ランディがふいと顔を背ける。 「もう……」 ため息をついたランディの肩を、綺麗に塗られた爪の先がゆっくりと辿った。 「──あなたのせいですよ」 「え……?」 「あなたがこんなに側にいるのに、冷静でいられるわけないじゃないですか……」 わずか唇をとがらせて。オリヴィエの肩の上、あたたかな腕が力を増す。 「そう?」 「そうですよ。──そんなの、今更です」 「ふぅん……? じゃあさ」 もっと熱くなろうよ。 耳元で囁く声。舌を絡めるキスの後、ランディは困ったように眉を寄せた。 「ああ……、なんか我ながら進歩ないなぁ……」 「そう?」 「そうです。──あなたが綺麗すぎるからいけないんですよ」 強引な責任転嫁に、オリヴィエが吹き出した。 「あははっ! やだ、馬鹿だねぇ。──あんたがカッコイイからだよ」 「何言ってるんですかもう……」 それ以上の言葉を封じるように、いささか乱暴な仕草で唇が塞がれる。そのまま二人の身体は、少しずつ熱を増していった。 fin. |