【ケーススタディ a】 HDDにお正月の『東京フレンドパークgold』(以下TFPと略す)を録画してある。その中には、NTT東日本の新春特別CM60秒(以下NTTと略す)も含まれている。これを、TFPはTFPでCMを全てカットしディスク1枚に収め、さらにNTTについては、CMばかりをせっせと集めて保存してある『お気に入りCMディスク』に追加したい。 どうすればいいのか? |
パイオニアDVR−77Hの場合 | 【HDD→RWダビングの基本操作はこちら 】 |
オリジナル | |
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ダビングリストその1を作成 (グレイ部分はカット) | ||||||||
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→ これをRWに高速ダビングする。 | ||||||||
ダビングリストその1は消去し、続いてその2を作成 | ||||||||
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→ これを『お気に入りCMディスク』に高速ダビングする。 | ||||||||
言葉で補足すると次のようになる。 | |
1. | HDDのオリジナルには一部削除等の編集は出来ないので、まず、TFPのダビングリスト(※1)を作成する。その際、全てのCMをカットする。 |
2. | ダビングリストをもとに、RWに高速ダビングする。 |
3. | ダビングリストをいったん消去し、再度作成する。今度はTFPの部分及び不必要なCMを全てカットする。 |
4. | 作り直したダビングリストをもとに、『お気に入りCMディスク』に追加する。 |
(ちなみにKay様は西日本の住人。ふさわしくない設定ですみませんでした(笑)) |
パナソニックDMR−HS2の場合 |
NTTのプレイリスト(※2)を作成。 | |||||||||||
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→ |
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作成したNTTだけのプレイリストから、RAMに等倍ダビングする。 | |||||||||||
次に、今度はオリジナルを編集する。 (グレイ部分は削除) | |||||||||
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これをRAMに高速ダビングする。 |
言葉で補足すると次のようになる。 | |
1. | NTTのプレイリストをつくる。 |
2. | NTTのプレイリストを『お気に入りCMディスク』に追加する。高速ダビングは不可なのでこの場合60秒かかる。 |
3. | TFP本編から不要な部分(CMなど)を削除し、タイトルを付け、違うRAMに高速ダビングする。 (プレイリストからのダビングだと等倍になるが、オリジナルから直だと高速でダビングできるのでこの方法をとる。) |
※CMを先にダビングするのがポイント!! オリジナルから削除してしまうと、プレイリストからも自動的に削除されてしまうため。 |
東芝RD−XS30の場合 |
区切りにしたい部分にチャプターを作成し、保存する。 | |||||||||
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プレイリストを2つ作る。( TFPとNTT ) | |||||||
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それぞれ、RAMに高速ダビングする。 |
言葉で補足すると次のようになる。 | |
1. | まずオリジナルに対してチャプターを作成し、保存する。部分削除や消去という考え方は東芝機にはない。 |
2. | TFPのみを抽出したプレイリストを作る。CMで区切られた本編の、頭の1フレームにつけたチャプターを順に拾って並べていく感じ。 完成したプレイリストには 『2003年1月2日 東京フレンドパークgold』と名前をつけ、タイトルサムネイルも指定しておく。 |
3. | NTTのプレイリストを作る。(チャプターを1つ拾えばいい。)チャプター1つだけからなるそのプレイリストに、『NTT東日本2003年新春CM』と名前をつけ、タイトルサムネイルも指定しておく。 |
4. | 新品または初期化したRAMをトレイにセットし、『2003年1月2日 東京フレンドパークgold』を高速ダビングする。 |
5. | RAMを交換。『お気に入りCMディスク』をトレイにセットし、『NTT東日本 2003年新春CM』を高速ダビングする。 |
「プレイリスト」。言葉は同じだし基本的な考え方も同じであるこのモノの、作り方や使い方をメールで説明していただきながら、どうにも腑に落ちないクエスチョンマークがふわふわしていて、私はずっとモヤモヤしていました。プレイリストというモノの考え方が、パナソニック(おそらくパイオニアもこちらに近い)と東芝では微妙に違う気がしたのです。 で、色々と悩んだ結果、いったいどこがどう違うのか、最近ようやく判ってきました。3社の中ではどうやら東芝機のみが、プレイリストとチャプター(パナでいうマーカー)とを、いったん分けて考えているようなのです。 せっかくですからケーススタディaの例でいきましょう。この場合パナ機では、オリジナルタイトルをマーカーで区切ると、その時点でプレイリストが1つ作成されます。一方の東芝では、チャプターで区切っただけではプレイリストは作成されません。それはただの「チャプター作成」になる訳です。 パナ機の場合は、オリジナルに対し「プレイリストを作るよ〜」と宣言して、NTTはここからここまでだな!とマーカーを入れて保存した時、NTTだけのプレイリストが1つできます。同様に、TFPはこことこことここだなという区切りをつければ、TFPのプレイリストが別に1つ作られるのです。 ですから先に、TFPはこことこことここでNTTはここだ、という共通の区切りをつけておいて(つまりそういうプレイリストを1つ作っておいて)、まずはそれを複写し、続いて片方からはNTT以外を全部削除して、もう片方からはNTTを含むCMを全て削除するという方法もとれます。 ただ実際には、プレイリストに従ってのダビングは等倍で遅いですから、TFPのようにCMカットしたあとも2時間たっぷりあるような番組の場合には、プレイリストを作るよりオリジナルタイトルをダイレクトに編集してしまって、それをバーッと高速ダビングした方がいいんですな。 では東芝はどうかと。東芝の場合は、先に申しました通り、TFPはこことこことここでNTTはここ、と区切っただけではプレイリストは作成されません。その区切り位置のみが、まずはオリジナルと対になって保存されます。いわば「チャプターリスト」ですね。で、そこからTFPのみを抜き出したプレイリストを1つと、NTTのみを抜き出したプレイリストを1つずつ作る。こういう手順になる訳です。 要するに、パナのプレイリストの基本コンセプトは 『区切っておいていらないところを消す』。消してしまう以上は、同じような編集を再度行うことをかんがみて、事前にプレイリストの複写ができると便利に違いありません。 東芝のコンセプトは 『区切っておいて必要なところを抜きとる』。抜いた結果がプレイリストなのですから、それを複写しても意味はありません。同じものが欲しいならプレイリストに従ってダビングを2回やればいいのです。(プレイリストに従ってのダビングも、東芝の場合は高速でいけます。) こうしてみると面白いですよね。設計者のコンセプトがモロに出ているのが判ります。メーカーの中でこういう基本概念の設計をやる人は、『プロジェクトX』に出てくるようなほんのひとにぎりのチームに相違ありません。その人たちが考えたことの差が、最終的な”製品”の上にもハッキリ表れてくるんですね。 面白いなぁ人間社会って。これはすでに文学の範疇です。 あーこれで違いが判った。スッキリしたーっ!!! |
【ケーススタディ b】 友人からディスクを借りた。その中には先日出席したオフ会の、ボーリング大会・二次会カラオケ大会・三次会まったり飲み会の模様が3本に分かれて入っている。それらの中から面白い部分だけを抜き取って、自分用のディスクを作りたい。どうすればいいのか? |
パイオニアDVR−77Hの場合 |
1. | 友人のRW内に、自分にとって面白い部分だけのプレイリストをこっそり作成する。 (HDDからのダビングではないのでダビングリストではない。またRW→HDDのダビングは等倍で時間がかかるし、RW上でプレイリストを作成する方が操作しやすいため、予め3タイトルを丸ごとHDDにダビングする行為はしない。) |
2. | そのプレイリストをもとに、面白い部分だけをHDDにダビングする。このダビングは等倍となる。 |
3. | 自分用のRWに差し替え、今度はHDDからRWへ高速ダビングする。 |
4. | 友人のRW内にこっそり作ったプレイリストは忘れずに消す。 |
パナソニックDMR−HS2の場合 |
まず、友人から借りたRAMの3タイトルを丸ごとHDDへ高速ダビングする。借りたRAMはさっさとしまう。 | |
<方法1> | |
1. | 1タイトルずつ不要な部分を削除する。 |
2. | 編集したものを、自分用のRAMへ高速ダビングする。 |
この方法の特徴 | |
編集一発勝負。不要部分を削除してしまうので失敗しても元に戻せない。(この場合だったら借りたRAMからもう一度ダビングし直すしかない。) ただし自分用RAMへダビングするのは速い。 | |
<方法2> | |
1. | 自分が保存したいシーンのプレイリストを作る。 |
2. | 作成したプレイリストを自分のRAMへダビングする。プレイリストに基づいてのダビングは高速不可なので、あまり長いプレイリストは作らないほうがよい。 |
この方法の特徴 | |
やり直しが可能。新たにプレイリストを作ってもよし、作成したプレイリストを複製し何パターン作ってもよし。容量に影響がないのでやり放題。ただしダビングに時間がかかるのが難点。 |
東芝RD−XS30の場合 |
<方法1> | |
1. | 3タイトル全てを丸ごとHDDに高速ダビングする。借りたRAMはすぐしまう。 |
2. | 3タイトルのそれぞれに、ケーススタディaの答え同様チャプターを作成し、保存する。 |
3. | プレイリストを作成する。3タイトル別々にするならプレイリストも3つ、編集後は1タイトルにしたいならプレイリストは1つ作る。(複数タイトルからそれぞれチャプターを拾ってくる。) |
4. | 自分用のRAMをトレイにセットし、高速ダビングする。 |
<方法2> | |
1. | 借りたRAMのオリジナル上にチャプターを作り、プレイリストを作成する。 |
2. | プレイリストをもとにHDDへ高速ダビンクする。 |
3. | 自分用のRAMをトレイにセットし、今度はHDDからRAMへ高速ダビングする。 |
4. | 借りたRAMからは、プレイリストとチャプターを削除して返却する。 |
この方法を使うのは、オリジナルに対し面白い部分が非常に少なく (例えば1時間のうちに5分とか)、HDDに丸ごとダビングするのは時間がもったいない場合。とはいえ借りたRAMに何かするのがどうしても怖いなら、借りたRAMを普通に再生しつつ、必要な部分だけを「ラインUダビング」でHDDにコピーすることもできる。 |
【ケーススタディ c】 HDDに、2時間分のドラマを最高画質で録画した。画質は落としたくないので、これをR2枚に1時間ずつ分けて焼きたい。どうすれば いいのか? |
パイオニアDVR−77Hの場合 |
1. | 前半のダビングリストを作る。 |
2. | その際、CMをカットする。 |
3. | ダビングリストをもとに、Rにダビングする。 |
4. | ダビングリストをいったん消去し、再度作成する。今度は後半のみとする。その際、CMをカットする。 |
5. | 作り直したダビングリストをもとに、2枚めのRにダビングする。 |
パナソニックDMR−HS2の場合 |
1. | CMなどいらない部分を削除する。 |
2. | 2時間まるごとプレイリストを作成する。 |
3. | プレイリストの複製を作る。 |
4. | プレイリストを前半いい感じに1時間分になるように、後半を削除する。 |
5. | 前半部分のプレイリストをRへダビングする。高速ダビングは不可。 |
6. | 複製したプレイリストの前半部分を削除する。 |
7. | 後半部分をRへダビングする。 万が一ダビングに失敗していても、HDDに丸ごと残っているので、2からの手順をもう一度くりかえせば何とかなるはず。 |
東芝RD−XS30の場合 |
1. | まずCM部分にチャプターを作成し、さらに、前半・後半がうまい具合に切れて時間的にも問題ない個所にチャプターを作っておく。『プレイリストの再編集』機能が有効である。 |
2. | CM個所を除いた前半のプレイリストを作成し、名前をつけタイトルサムネイルを決定する。 |
3. | 後半を同様に作成する。 |
4. | それぞれのプレイリストから、HDD内へ高速ダビングして別オリジナルを作ってしまう。前半と後半、1本ずつ作る。 プレイリストから直接Rへ焼くこともできるのだが、いったんオリジナルを作ることにより、Rの規格でダビング時に余計なフレームが入りこむのを防ぐ。(フレームくらい気にならないよという人は、この手順は省略すればよい。) |
5. | 2枚のRに順番に焼く。 |
6. | HDD上に倍の容量を食っているので (最初のオリジナルと、ダビングした前半後半の計3タイトル出来ている)、特に必要がなければHDD上のタイトルは削除する。プレイリストはオリジナルを消せば自動的に消える。 |
パイオニアDVR−77Hユーザ Kay様 |
パナソニックDMR−HS2ユーザその1 神無月様 |
パナソニックDMR−HS2ユーザその2 yumirin様 |
【1時間以上2時間未満の番組を少しでもよい録画モードで、1枚のRAMに収めたい時】 RAMにFRモード(ピッタリ録画)で直焼きすれば、XPとLPの間のモードで録画してくれる。そのためLPよりは画質の向上が望めるとともに、ディスク1枚に収まってくれる。FRというと圧縮するイメージが強いが、逆の使い方も出来る。 逆に、XPでHDDに録ったものをFPでディスクへダビングすれば、XPとLPの間の画質が設定される。画質を落としても1枚に収めたいという時にはお勧め。 |
【Rの枚数を増やしたくない。例えばスマスマを1枚のRにSP(標準)で入るだけ入れたい。】 HDDにLPで録画し、編集したものをSPでRへダビングする方法もあるが、最初からRへSPで録画した方が画質がいい。もちろん後で編集が出来ないというデメリットはある。 |
< 完 > |