Cocco 〜朱く腫れあがる愛の歌〜



こっこについて、は、敢えてHIRONAに語らせてください。
彼女を初めて知ったのは、ケーブルテレビの番組と番組の間に流れる、新人コーナーみたいなとこ。初めて彼女の『カウントダウン』(デビュー曲)を聞いて、とにかく「すごい!!」と思ったのでした。
何がすごいって……、歌詞はもとより歌い方といい曲想といいクリップの作りといい……もう、すべてがツボ!ってくらいに。ストリングス好きなんですよ。でも激しいのも好き(聴くのは、基本的にロックだしね)。
で、最初はすごいって思っただけで名前とか記憶する間もなくて、そのまま、あの人すごかったなぁ、よかったなぁ……と思ってて。次にそのクリップを見たときにはちゃんと頭にメモしました。Coccoのカウントダウン。で、CD屋で1stアルバム発見、ソッコ買い!(当然!)──で、はまっていったのでした。
最初は皆知らなくてねー(そらそうだ)。そのうち2ndシングルがJAL沖縄(だっけ?)に使われるようになったので、あれ歌ってる人、と。でーもあのCMはサギだよ(笑)、あの曲はそういう曲じゃないんだよ〜みたいな(笑)。

で。Coccoの何が良いか。どこが良いか。
まず声が好み。音域も私とわりと近いので、自分で歌うにもGood!
曲も、いろんなのあるけど、そうですね、皆好きだな。とくに『遺書。』という曲が好き。大好き。
でも何よりも、歌うために生きてるみたいなとこがいい。愛するために生きてるみたいなとこがいい。
もう、ねえ、いいのよ、すごい痛い言葉が多いんだけど。恋をして幸せな気持ちよりも、つらかったり苦しかったり泣きたかったり殺したかったりって方が多いんだけど。
あと南の島の、子供時代の思い出、私はずっと東京で生まれ育ってきたはずなのに、なぜか濃い空の色とか金網の向こうの異国の人とか打ちのめされるような雨とか、全部浮かぶ、全部感じる。
すごいね、烈しい生き方してきた人なんだなって。そしてこれからもそういう風にしか生きられない人なんだなって。
このページのサブタイトル、「朱く腫れあがる愛の歌」って、彼女の1stアルバム『ブーゲンビリア』のコピーなんだけど。
あとね……、これ、ここに書いちゃって良いのかな、その1stアルバムの最後、スタッフロールんとこ、たいていスペシャルサンクスってあるでしょ。これがすごいの。
Special Thanks To:
私を捨てた人へ、私が捨てた人へ、私を残して死んだ人へ、
私を愛した人へ、私が愛した人へ、私が愛した美しい島へ、
心からのキスを込めて。

──どう? すごいでしょ、聴いてみたくなったでしょ?(笑)
でもね、はっきり言ってこの人の曲はBGMには向きません。っつーか私の聴く曲はそんなんばっかだ。もともとながらは出来ない人だけど、それ以前に、これはこの曲を聴くためだけの時間を作って聴く曲だろう、と。
自分の中の感情が見えなくなったとき、感情なんて持ってたのかどうかもわからなくなっちゃったとき。どうしても伝えたい苦しい言葉があるとき。叫びたいとき、大声を上げて草原を走れたらいいと思ったとき。絶対あるのに思い出せない大切な懐かしさを感じたとき。
ぜひ、聴いてみてください。

2000.12.1     written by HIRONA Aikawa


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