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私はこの数カ月でビーチバレー・G2・帝国・door to phantomile(便宜上「1」とします)・2と クロノアシリーズをプレイしてみました。 最初はガンツ目当てだったので旧作はやるつもりはなかったんですが(ぉ そこは幸運に恵まれまして、月光美術館以外はとりあえずシナリオを把握できました。 そこで感じた事を書きます。主に「最近のクロノア」についてです。   注意:ここに書いた事はあくまで私個人の私見です。決して真に受けないで下さい。私はnamcoの内情など知りません。   「1」は実際、名作だと思います。 ジョーカーがイイ…というのもありますが(笑)ゲームというよりも一つの芸術作品としての仕上がりが感じられます。 「夢」を題材にするのはとても難しい事です。夢、と言ってしまえば簡単ですが、 夢の内容というとその可能性は無限にありますから、何でもアリなわけです。 何でもアリだけど、あくまで「夢」でなければならない。そこらへんの折り合いが難しい。 「夢」を題材にしたゲームは他にもありますが(私が知る範囲ではドラクエ6とか、ソニックシャッフル、カービィ(笑)) その世界観、「悪夢」の扱い、その解決のしかた等、同じテーマを扱っていながら様々です。 その中でクロノアとよく並び賞される名作が「NiGHTS」です。 NiGHTSは「1」と同時期(※1)に出た事もあって、比較される事も多いですが、ここでも比較の対象にさせていただきます。 (むしろ私はNiGHTSの方が詳しい) といっても内容を比較するのではないです。その後の展開です。   先ほども申し上げた通り、「夢」を題材にするのは難しいです。だからこそその難しさを乗り越えて現れた NiGHTSとクロノアは名作と呼ばれるのでしょう。 感動した人がたくさんいました。多くのファンが生まれました。そうなると当然続編が望まれます。 しかし、一つ作るだけでも大変な事なのに、続編はさらにそれを超えていかなければならないのです。 高い完成度が逆に次の開発に圧迫をかける結果となってしまったのです。 クロノアは何とか「2」を送りだすことができましたが、もちろんさらに巨大な壁が立ちふさがります。 迫られた選択肢は2つ。 ―最終的に越えられない事になっても壁を乗り越えられるまでがんばるのか― ―壁を低くしてでも確実に乗り越えるのか― 前者を選んだのがNiGHTS、後者を選んだのがクロノアでした。 その結果NiGHTSは6年経った今でも続編は出せず(※2)クロノアは1年に3作という新作ラッシュになっています。 どちらが正しかったかはまだわかりません。   では、クロノアはどうやって壁を低くしたのか。   世界観とキャラクターの再構築です。 まず世界観ですが、今までの世界観であればそれぞれのシリーズは「異世界」の出来事であり またクロノア自身がまた別の異世界からの訪問者という形で描かれています。 これでは異世界間の交流はなく過去のシリーズを生かす事が難しくなります。 おそらくこれらの異世界を繋げた、または何らかの方法で行き来できるような設定にしたと思われます。 それにより過去シリーズの地名を流用したりキャラクターを使いまわせるようになります。   そしてキャラクターの設定。 他のシリーズもののアクションゲームに見られる特徴として、メインキャラが変わらないという事が上げられます。 具体的には「主人公」「仲間」「ライバル」「悪役」です。 クロノアという主人公は既に決まっていますから、他の役を選定しました。 その結果「仲間」としてロロ、ポプカ、チップルが選ばれ、「ライバル」「悪役」には 新たにガンツとガーレンが投入されたのです。(※3) さらにキャラクターそのものの設定もデザインしなおしました。 クロノアが一人で風だまを撃てるようになったり、 ロロが巫女の証を再びつけられたり、 チップルに耳が生えたり、 ジョーカーのしっぽがなくなったり、 バルーが大工になってたり(笑)するのはそのためだと思われます。 (レオリナが義賊になったってのもありますがそれは2以降そうなったと考えればつじつまが合いますので…)   そしてそれらの改変を示す意味で出されたのが「ビーチバレー」です。 そのためか公式ページでのキャラ紹介が他よりも詳しくなっています。 1年に3作というハイペースも、この「新生クロノア」をアピールするためと受け取れるでしょう。 「ビーチバレー」で新生キャラクターの紹介をし、 「G2」で「でもゲーム性は変わらないよ」という事を示し、 「ヒーローズ」で新しい世界観をはっきりさせ…てくれるといいなあ(ぉ   もちろん壁を低くするのは相応の危険も伴います。 高い壁を越えて来る事を望んでいたファンにとっては拍子抜けだった事でしょう。 再構築された世界観やキャラクターが好きになれない人もいるでしょう。 古参のファンをないがしろにしたと言えばその通りだと思いますが、 そこはその…現実というか。作品であると同時に商品でもあるゲームの宿命というか。 古いファンを背負っていくよりも新しいファンを拾う方を選んだ。売る側としてはそれだけの事なのでしょう。 この選択がどんな結果を生むのかはこれから見守っていきたいですが。   とりあえず「3」を待ちましょう!   ガンツの声聞きたいから。(笑)  
※1…NiGHTSの発売は96年7月、クロノア1の発売は97年12月。 ※2…NiGHTSの続編はGBA用に開発されていたようですが、結局PSOのおまけゲームになっちゃいました…    クリスマスナイツはシナリオ的には続編ですが、ゲームの内容は体験版といった感じです。 ※3…二人とも急に作られたキャラではなく、旧作の没キャラとして原形が存在していたそうです。    特にガーレンはコミックで早くから登場していましたね。
 余談 クロノアがヒーローを目指すわけ   「1」から見ると今のクロノアは変わりました。随分世間慣れしたように見えます。 特に最近はヒーローに凝っているようです。 最初はそんな事全然なかったのに、何が彼をそうさせたんでしょう。   「1」のクロノアは、普通の男の子でした。少なくともあの冒険を終えるまでは。 ところがあの冒険の中で自分に大きな使命があると教えられました。 でも幼いクロノアにはピンときませんでした。とにかく元の平和な暮らしを取り戻したいがために 一生懸命戦うしかなかったのです。 これが終わればまた普通の男の子として元通り平和に暮らしていけると信じて… しかしその結末は…みなさんご存知のとおりです。   そして「2」。あれから数年経ったのかクロノアは成長していました。身長伸びてますもの。 クロノアはまた何やらわからぬまま冒険に出ました。その結果世界を救ってしまいました。 そのようにいくつかの冒険を繰り返しながら、 そして自分でも認めざるを得なくなったのです。 自分は「普通の」男の子ではないと。   クロノア自身はそんなに強い力を持っているとは思えません。 逆に、リングがなければ何もできないだろ、とすら考えられます。 彼の普通じゃないところは…困ってる人を放っておけない、大切なものを守りたい…その優しさです。 ポプカが言った通り、クロノアはバカです。お人好しです。すぐ乗せられます。 その優しさに「普通の男の子」という器は小さすぎました。 それに気付いた時、クロノアの中に一つの夢が生まれました。   大切な人を助けたい、大切なものを守りたい、そんな想いを実現できる者を「ヒーロー」という。 そうだ。ボクの夢だ。なりたい!ボクはヒーローになりたい!   それ以来クロノアは「ヒーロー」という言葉に敏感になりました…   しかし何分幼さの残る少年。ヒーローの素質はあってもまだまだ未熟です。 ヒーローという言葉を意識するあまり、彼は形からヒーローになろうとしています。(笑) それはちょっと違うぞ、と思うんだけど。    さらに余談 クロノアにとってガンツは…   どうやらガンツはヒーローの証である「ヒーローメダル」を持っているようです。 ガンツがヒーローでなくても、ヒーローになれる強さ、実績は十分あります。そして何よりかっこいい。(笑) つまりクロノアにとっては憧れの存在なはず。 しかしクロノアはガンツの態度が不服です。何故かって、ガンツは悪態ばかりついて 全然ヒーローらしくしてないのです。死神なんて異名までつけられて。 クロノアが想像するヒーローは、強くカッコよく、みんなの人気者〜って感じなのでしょう。 (彼は形からヒーローに入ろうとしてるので) だからガンツを見て「キザで嫌味な奴」と思ったんです。(「でも実際ちょっとかっこい…」とも・笑)   一方のガンツは、言わば「ヒーローという言葉が嫌いなヒーロー」と思います。 自分が死神だと思ってますからね。だからヒーローという言葉に振り回されてるクロノアを見てると 虫酸が走る。「ガキがいきがってんじゃねえ!」と。   「形だけヒーロー」のクロノアと「中身だけヒーロー」のガンツ。 二人が真のヒーローになれる日は来るのか?  
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