ソニアド2のネタバレなのでクリアしてない人は逃げて下さいね↓
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優しい現実
その日、遥か上空に一筋の星が流れた。
しかしその事実に気付く者はいなかった。
なぜなら、この星の住む人々の目が追っていたのは・・・
『スペースコロニー・アーク』
アークが火の玉と化しこの星へ落下してくるのをみんなが見た。
何者かがそれを阻止したのもみんなが見た。
でも、その流星を見た者は誰もいない。
英雄達は誰にも知られる事なく地上へと帰ってきた。
そこで、笑顔で別れた。
ついさっきまで敵同士だった者もいるが、いつかどこかでまた出会う気がしたからだ。
でもそこにいるはずのもう一人の英雄の事は誰も話そうとしなかった。
話せなかったのだ。
ナックルズは帰路についた。
盗まれたマスターエメラルドを神殿に戻し、エンジェルアイランドを再び浮上させるために。
エンジェルアイランドが落下しているミスティックルーインまで帰ってきたが
なんだか騒がしい。何だ?軍のメカのこの数は?
「一般人は立ち入り禁止だ。離れなさい」
「何があったんだ?」
「隕石の調査だ。さあ、邪魔をしないでくれ」
確かに巨大なクレーターができているが、隕石の調査にこれほどガードロボットが要るのだろうか。
と、ナックルズが疑問に思った時、どこか懐かしい音楽が聞こえてきた。
「太古のメロディ?」
ナックルズが音の主を探すと、ルージュが「太古のメロディ」を奏でていた。
「お前が呼んだのか?」
「来ると思ったからね」
「どういうことだ?」
「見たでしょう?」
「あの、隕石の事か?」
「隕石なんかじゃないわ・・・あれは・・・・シャドウよ!」
「何だって!?そ、それじゃ!」
「シッ!・・・シャドウはまだ生きているみたいなの」
「ま、まさか・・・じゃあ軍の連中は?」
「そう・・・シャドウをまた封印するつもりらしいわ」
「そりゃないだろ、あいつはこの星を救ったんだろ!?」
「危険分子には違いないわ・・・」
「そんなバカな!」
「助けるんでしょ?」
「え?」
「だからあんたを呼んだのよ」
「・・・わかった。でもあの数を相手にするのは・・・」
「いい?あたしがあいつらの気を引くから、あんたはその隙に・・・」
ルージュがクレーターの上空を飛んだ。砲撃を巧みにかわしながら
中心を囲むように発煙筒や発光弾をばらまいた。
煙が晴れると、中心にシャドウの姿はなかった。
「イタタ・・・ちょっとしくじっちゃったかしらね。で、あいつどこ行ったのかしら?
・・・きゃっ!?ちょっといきなり出てこないでよ!」
「お前がそこにいるからだろっ!」
「随分遅かったじゃない!どこでサボってたのよ!」
「うるさいな、シャドウ引っぱりながら掘ってくるの大変だったんだぜ」
地面から出てきたナックルズは、続いてシャドウを引っ張り出した。
「お前ケガしてるんじゃないのか?」
「どうって事ないわよ、シャドウに比べたらね。それより早くしないと追っ手が来るわよ」
「よし!」
薄暗い部屋の中で目が覚めた。
「おい、大丈夫か?」
「ここは・・・僕は一体・・・」
「驚いたぜ・・・宇宙から落ちてきたってのにほとんど無傷じゃないか。
究極生命体ってやつはたいしたもんだな」
「君はあの時の・・・君が僕を助けたのか?」
「ああ。ルージュと一緒にな」
「なぜ助けた?」
「なぜってお前、軍の奴らに捕まって封印されるところだったんだぜ。
でも安心しな、この島は空に浮いてるから、奴らも簡単には見つけられないさ」
「僕はこのまま死にたいんだ・・・」
「何言い出すんだよ」
「僕にはもう何も残ってない。からっぽなんだ。そんな状態で永遠に生きるなんて・・・」
「永遠の命・・・か?・・・・・確かに辛いかもしれないけどな・・・
でも永遠の命でも限られた命でも、今この瞬間を生きてる事には変わりないんだ。
生きてるって事はそれだけで凄い事なんだぞ」
「でも僕には生きる理由がない。生きる意味も」
「そんなのこれから見つけりゃいいんだよ」
「・・・じゃあ、君は何のために生きている?」
「俺か?俺はマスターエメラルドを守るのが使命だからな」
「それは誰の命令なんだ?」
「誰の命令でもない・・・俺もよくわからないんだ・・・ただ気がつくとこうしてた」
「理由もわからないまま使命を受け入れるのか?なぜそんな事ができる?」
「信じられないか?」
「・・・」
「信じても信じなくても、真実は一つだ。だったらそれを見極めるために
信じる方に賭けてみたいんだ」
「・・・真実は見えたのか?」
「ああ。俺には守るべきものがある。これが、俺の見つけた真実だ」
「はぁい。元気そうじゃない。ほら、忘れ物!しっかりしてるようで抜けてるんだから」
「ルージュ、僕を助けたのか?」
「助けちゃ悪い?」
「ケガをしたそうだな」
「あんたには関係ないわよ。あたしが自分でドジ踏んじゃっただけ」
「相変わらずだな。それで、大統領から報酬は受け取れたのか」
「まあね。でも今回はもっと大きなもの手に入れたから・・・それに比べたらちっぽけなもんだわ」
「大きなもの・・・カオスエメラルドでも持ち帰ったのか?」
「もうそんなものはまっぴらよ。そんなものより、もっと大事なもの!ま、あんたに言っても
わかんないかもしれないけどね・・・」
「・・・相変わらずだと思ったら、少し変わったようだな」
「あら、あんたにわかるの?」
「それくらいはな。でも一つ聞きたい。ルージュ、君は何のために生きている?」
「もちろんお宝探しよ!とは言っても今までお宝が何なのかすら知らなかったけど・・・
これからは宝石以外にもいいものが手に入りそうなの・・・
必ず見つけだすわ、あたしだけの最高の宝物を・・・」
「何じゃ、生きとったのか。まったくしぶとい連中じゃな、ハリネズミというのは!」
「ドクター・・あなたには守るべきものや探したいものはありますか?」
「あーん?何を言っている?ワシはソニックの奴を叩きのめすだけじゃい!」
「ソニックを?なぜ?」
「お前は知らんだろうがな、ワシとあいつは宿命のライバルなのじゃ!」
「ライバル・・・」
「あいつはワシの素晴らしい計画をことごとく邪魔しおった!
だから今度こそ、あいつを叩きのめし、計画を実現するのじゃ!
というわけだ。ワシは次の計画を立てるために忙しいんでな。
・・・安心せい、もうお前を利用しようなどとは思わん。お前が・・・
今回の事件の一番の犠牲者だと思っとるからな・・・」
「ドクター、あなたを騙し、あんな事態を引き起こした張本人は僕だ!」
「ふん・・責任を感じるのは勝手じゃがな。過去の失敗を引きずっていては明日は来ないぞ?」
「えーっ!!!うっそー!?シャドウじゃない!生きてたのね!」
「君には礼を言わなければならない。君のお陰でマリアの本当の願いを叶える事ができた」
「お礼を言うのはこっちの方よ。この星を守ってくれてありがとう!」
「君もそんな風に言うんだな・・・事件を起こした張本人は、僕なのに・・・」
「でも今こうしてみんな平和に暮らしてる。それだけで十分だと思うよ」
「・・・」
「で、シャドウ今何やってるの?どこに住んでるの?ソニックには会った?」
「僕は今・・・知りたいんだ。君が何のために生きているのか」
「・・言ったでしょ?みんな幸せになろうって頑張ってるんだよ」
「君の幸せとは、何だ?」
「それはもちろんソニックと・・・!って言いたい所だけど、
あいつまたどこか行っちゃったのよねー。でも負けないわ。いつか振り向かせてやるんだから!
それにソニックがいない時だって、遊んだり、おいしいもの食べたり、お買い物したり・・・
こーゆー何気ない日常も、幸せなのかもしれないわね」
「平和・・・か?」
「そ。ねっねっ、シャドウってさー、結構カッコイイから彼女なんかすぐにできちゃうんじゃない?
できたら絶対紹介してよね〜!」
「シャドウ!無事だったんだね!」
「みんな僕を見て嬉しそうな顔をする。まるで恨みや憎しみがないようだな・・・」
「どうして?シャドウはボクたちの仲間じゃないか」
「仲間?この僕が?」
「うん。きっと、みんなそう思ってるよ!」
「なぜだ!なぜみんなを危機にさらした僕を、仲間だと言えるんだ?」
「じゃあ、なぜシャドウはボクのシッポを見て何も言わないの?」
「それは・・・そんなものは取るに足りない事だからだ。もっと大事な事が他にある」
「同じだよ。事件を起こしたのが誰かなんてちっぽけな事なんだ。だから
みんな気にしてないんだよ。大事なのは、シャドウがこの星を守ってくれた事なんだ」
「みんなが・・・本当に僕を許してくれるのか・・・」
「いろいろ大変だったけど、ボク楽しかったよ。スペースコロニーなんて初めてだもん、
すっごい面白かった!ねえ、シャドウはスペースコロニーに住んでたんだよね?
いろんな事教えて欲しいなぁ」
「スペースコロニーに興味があるのか?」
「うん!ボク、機械とか乗り物とか、大好きなんだ」
「それが君の、生きる理由なのか?」
「ボク、ソニックの後ろを走っててわかったんだ。走ってる時のソニックは凄く楽しそうだった。
ボクが辛くて苦しくて、休みたい時でも、ソニックは笑って、走り続けてた。
ソニックは本当に走るのが好きなんだなって・・・
だからボクもソニックの真似をするんじゃなくて、自分の好きな事をやり続けようって思ったんだ」
(・・・ソニック・・・)
「シャドウも走るの、好き?」
「ああ・・そうだな」
「おーい!テイルス!」
「あ、ソニックだ!ちょっと待ってて!」
わかったような気がする。凍り付いていた心が溶けていくように。
「テイルス、トルネードを出していいか?」
「ソニック、また旅に出るの?今度はどこに行くの?」
「さぁな。もう世界中まわったし、宇宙にも行っちまったしな〜。
ナッコーズでも驚かしてやるか、それともエッグマンの研究でもからかってくるか?」
みんなのおかげで僕は新しい世界を手に入れた。今度は僕がみんなを導けるようになりたい。
「エミーは?きっと会いたがってるよ」
「う・・・・エミーは・・・・オレから会いに行かなくても会いそうな気がする・・・
お前はどうするんだ?」
「ボク今新しいマシンのアイデア考えてるんだ。できたら一番にソニックに見せてあげるね!」
「そいつは楽しみだな。出来上がる頃には帰ってくるぜ!じゃあな!」
「あ、待って!!」
僕は今、ここにいる。生きているんだ。みんなと一緒に!
「ソニック!面白いお客さんが来てるんだよ!」
主人公の出番少なーーーー!!
いかがでしたでしょうか。
このお話は、ソニアド2のヴォーカルアルバムのシャドウのテーマの訳詞
「お前は永遠に死ぬ事ができないんだ」
シャドウって不死身なのかー!?と、ここから出てきたもんです。
そうだ、究極生命体が生身で大気圏突入くらいで死ぬはずがない。
それでエンディングの続きを書いてみましたが、本当に続きというだけで、
一つのお話としてまとまりは全くありません。
読んで下さったみなさん、お疲れさまです(おい)
いろいろ詰め込み過ぎましたが、一人ひとりが信念を持って生きてるって事を
書きたかったんです・・・主人公出てないけど・・・
後はシャドウくんにもっと世界を広げて欲しかったんです。
どうも彼の世界は自分とマリアだけの世界のようなので・・・
マリアはきっと君の幸せを祈ってるよ。君はマリアの分も生きなきゃダメだ。それに
「僕が死んだら世界中のレディが悲しむからな」。
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