天使の奏でる音

オーロラの見えるときは 電波が妨害されて届かないという。
その理由を 私は知っている。
オーロラは、天使の奏でる竪琴の音なのだ。
天使が戯れに弾いた琴の音が、あんなにも美しく鮮やかに人の目には映るのだ。
だからそんなときは、人間の放った電波は掻き消されてしまう。
そう、ちょうど。
休み時間の喧噪に包まれた教室で、
あなたの声が聞こえた途端に他のすべての音が私の耳に届かなくなってしまうように。




 LIER

嘘をついていてもいいの。
嘘だとバレないようにしてくれれば。
たとえあなたが大嘘つきの詐欺師かなんかで、
私のことを本当はこれっぽっちも愛していないとしても
いつでも「愛してるよ」ってささやいて私を幸せに包んでくれるなら、いいよ。
浮気をしてても、「君だけだよ」って言って、私にバレなければ構わない。
知らない事は無い事と同じだから。
騙してもいいよ。
ずっと、一生、騙しつづけてくれるなら。






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