絵画 〜人は自分にないものに憧れる〜



突然ですが、相川は絵を見るのが好きです。大好きです。
主に、風景画。それから、ナチュラルアートとか最近言われるようになった、自然や動物たちを
モチーフにしたものが好きですね。
有名なところで言うと、クリスチャン・ラッセン、シム・シメールのような。
この二人ならラッセンのほうが好きなんですが、相川のイチオシは違います。
笹倉鉄平(ささくらてっぺい)という人。
聞いたことない方も多いかも知れません、でもきっと絵を見れば、どこかで見たと思うはず。
例えるならば、「ランプの灯り」。光じゃなくて、灯り。
ぽぉっとやわらかい、あたたかい、ともしび。そんな絵を描く人です。
初めて見たのは、大学時代、もう4・5年前です。ふら〜っと立ち寄ったデパートの
エスカレーター脇の絵に目が止まりました。
「あれ? どっかで見たなぁ」 思ってサインを見てみると、以前、別のデパートで気になって
名を心に留めた人でした。「あ、やっぱり。笹倉鉄平さんかぁ……」
そして、これまた偶然行った、ラッセンの展示会場の片隅にて。「あ〜〜!!」
そう、そこには鉄平さんの絵がありました。
それから、新宿のどこぞやで鉄平さんの展示会があると聞くと、
時間を見つけて足を運ぶようになりました。

ご本人にお会いしたのは、ごく最近のことです。
絵を見て、「すごく優しい絵を描く人だなぁ」と思って、
作者の写真を見て、「ああ、この人がこの絵を描いたのか……」とすごく納得して、嬉しくなって。
そして本物の鉄平さんは、優しい笑顔と、穏やかな声と、温かい手の持ち主でした。
実は、絵も一枚持ってたりします(だからお金ないんだよ……)。
すごくステキな、花の絵。「ブルーメンス」っていうタイトルが付いています。
一番好きな絵は「デヴォン」って言う、一面緑の草原の絵。
ざぁ……っと音を立てて風が吹き抜けるのを感じて鳥肌が立ちました(ホントに)。
あと、「オルタ・サン・ジュリオ」。ポスターで持ってたのに猫に破かれたという悲しい思い出が。
やわらかい、パステルトーンに近い色が多い彼の絵には珍しく、モノトーンが使われています。
その真ん中にあるのは、あざやかな、やわらかな虹。周りが黒・灰色だからこそ際だつその色彩。
ああ、あとですね、夕暮れ時の絵が多いのですよ。夜、じゃなくて、夕焼けとか、その前後。
つい先日お会いしたときに、「一番好きな時間帯っていつですか?」って聞いてみたら、
やはり、「英語でマジック・アワーって言う時間帯があるんだけど……」と答えてくださいました。
昼でもなく夜でもない、そんな狭間の時。
曲も、嬉しいような悲しいような両方を含んだようなものがお好きだとのこと。
おお、僕も同意見です。

あと、カーク・レイナートという人も好きですね。オーロラがとても綺麗。
きたのじゅんこ、スィベル、ジャッキー・M・ヴォーグ、ジョウ・ナイトウ……などなど、
自然の恵みを愛し、人を愛し、生命を愛し、日々に感謝しながら生きている
……そんな人が好きです。

ところで相川は絵が描けないんですよね。絵心、ないどころかマイナス(笑)。
なので余計に、憧れてしまうのかも知れません。

2000.9.26     written by HYOGA Aikawa


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