あさねこのベトナムぐうたら滞在記
2004年12月21日〜31日

年末のめっちゃ忙しい中、11日間旦那と二人きりでベトナムへと行くことになりました。

本当は旦那一人で行くはずだったのだけど、旦那のたてた計画(航空券だけとって後は適当に安宿に泊る。要はバックパッカー)を聞いて、親が「いい年して危なっかしいことはやめてくれ」と怒ったからで。それで仕方なく私がお目付役として同行することとなりました。
そのために私は年末の忙しい仕事をすべて繰り上げたりキャンセルしたりして、旦那に同行することになりました。
ホテルは安宿から中級ホテルにランクアップしてもらったけど、あとは航空券とっただけで、現地ガイドもなし。ろくに英語もベトナム語もしゃべれない私で大丈夫なのかしらん。

というわけで暖冬の名古屋をあとにベトナムへと出発〜。

12月21日(1日目)

二人が空港で預けた荷物は、小さいソフトケースとボストンバックだけ。11日間二人分の荷物としては、あまりにも少なくて粗末です。その反対に機内に持ち込んだ荷物はというと、旦那がバカみたいにデイバックに詰めこんだカメラ10数台とフイルム60本。
X 線チェックの際、フイルムがダメにならないように、いちいち検査員にハンドチェックでの検査をお願いしている旦那。その度に延々待たされてる私…。カメラと私とどっちが大事なのだあ。

名古屋出発後はソウル経由でホーチミンへ。
ソウルでは4時間のトランジットがあるので空港内をうろうろ。やっぱりあちこちヨン様だらけでした。インターネットコーナーがあったのでそこでヒマ潰ししてました。1時間で1000円くらいだったかな。

ようやくホーチミン行きが出発。
「ソウル経由のホーチミン行きは荷物の積み忘れがたまにある」という噂を聞いてたので、ちょっと心配…。
空から見えた台湾の夜景はクリスマスのイルミネーションのように綺麗でした。

6時間の空路の後ようやくホーチミンに到着!
機内で記入した入国カードにミスが無いかな〜と心配しつつ、入国審査へ。社会主義国らしく、恐そうな兄ちゃんがこっちをにらんでます。ずいぶん時間かけてパスポートなどをチェックして無事通過。
荷物を受け取りにいったら、ちゃんと荷物が届いてました〜。よかったv

荷物を持って一度税関をくぐり外に出たら、トイレに行きたくなったのだけどどこにもトイレがなく、係員に聞いたら税関の中にあるとのこと。仕方なく戻ってトイレに入り、出ようとしたら係員に呼び止められました。税関を通れとのこと。「さっき税関は通った。私達はトイレに行っただけ」と言ってみましたが「ダメ」の一点張り。やっぱお堅いです。
無駄に2度も税関を通り、やっと空港の外に出ました。

私達を待ち受けてたのは、
とにかくすっげえ人だかり!
真夜中の到着便のはずなのに、すっごい数のベトナム人に取り囲まれてしまいました。この人達は本当に誰かのお迎えに来てるのか、それともただの見物に来てるだけなのか、なんなのか分んない。
うわ〜と思いつつ、その中から旦那が現地で頼んでおいたはずの運転手さんを探します。そしたら人の良さそうなおじさんが、うちの旦那の名前を書いた紙を持って待っておりました。
なんだか地獄に仏のような気分…。向こうも気付いてニコニコと荷物を持って空港からえっらく離れたところに止めたワゴンへと連れてってくれました。
色々話し掛けてみたんだけど、英語はぜんぜん通じないらしいので、そのまま乗り込みホテルへ出発。夜のホーチミンへと向ってワゴンは走ります。

走ってるうちにふと気付いたんだけど
交差点に信号が全くない…
なんで??と思うけど、どんな大きな交差点にもやっぱり信号がない。
夜中だから交通量は少ないけど、車やバイクが交差する度、お互いがクラクションを鳴らしまくりぶつかりもせず通りすぎている…。これが昼間になったらいったいどうなるんだろうかと想像するとコワイ。

空港から車で30分くらいでホテルに到着しました。
旦那がネットで予約しておいたホテルは、ホーチミンのメイン通りとなるドンコイ通りに面した中級クラスの「ポンセンホテル」でした。
チェックインの時、フロントの兄ちゃんが早口の英語でぺらぺらしゃべるので、何言ってるのか全然分んねえよ…。どの部屋にするか聞いてるようなので「一番いい部屋でツインで禁煙」とお願いする。ついでに最終日のレイトチェックアウトもお願いしておく。

いざ部屋に入ってみるとすごく広くて確かにいい部屋だったけどカーテンを開けてみたら他の部屋の窓と室外機しか見えない…。ぜんぜんいい部屋じゃな〜い!
ということでフロントに行ってルームチェンジをお願いしたんだけど、眺めのいい部屋は今いっぱいなので、空き次第変更するとのことで、とりあえず諦めることにしました。ホテルのHPには「デラックスルームはバルコニービューです」って書いてあったのにな…。
でもこのホテル、客室のうちで眺めのいい部屋は2割くらいしかないらしい。他の部屋は壁か窓しか見えない部屋ばかり。スタンダードルームになると窓のない部屋もあるようで。防火法というのはベトナムにはないのか…。

とりあえず荷物を置いて、フロントでUSドルをベトナムの通貨に両替えしてもらいました。ベトナムの通貨はドン(100ドン=0.7円)。日本とはだいたい2桁は違います。インフレのためこうなっちゃうようで1万円札を両替なんかしたら、すんごいお札が分厚くなってしまうのだ。なので2千円くらいを両替。それでもすごいお札の量。

ドン札を持ってホテルを出て、とりあえず近所を散歩することに。さすがに深夜2時頃になってたので人通りはない…。たまに路上にたむろしてる(ていうか寝てる)人が声をかけてくるのを無視ししつつ散歩。
途中でフランスパンに野菜やハムやレバーペーストをはさんだベトナム式サンドイッチ「バインミー」の屋台があったので旦那が一つ購入。いきなり屋台のメシ食うのかよ…。しかも生野菜はいってるし。ベトナムで生野菜を食べると寄生虫がうつるので食うなとガイドブックには書いてあるのになー。それから一件だけあいてた雑貨屋でビールとコーラを買ってホテルに帰りました。疲れたので熟睡。

 ホテルの外。

12月22日(2日目)

朝食は宿泊代込みになってたので、ホテルで優雅にいただくことが出来ました。貧乏旅行なので朝食だけでもホテルで食べられるのは有り難いです。朝っぱらからベトナムうどんの「フォー」を食べれて満足です。
フォーは米で出来た麺をスープに入れて食べるんだけど、その時に野菜や肉の他に香草やしぼったライム、甘いみそ、辛いみそをみんな放り込んでぐちゃぐちゃにかきまぜて食べるものです。そうすると味が甘くて辛くてすっぱくなります。それがとっても美味しいのであります(人に説明すると、まずそう〜って言われちゃいますが)。

今日はサイゴン川を見に行こうと歩いてホテルを出ました。
昼間のドンコイ通りは夜と違ってえらいことになってました。すげえ量のバイクにシクロ(自転車の前に客席をつけた乗り物)だらけ…。
道路にも座ってる人、御飯食べてる人、寝てる人、何やってるのか分らない人だらけ。
とりあえず歩き出すと、路上に座り込んでる人達にじろじろ見られるし、バイクやシクロの兄ちゃんがうるさいくらい声かけてきて、しかもしつこいです。私達が歩く方向にいつまでもついて話し掛けてくるし。観光客ってあちこちを見てまわるもんだと思ってたけど、反対にじろじろ見られるものでもあるんだね…。
ベトナムのバイクやシクロはぼったくりが多いそうなので、完全無視をきめこんでたら、脈なしとみてみんな離れていきました。

サイゴン川へ行こうとしたら、目の前に片道3車線ある、大通りにぶつかりました。しかもすごい交通量でバイクやトラックが川のように流れていきます。それなのに、
どこを見ても信号が全くない…
昨日の夜に気がついたように、ベトナムの道路には信号がないのだ。たまにあるけどほとんど守られていないし。道路の向こうにサイゴン川があるのに、とにかくここを横断しないことには向こうへは行けないということのようで。
どうしようかと思いつつ、とにかく道路を横断することにしました。
超こええ〜〜!
もうスレスレのところに車やバイクが通りすぎていくし、みんな私らにつっこんでくるしクラクションの音すごいし。命がけで道路を横断だよ…。この有名な「恐怖のベトナムの道路横断」には最初はとまどったものの、そのうちコツが分ってきました。それは
あくまで歩行者優先と思い込むこと
でありました。躊躇したり、タイミングをみはからってるといつまでたっても渡れないので、車が来ようがバイクがとばしてようが、全く気にせず道路にふみだしそのまま堂々と速度をかえず渡りきることです。もちろんぶつかりそうになるし、めちゃくちゃクラクション鳴らされるけど、下手によけたりするとかえって危なかったりするので、それが一番のようです。堂々としてたら、向こうが少しだけスピードを落としてくれるのであります。はは…。

やっとサイゴン川に着き、川のほとりのカフェでビールを飲みくつろぎます。(ベトナムのビールは「333」と書いて「バーバーバー」と読むものが一番有名でかつ安い)。
サイゴン川の向こうは日本企業の看板だらけ。川の水は泥水のようでたまに渡し船や荷物輸送の船やらが行き交います。
ベンチにはアベックがいちゃいちゃしつつそんな風景を見てるようで(いや全く見て無いだろう)。

二人ともそこでまたもトイレにいきたくなり、カフェの裏にあった公衆トイレに入ることにしました。
ベトナムの公衆トイレはたいてい有料で、入口におばちゃんがいて500ドン(3.5円)を渡すとちり紙を少しだけ貰って中に入ることが出来ます。

で、はじめてベトナム公衆トイレに入ったのはいいんだけど…
超汚ねえええ〜〜!!
今までウン十年生きてきたなかで、一番汚いトイレに入っちゃったよお…。どうやったらここまで壊せるのかってくらい便器は壊れてて便座もないし、水なんか出るわけないし。有料なんだったら掃除くらいしてくれよお!
でも仕方ないので用は足すのであります。便器にふれないように用を足すのは至難の技です。ベトナムのトイレ事情は覚悟してたけどなあ…。

あとは生活用品を買いに歩いてスーパーマーケットへ出かけます。
ホテルから歩いて20分くらいのとこにある「サイゴンスクエア」が品揃えも良いし安いのでベトナムにいる間は何度となく行きました。買ったものはまずビール(笑)、水、つまみになるお菓子に化粧クリームや洗顔用品やら(そんなの持ってこいよ)。
生鮮食品のコーナーには色々売ってて面白いんだけど、パックに入ったウジ虫にはちょっとげんなり…。
昼食は近くの「フォー24」でフォーと生春巻きを食べます。ここは新しいチェーン店なようであちこちに見かけるんだけど、値段は安いのに店内はびっくりするほど清潔でおどろきますです。二人で食べて飲んで500円くらいでした。

あとは近所を散策。本屋兼文房具屋に入り、20円でノートを買って、このノートにベトナムにいる間は旅日記をつけたのでした。お店の中には日本のキャラクターグッズがいっぱい。ドラゴンボールやナルトのフィギュアがたくさん置いてありました。日本の特撮もののおもちゃもあり、ハリケンと龍騎が今は人気のようでした(今頃放映してるのか?)。

この頃は乾季ですごしやすい季節とはいえ、日中は暑くて暑くて散歩もきつくなってきたので、アイスクリーム屋さんで休憩することに。
ベトナムではアイスクリームは「ケム」といいます。なぜかどのアイスにも小さなマッチで作ったような可愛い番傘がささってます。大きなパフェを食べても140円くらいなので毎日食べてました。

昼寝したあと、夕食にカラベルホテルの「サイゴンサイゴンバー」へ行きます。ここは眺めがいいことで有名なバーであります。噂通りにほんとに眺めがいい!しかもミニスカのサンタ衣裳のベトナミーナちゃん(ベトナムのお姉ちゃんのこと。勝手に私らはこう呼んでいた)がサービスしてくれました。フィリピン人のバンドが「ラストクリスマス」を演奏してます。とてもいい雰囲気でした。ビールを飲み、生春巻きなどをいただきました。ここでの勘定は多少割高で二人で2000円くらい。

帰りにグエンフエ通りの方を酔い覚ましに歩きながら路上のカフェに立ち寄ります。紅茶が飲みたかったので「tea please」と頼むと、ウーロン茶が出てきてしまいました。ベトナムで紅茶を飲もうと思ったら「リプトン」と言わないとどうも通じないようです。仕方なく苦いウーロン茶を飲みました。

 とにかくバイクが多い…。

12月23日(3日目)

今日はタクシーに乗ってベンタイン市場へ行くことにしました。ベトナムのタクシーはとにかくぼったくりとトラブルはつきものらしいので、あらかじめ下調べしておいた「マイリンタクシー」「ビナタクシー」の二社オンリーに乗ることに決めてました。
だけど見つかるタクシーは悪評高いサイ○ンタクシーばかり…。やっとマイリンタクシーを見つけて出発。タクシーの運ちゃんはあまり英語が通じないらしいので、紙にベトナム語で「ベンタイン市場へ行きたい」と書いて渡します。
ベトナム語は発音が中国語のように難しいので、ベトナム語の本に書いてある通りに読んでみても大抵は通じないのであります。だからこういう時は紙に書いて渡した方が無難なようです。

ベンタイン市場に到着し、とりあえずお土産もの探しに奔走します。
この市場はホーチミンで一番大きい市場で、どちらかというと観光客の多い市場なのでけっこう英語、日本語が通じたりします。スリに気をつけつつ、中に入ると広い!ごちゃごちゃ!でも珍しいもの、面白そうなものだらけでもう夢中になってしまいました。

日本人相手だと大概が市価の何倍もの値段をふっかけられるので、根気よく値段交渉していきます。欲しかったビーズ製品や可愛い刺繍のはいったミュールやバッグ、どんどん値切り倒して買っていきます。

一通り買い物がすんだところで、突然3人の若いベトナミーナちゃんにつかまり、店にひっぱられてしまいました。3人が可愛いTシャツを次々見せるので、まあ買ってもいいか…と思って値段を聞くと、なんとシャツ3枚で7000円くらいだと言うじゃありませんかー!!ぼったくりにしてもほどがあるよ!!(隣の店でシャツ1枚200円で買ったばかりなんだよ)
さすがに頭に血がのぼった私は
「話になんねー!!(←すでに日本語)
とどなって店を出たのであります。そしたらベトナミーナちゃん達は「いくらなら買うのお〜〜」と半泣きでとりすがってきました。
ベトナムの女は泣くのが上手い
とは聞いていたので、そんなもん通用するかーと思って「3枚で1000円なら買うけど」と言ったら、3人は大騒ぎ。「そんなの赤字よおー、大変よおー」と言ってまた泣く。「じゃ帰る」と言ったらまたとりすがり「じゃあ、二人の間をとって4000円にしようよおー」と言ってくる。このやりとりを30分はしてたでしょうか…。結局向こうがおれて1000円くらいでシャツを買うことが決まりました(これでもぼったくられてたりしてね)。
戦いに負けたベトナミーナちゃんは、私の旦那が市場で買って袋に入れて持ってたマンゴスチン(果物)を見つけて「あー、私これ好きなんだ。一個ちょうだいー!」と勝手にとって持っていってしまいました。でもその仕種がすごく可愛いかったので「いいよ、あげる」って言ったらすごく嬉しそうにしてました。あなどれないんだけどなんか憎めないんだよね…。最後は仲良くみんなで写真撮って別れました。やたらエキサイトしたけど楽しかったです。

またもまたもトイレにいきたくなったので、市場のトイレを利用しました(トイレの話ばっかで失礼)。500ドン払って中に入って、私は目を疑いました。
なんで洗面所で用を足してるんだよー!!!
中のトイレが一杯なのかと思ったらそういうわけでもない。個室はちゃんと空いてるのに、洗面所やらそこいらで勝手にみんな用を足しているのであります。おばちゃんだけかと思ったら、まだ若い子もそうです。噂には聞いてたんだけど…。さすがにびっくりしました。
洗面所では用を足したあとの床を洗面器で水を流してたり、下半身を水で流してたり、頭洗ってたり、洗濯してたり。うわあ、やっぱり私はここでは異邦人だよおーーーー。

市場を出たらお腹がすいたので、市場近くの「フォー2000」に入ります。ここはフォーの専門店で地元の人よりは欧米人の方が多いでしょうか。旦那はフォーを頼み、私はベトナム風シチューを頼みます。美味しいんだけどやたらハエが多いのが気になりますです。それと欧米人がやたら「パーン!!」と爆竹のようなでかい音をたてておしぼり袋を破くのがえらく気になりました。もうちょっと静かに出来んのかー。

近くを散歩してたら公園で何かのCMかドラマのロケをやってたようなので、野次馬にまぎれて一緒に見てました。ベンチでカップルがなにやら愛をささやいている様子。でも会話はそこそこに、イキナリ歌を歌い出しちゃうんだよなあ。女優さんは色白で日本のアイドルみたいに可愛いんだけど、男優さんの方は20年前のトレンディ俳優(死語)か…と思うような髪型に服装なのでありました。確かにベトナムは女の子はオシャレで可愛いけど、男の子はまだちょっとオシャレ度が足りないような感じではあります。

途中でカフェに立ち寄ったら、テーブルの上がなんと蟻だらけでした。綺麗にテーブルクロスひいてあるのに…。できるだけテーブルに手をつかないようにしてコーラを飲んで店を出ました。ああびっくりした。

帰りにホテルまでタクシーに乗ったら、運ちゃんが見事にホテルを間違えてくれてまったく違うホテルに連れてってくれました。ベトナム語でホテルの住所まで書いた紙を見せたんですが。「ちがーう!」とつい怒ってしまいましたが、「ソリー」と何度も謝ってたのでそう怒ることなかったかな…。

夕方になったらフロントの人が「今、眺めのいい部屋が空きましたよー」と教えてくれたので、急いで荷物を抱えて、お部屋変えをしました。
今度の部屋はドンコイ通りが良く見える、とても快適な部屋だったので大満足でした。賑やかな通りがベランダから眺められていい気分です。

スーパーにまたビールを買いに行き、帰りにタイガービールのレストランがビルの地下にあったので、立ち寄って肉を食べました。ビールも安かったです。
ほろ酔いで歩いてたら、道路沿いの公園にすごい素敵なオープンカフェがあるではありませんか。クリスマスイルミネーションがしてあるドンコイ通りに向って椅子がしつらえてあり、ベトナムの男の子達がテキパキ働いております。やっぱり可愛い番傘の飾りのついたパフェを頼んでしばらく雰囲気にひたりました。

ぼんやり通りを眺めていると、通りはもうバイクだらけ。すっごい渋滞してるし、しかも一台のバイクに4人も5人も乗っている。家族が全員で一台のバイクに乗って走ってたりするわけです。小さい子なんか立ったまんま乗ってたりするし、ちょっとバランスくずしたらみんなひっくり返ってえらいことになりそうなんだけど。信号のない交差点を、そんな危なっかしいバイクがばんばんとばしてクラクション鳴らしまくって走ってるわけで。よく事故にならないなーと感心してしまいます。クリスマス前のせいか子どもにサンタさんの服を着せて走ってるのをよく見かけました。どこかに行くというより家族でただ走るのを楽しんでいるという感じで、なんだか楽しそうだなーと思って見てました。

ホテルの新しいお部屋は眺めはいいんだけど、ダブルベットだったのが唯一の難点でした。寝相の悪い二人が一緒に眠れるわけがない。結局私が床にマットしいて寝ておりました。ムードなんてナイ。

 市場はカラフル。

12月24日(4日目)

帰りの日本への航空券のリコンファーム(予約確認)をまだすませてなかったので、直接アシアナ航空の事務所へ行って手続きをすませました(パッケージツアーだったら旅行会社がやってくれるのに…)。英語の上手なコリアン兄ちゃんがテキパキと手続きをしてくれます。

事務所のあったビルはダイヤモンドプラザといって高級デパートになってたのでついでに覗いてみたら、すっげー高えーー!!日本のデパートとそう変わらないやん!市場で買い物をする庶民もいれば、こんな高級デパートで買い物するエグゼクティブもいるわけだね。買い物はせずにフードコートでビールだけ飲んで出ました。

旦那がホーチミンで一番プリンの美味しいと言われる店に行きたいというので、つきあって探しました。でも何故か歩いても歩いても見つからない…。通りを一本間違えてたようで、暑い炎天下でえんえん歩かされてしまいました。もうへとへと。
やっとプリンの美味しいという「キムタイン」につきました。小さなオープンカフェでしたがプリンはとても美味しかったです。ついプリンの一気食いしてしまいました。

お腹がすいたので、近くにオープンな食堂があったので入ってみました。でもメニューを見たらベトナム語でしか書いてない…。ぜんぜん分んねー。英語も書いてないとなるとちょっとツライです。仕方なく適当にセットメニューらしきものを頼んだら山のように料理が運ばれてきてしまいました。御飯はまるで洗面器くらいでかい桶にてんこもりされてるし。とてもじゃないけど二人では食べられない。周りを見渡すと、どのテーブルもそんなような感じだったのでここはそういう店なんだ…と諦めて食べはじめました。もちろん全部食べれませんでしたよ。ビール飲んで山ほど食べて二人で700円くらいの勘定でした。

ベトナムに来たからには絶対に
「アオザイをオーダーメイドで作るんだ!」
と、決めていたので、アオザイのブティックを探しました。やっぱベトナムといえばアオザイよねvvv
ホテルや街でアオザイ姿のベトナミーナ達を見てると、風に上着の裾をひらひらとはためかせ、白いパンツ姿でさっそうと歩いている姿は、とてもカッコイイです。

サイゴンツーリストプラザ(国営百貨店)の中の「ヴィエッタン」という店が安くて良心的と聞いてたので、そこを探そうとしたんだけど、見つからない…。プラザの中の店員に聞いてみるけど、英語が通じないのでさっぱり分らない。国営なので警備の女性が軍人さんのようでとても恐かったです。さんざん歩き回ってやっと見つけました。

まずデザインを選び、あとは生地を決めて採寸をします。シンプルなのがよかったので上着はチャイナ風の衿に刺繍も全くない青い無地の生地を選びました。パンツは白に。ベトナムでは若い子は白のパンツ、年輩の女性は黒をはくものらしいけど、最近はどっちでもいいみたいです。
採寸の時に色々と細かいことを聞かれるんだけど、英語なので何聞かれてるのか全然分んねー。こみいった話は良く分らないので旦那を呼びつけて通訳してもらうのでありました。あとで「あの程度の英語ぐらい分るだろうが!」と旦那に怒られましたが、中学1年生程度の英語力の私には無理です。
明日出来るというので楽しみに店を出ました。

夕方になって旦那が足が疲れたので、フットマッサージへ行くと言い出しました。ホテルを出たらちょうど私達が行こうとしてたマッサージ店のカードを配ってる、アオザイ姿の女の子がいたので店まで案内してもらいました。後ろから見るベトナミーナちゃんは、なんとスリムで小さくて可愛いんでしょうね…。

案内されて到着したビルは古く、中に入ると薄暗くお香の匂いがたちこめていて、なんとなくアヤシイ雰囲気。大丈夫なんだろうかと思いつつビルの奥へ奥へと通されます。上の階まで上がると、リクライニングソファーがずらりならんだ部屋に通され、そこでマッサージをうけます。
私もすすめられたんだけど、私は他の人に足の裏を触られるということ自体がくすぐったくて嫌なので断りました。旦那がマッサージうけてる間はヒマなので、お茶を飲みながら中の様子を観察してました。
マッサージ師さんはみんな何故か若いスリムな女の子ばっかり。しかもスリット入りの黒のミニスカはいてるので、キレイな足が丸出しでした。男のマッサージ師さんはいないのだなあ。一人だけ若い兄ちゃん(ベトナムではめずらしくロン毛だった)がいたけど、雑用係らしく洗面器とかタオルとかを片付けてるだけでした。

やっと旦那のマッサージが終ったようなので、担当してた女の子に話し掛けてみました。「この仕事は長いの?たいへん?」と聞くと「ちょっとだけツライよ」と言って、指に出来たびっくりするほどでっかいタコを見せてくれました。やっぱり大変そう。
ベトナムのフットマッサージは、規定料金の他に担当の子にチップを客の満足度で渡すことが決まりになってます。相場より少しだけ高いチップを渡したら喜んで「また絶対来てね。私は16番よ。この番号を忘れないで。」って言ってました。名前を聞きたかったんだけどな。

夕食の時間になったので、またもや旦那に連れられて国営のビアガーデン行きました。
ここは安い、旨いということで地元の人に人気のとこらしいのですが、ベトナムの軍が経営してるビアガーデンなので給仕さんもみんな軍人なのであります。だからなんだか恐い…。特に女の給仕さんが恐い。英語通じないしっていうか、こっちの下手くそな英語を理解しようという気がさらさらないらしい。コーラを注文しても「ない」と冷たく言われてしまう。でも他のテーブルにはちゃんとコーラは出されてるんだよ。ううう…。でも料理はほんとに安くて旨かったです。ヤギ肉や揚げ春巻きを食べました。すごく地元の人たちで繁盛してるようでした。

クリスマスイブの夜だったので、マリア教会の周辺をうろうろしていたら、一人の少女が花を売りにきたのでした。ホーチミンの街は物売りが多くて、街を歩いていても食堂で御飯を食べていてもやって来て、黙って品物を差し出してきますが、しばらく無視しているとどこかへ行ってしまいます。でもこの少女は、無表情で黙ったまま、一輪の薔薇の花を私の前に差し出し微動だにしません。私の周りには他の物売りが沢山いるので、何かを買うと他の物売り達もわいわい集まってきてしまってとても面倒なことになるので、その少女をシカトすることに決めました。それでも私達が歩き出すと一緒になってどこまでも無言でついてきてしまう…。小学校の制服らしき服を着ていて身なりも髪もきちんと整えられている少女だったんだけど、夜中の11時くらいに一人きりで花売りをやってるんだなあ…。困ったなあ…と思ってるうちに雑踏にまぎれて、その少女はどこかへ行ってしまいました。子どもらしさのない冷たい表情でいつまでもついてきていた女の子が、なんとなく忘れられませんです。

ホテルの外は夜遅くまですごく賑やかだったんだけど、疲れたので熟睡。

 賑やかなドンコイ通り。 

12月25日(5日目)

タクシーに乗って、少し離れたフォングーラオの街へと出かけました。
ここはバックパッカー御用達の街で、一晩10ドルくらいで泊れる安ホテルがたくさんある所です。旦那は当初ここの安ホテルに宿泊する予定なのでありました。

この街には「シンカフェ」っていうやっぱりバックパッカー御用達のツアー会社があります。ここのツアーはとにかく安いのであります。日本のツアーだと一日で60ドルするような「メコンデルタ一日ツアー」がたった7ドル。やすーい。それで、そのツアーを予約するために来たのであります。27日出発のツアーを予約しました。
ついでにフォングーラオの街を色々と散策。このあたりは世界中からベトナムに来てる外人がとても多いです。欧米人の姿をよく見かけます。時々一人旅をしてるらしき日本人の男性も見かけます。いかにも世界中を歩き回ってる旅慣れてそうな人が多いです。
英語も上手そうです。
特に旅なれてるわけではないし英語も下手な私は少々コンプレックス感じるですー。

このあたりは路地裏も多く、カメラを持って散策するには楽しいところだったので、ひたすらうろうろ…。あちこちに勝手に入り込み写真のとりまくり。子供達が遊んでる姿は万国共通なようでほほえましいのであります。

昼食に路地裏にある小さなレストランに入ります。ここは客席と厨房が道路をはさんで反対どうしにあるらしく、オーダーをとると給仕さんは道路向こうの厨房へと走って料理をとりにいっておりました。晴れてる日はいいんだけど雨の日はどうするんだろう…。しかも道路には車やバイク走ってるし。なんだか見てる方がヒヤヒヤする店でした。
旦那がついうっかり沖縄名物「タコライス」がメニューにあったので注文してみました。するとタコライスとは似て非なる得体のしれないものが出てきてしまい、しかもマズイ。普通にベトナム料理を頼んでおけばハズレはないのにね。

昨日オーダーメイドしたアオザイが出来たようなので、喜びいさんで受け取りに行きました。試着してみるとなんかユルイ…。体にぴったりにしてと頼んだはずだったのに、やっぱり私の下手な英語は通じてなかったようです。仕方ないので手直ししてもらいました。それでもちょっとユルめだったかな。

夕食に旦那に連れられて(こればっかだね)、フエ料理を食べに行きました。フエ料理とは、日本で言えば京都の懐石料理みたいなもんで、ちょっと上品な感じの宮廷料理なのであります。
汚い路地裏に入り込むと、え?こんなとこに?って感じの上品な店がありました。客は私達の他にいないらしく、3人のウエイターさんが取り囲む中で二人で黙々と食事をいたしました。とても料理は美味しかったんだけど、ここまで注目されるとかなり緊張して喉を通りませんです。はい。ここの勘定はやはり割高で二人で3000円くらい。

夕食後、せっかく出来たアオザイを着て街を歩こう!ということになりました。嬉々としてアオザイを着てホテルを出る私。私ったらまるでベトナム娘になったみたい??と喜んでたら、
通りすがりのみんなが笑ってる。
ええええ、どういうこと???何かヘン??ベトナム娘に見えない??
とにかく通りすがりのベトナム人がみんな私を見て笑ってるわけです。
何がどう変なのか分んないけど、旦那は大笑いしながら「アメリカ娘が日本の浴衣着て、うれしそーに歩いてるような感じに見えるんじゃないのか」…って…。
やっぱりどう見ても私は日本人にしか見えないわけなので、日本人な私がアオザイ着て歩いてるってことが可笑しいんでしょうかあ〜〜。
そのまま物笑いの種になりつつドンコイ通りから市民劇場へと歩きます。市民劇場の前の特設ステージでクリスマスイベントをやってるので旦那と立って見てたら、やっぱり周りから注目をあびてしまう。どこかの子ども連れのお母さんが私の側に来て「カワイイネー(←日本語)」って言って、自分の娘にわざわざ私を見せるのであります。私なんか見てないでステージの出し物でも見てろよお!!
あまりの視線に耐えられず、劇場裏のカフェへ逃げ込みました。旦那はウケて大笑いしてるし、もうサイアクー!!

そのままホテルに帰り、ふて寝しました。ついうっかりエアコンかけたまんま寝てしまったことにも気付かずに…。

 笑われたアオザイ女。

12月26日(6日目)

エアコンをかけっぱなしで寝てしまったので、朝から喉が痛い、体がだるい…。ベトナムに来てからはじめて体が不調になってることに気付きました。

とはいえ寝てるのももったいないので、今日は車で30分くらいのチョロンの街へ出かけます。ここは映画「ラマン」の舞台となった街らしく(映画見てないからよく知らん)、中国人の街のようです。

まずビンタン市場へと行ってみます。もうお土産の買い物はすんでるので、ただ見物に行っただけなんですが、ここはホーチミンのベンタイン市場とは違い、あんまり観光客がいません。なので私達は入っていっても全く呼び込みされないどころか「じゃまだ!」「どけどけ!」らしきことを言われ、思いっきりただの邪魔ものとなっておりました。客引きされすぎるのも面倒だけど、あまり邪魔扱いされるのも少々寂しいもんで…。

ごちゃごちゃと歩きにくい道を歩き、チョロンの街を観光します。「チャタム教会」を見に行くと、中国人街の教会らしくなんだかごっつう派手な感じ。はりぼてのクリスマスディスプレイもありましたが、それがあまりにもいい加減な感じで笑えました。教会では二組くらい結婚式をしておりました。

そのあとは中国人街の「オンボン寺」や「ギアアンホイクン寺」「クアンナム寺」などを地図を見ながら巡ります。寺の中はうずまき状の線香が天井にいっぱい吊るされていて、全部に火がついて煙りを出しているもんだからけむいけむい…。目があけていられないような状態の中でベトナム人達はお参りをしてました。お参りのルールがいまいち分らなかったので見学だけにとどめておきました。

疲れたので昼食に近くのレストランに入ります。メニューに分かりやすく調理材料のイラストが書いてあったんですが、その中にはヘビやらウツボやら得体のしれないものがいっぱい…。レストランの入口に猿が檻に入れてあったんですが、それも調理材料なのではないかと疑ってしまいそうです。

帰りにレックスホテルの前の「ケムバクダン」でアイスを食べたのでありますが、このあたりから体調がほんとに悪くなってることに気付き、ホテルに帰って熱をはかってみたら、
熱出てるじゃん…。
調子悪いわけだよ…。仕方なくその日はホテルで寝込みました。

明日はメコンデルタ一日ツアーを予約しておいたはずなんだけど、ツアーはバスで一日がかりの行程だし、途中けっこう歩いたり船にのってジャングルクルーズをしたりと少々ハードなものだったので、どうしようか悩んだんだけど、結局キャンセルすることにしましたです。

その夜、ホテルで休みながらテレビを見ていたら、インド洋で大地震があって、大津波がおこり大惨事になってるとのことでびっくりしてしまいました。あわてて家に電話して、ベトナムは何も被害ないから大丈夫だよ、と伝えました。何も私たちがベトナムに来てる時にそんな大地震がこなくてもいいのになあ…。

12月27日(7日目)

熱がまだ少しあるので、今日は休息日と決めて、ゆっくりすることにしました。

昼頃になって、先日行った店とは違うフットマッサージの店へ行ってみます。今度の店は香港式のフットマッサージで綺麗なショッピングビルの中にありました。やっぱりここも若い女の子がマッサージをしてくれるのであります。他に客はおらず、のんびりマッサージ用のソファーで寝てました。

終ったあと、ビルのフードコートに行ってみると、屋台風のお店がたくさん出ていて、どれも美味しそうだったので食べていくことにしました。ビルや近所のお店で働いてるベトナミーナ達がお食事してましたね。あったかいお豆腐入りのお鍋を食べて風邪が治りそうでありました。

昼食食べてからはひたすら寝てばっか。

夕方には熱が下がってたので、有名なベトナムお好み焼きのお店の「46Aバインセオ」へ行ってみました。せまい路地の中の屋台のようなお店だったけど、すごい繁盛していて大にぎわい。ベトナムお好み焼きのバインセオをとりあえず頼んでみたら、でかい…。量が多すぎて食べきれないのであります。でも美味しかったです。
食べ終えて店を出ようとしたら、二人の日本人女性に「写真撮って下さい」と頼まれました。おお!!すっごい久しぶりに日本語で話し掛けられたよ!こっちに来てからは旦那としかまともな会話が出来なかったので、なんだか嬉しかったです。二人は明日にはカンボジアへと行くそうでした。

 

12月28日(8日目)

熱はようやく下がったようなので、メコンデルタツアーは諦めたものの、少しくらいは観光らしいことをするかと、ホーチミンの観光名所を歩いてみました。

統一会堂へと行ってみたけど、門前には警備員がいて今日は中には入れないとのこと。入口で写真を撮るだけにしときました。

統一会堂近くの公園に、露店がたくさん出てお祭りのようだったので覗いてみました。
色々ジャンクフードが売ってたり、日本の漫画が売ってたりされてました。まあ海賊版なんだけど無理矢理反転させて左開きにしてベトナム語にされてる「ナルト」「ガラスの仮面」「コナン」なんかがありました。ベトナムの女子高生が一生懸命どの本にしようか吟味してるのが面白かったです。
他にもベトナムの子が描いた漫画やイラストなんかも展示されていて、日本の子が描くものとそう変わらないんだなあ。日本のオタク文化はこんなところにも垂れ流されているんだな…。

 海賊版がいっぱい。

あとはマリア教会を見て、ホーチミンの郵便局を見て、サイゴン駅まで足をのばしてみます。
駅の構内はそこいらじゅうでベトナム人達が寝転んで列車が来るのを待ってました。駅の行き先表示などには全く英語はなく、これはガイド無しでは分らん…ということで列車は乗りませんでした。

駅周辺を散策してると、何かの肉を売ってる屋台がある…。よく見てみるとこれは、
ワンワンの肉だあああ〜〜〜!
えーん、ワンワンがああ〜〜北京ダックのように吊るされてるよお…。
さすがにこの写真は撮れませんでした。ううう。

フォングーラオの写真をもう一度撮りたいと旦那が言うので、またフォングーラオまで行きます。
道路に面したカフェでくつろいでいると、いきなり目の前に靴磨きの少年が現われたのでした。靴をみがきたそうでしたが、あいにく私も旦那もスニーカーを履いていたため、断るとどこかへ行ってしまいました。しばらくしたら、カフェの他の欧米人の客から靴を預かったようで、預かったくつを大事そうにかかえ、店の外に出て電信柱の横の通行人の邪魔にならない場所に腰をおろし、商売道具の木の箱に入ったブラシを取り出してしゃかしゃかと靴をみがき始めました。10才前後くらいと思われる彼は帽子はかぶっているものの、裸足のまんまでした。いくらベトナムとはいえ、ホーチミンで靴をはいていない子どもはかなり珍しいんだけど…。一心不乱に靴を磨いている姿があまりにいじらしいので、当分見愡れていました(←不謹慎な…)。一足磨いていくら貰っているんだろうなあ…。

少し遅い昼食にと、統一会堂近くの「クアンアンゴン」まで戻り食事にしました。感じのいいオシャレなお店だったので、観光客もちらほら。色んな料理があったんだけど、英語の説明がいまひとつ分らないものが多かったので、適当に頼んだら、けっこう訳の分らないものが出てきちゃったな…。美味しいものもあれば、やたら油っぽいのもアリで、少し胃にもたれました。

帰りにホーチミンで一番アイスクリームが美味しいという「ファニー」へとアイスを食べに行きます。ここのアイスは美味しい上に可愛くデコレーションされていてとても素敵なのでありました。

ここにきて、旦那の方に疲れが出たとみえて、夜はホテルでゆっくり休むことにしました。ヒマなので私は洗濯したり日記書いたりテレビ見たり。

それにしてもベトナムのニュースって、なんて残酷なシーンでも平気で放映するんでしょうね…。ホテルのテレビには、日本のNHKやCNNとか色んな国のテレビ局がうつるので、インドネシア沖地震のニュースを比べて見てると、NHKは残酷なシーンは全く映さないんですが、ベトナムのニュースでは、思わずトラウマになってしまいそうな酷いシーンを平気で映します。それも延々と。気持ち悪くなるので見れませんでした…。でも裏を返せば、悲惨な出来事などを日本人は目にすることがないということで、それだけ事の重大さが分らないままというわけなんだよね。うむむ。

 

 靴磨きの少年。

 

12月29日(9日目)

朝になると、ドンコイ通りから「ピーヒャララーピーヒャララー」と気の抜けた音楽が聞こえてきて目が覚めます。何かと思ったら、自転車の後ろに保冷庫を乗せたアイスクリーム屋さんの音楽だったんですね〜。けっこうこの音楽がベトナムにいる間中聞こえてくるのです。なんか耳につくメロディーだったので今だに忘れられませんです〜。

昨日から旦那の方がお疲れのようなので、特に午前中も出かけずにいました。
お昼になってから、ホーチミンで一番のレストランらしき「マンダリン」へと行ってみました。
昨日から少し胃がもたれてたんですが、コースで頼んだ料理に口をつけたら、
旨い!!
ほんとマジ美味しかったです。胃もたれをすっかり忘れて食べてしまいました。さすがホーチミンで一番の店らしく、ウエイターさん達のサービスも徹底されてていいお店でした。
でもお勘定は二人で5000円。一番値のはったお食事となりました。

少し周辺を散策してホテルに帰りました。年末近くになってきたので、ドンコイ通りに日本人観光客の姿がずいぶん目立つようになりました。来たばかりのころは、日本人は一人も見なかったのになあ。

夕方になって買い忘れたお土産を買いに行き、ホテルに帰ってもう一度リベンジで、アオザイにチャレンジすることとしました(懲りない性格…)
アオザイに着替え、サイゴン川の見えるマジェスティックホテルの「ブリーズスカイバー」へと足をのばします。ここはサイゴン川の眺めのいい素敵なバーなので、ベトナム最後の夜には絶対に行こうと決めていたのであります。
今日は不思議とクリスマスの夜みたいにアオザイ姿を笑われることなく、過ごす事が出来ました(あの日は何だったんだろう…)。
ブリーススカイバーで食事をしながら、サイゴン川の夕暮れを見てました。明るい風景が段々と暗くなり夜景に変わるのをずっと見てると、もう明日の夜にはここを発たなければいけないんだと思い、センチメンタルな気分になるのでありました。

そのままほろ酔いでサイゴン川のあたりを散歩します。サイゴン川にはディナークルーズの船がたくさん停泊していて、中には賑やかに貸しきりでバースデイパーティーを開いている船もあります。
魚の格好したユーモラスな「ベンケイ号」とかの写真を撮りつつ、ベトナム最後の夜を楽しみました。

 マンダリンにて

12月30日(10日目)

今日はもうベトナムを出発しなければいけない日なのであります。でもフライトは夜中の1時なので、まだ一日のんびり出来るのでありました。

荷物を片付けて、お昼にフォーを食べおさめに行き、フランスパンの美味しい「ニューロン」へ行ってみることにしました。ベトナムは昔フランスの植民地だったため、そこかしこにフランスの文化が残っていたりするのです。街なみもそうで、フランス風のおしゃれな古いホテルやビルが沢山残されています。それがアジアの文化と混ざって独特の雰囲気を醸し出しているのであります。

ということで、パン屋へ行くと、ウインナーやハムやらも売ってる、肉屋なのかパン屋なのか、微妙に分らない店でありました。でも色んなパンが美味しそうなのでとりあえず手当たり次第買ってみます。買ったパンは店の中のテーブルで食べられるので飲み物を頼み、食べてみました。噂通り美味しいです。
食べながらカウンターを見てると、中学生くらいの男の子が笑顔で売り子をしている…。なんだかショタ心をくすぐる子だったので、話し掛けて写真を撮らせてもらいました。すると少しはにかみながらも自分の前にあったパンの袋を横にどけてにっこりと満面の笑顔!!
超かわえええええ〜〜〜!!!!
うおおおお、私のショタ心に火がつくぜえ!(←バカ)
こんなところで萌えてんじゃない、と戒めつつ店を出ました。残念ながら可愛い彼の写真はどこかへいってしまいましたので、ありませんです〜。

ホテルに帰る途中で、少ししゃれたヘアサロンを発見。旦那が床屋に行きたいと言ってたのを思い出して、ヘアカットすることを勧めました。タイ人が経営してる店のようで、小さいけど、オシャレな店です。
私はカットが終るまでヒマなので雑誌を読んだり、美容師さんの長いバティック柄のスカートの裾から見え隠れするキレイな足をぼーっと眺めてました(オヤジか)。
そこそこおしゃれにカットしてもらい店を出ました。1000円くらいのカット代だったので、日本でカットしてもらうよかお得でした。

6時にチェックアウトだったので、それまで荷造りをすませます。
チェックアウト後はまだフライトの時間までヒマなので、ラウンジで過ごしていました。クリスマスはとっくに過ぎたというのに、片付けられることのないクリスマスイルミネーションのドンコイ通りをながめて夕食をとります。

一階のレストランで何かのパーティーが開かれているようで、何十人ものベトナム人が集まっていました。
その中には着飾った子ども達も沢山いました。パーティーの途中で退屈になったのか何人もの子ども達がロビーに出て来て騒ぎまくります。ドアボーイさんが叱るのですが、全く聞く様子もなし。親である大人達も叱る様子もなく、子ども達は好き勝手にしています。私も見るに見兼ねて叱りましたが(子どものしつけに国境なし!!)やっぱ聞きません。甘やかされているのかな…(いや言葉が通じないだけかも)。
先日街で見かけた花売りの少女や、靴磨きの少年達とは雲泥の差でめぐまれて甘やかされているこの子ども達を見てると、なんとなくやりきれない気持ちがしてくるのであります。

そろそろ空港へ行く時間になったので、タクシーをひろって空港へと向います。
賑やかなホーチミンの街もこれでお別れなんだなあ…。

空港について、手荷物の検査ということになったんだけど、荷物検査の兄ちゃんと旦那がなんか言い合ってる…。どうも撮影済みのフィルムをX線に通すかどうかでもめてるらしい。ハンドチェックしろと主張する旦那とX線に通してもフィルムは大丈夫だと言い張る係員。待ってる私の身になってくれよお…。
結局は荷物はすべてX線に通す事になってしまい、不機嫌な旦那と出国手続きをするのでした。
フライトの時間までに空港内のカフェで残ったドン札を使いきり、夜中の1時になってようやく出発することに。
点々と光るホーチミンの灯りを見ながら、ベトナムにお別れを言うのでありました。

 肉屋なのかパン屋なのか。

12月31日(11日目)

夜中の1時にベトナムを出発し、ようやく機内が暗くなったのでウトウトと眠りはじめたら、いきなり起こされ夜中の4時に朝食を食べさせられたのでありました。眠いよ!食えねえよ!とにかく疲れてるんだから寝かせろよ!…とやたら不機嫌になってしまったのであります。

朝の8時にソウルに到着。トランジットのためまた4時間待ちです。
日本までのボーディングパス券をベトナムで受け取ってなかったので、ソウルの空港で引き換え場所を探しますが、広すぎて見つからない…。さんざん歩いて見つけて受け取ったのはいいけど、ここにきてパスポートがどこにいったのか不明となり、一人で大慌て。ポーチに入れてたはずが何故か手持ちカバンの中に入れてたことに気付きホっと胸をなでおろします。ベトナムにいる間はずっと気をつけてたのに、韓国まで戻ってきて安心したせいか、ボケてましたねー。

昼の1時にソウルを出発し、ようやく名古屋に到着。久々の名古屋は雪!!外に出たら寒い!!寒い!!風で耳が痛いくらいです。とにかく寒くて凍えそう…。
ふるえながらやっと帰宅したのでありました。

あとがき
今回の旅行でベトナムに来て、私達は意図的に戦争の名残りのある観光地を見るのはやめてました。この国に来て、普通考えることはベトナム戦争のことであり、そんな博物館や記念館もたくさんあったのですが、見るのはやめました。私達はただのぐうたら旅行者であり、その国の持つ深い歴史や傷を理解するほどまで干渉する気がなかったからであります。中途半端な気持ちで中途半端な知識をもって、その国を知ったような気になるのは嫌でした。自分の国すら理解していない私が、他の国まで理解したつもりになるのは思い上がってる気がするのでありました。
知らないなら知らないままでいい、今現実のベトナムの姿だけ見ていられたらそれでいい…と思いましたです。
それから英会話をもっと勉強しとけば良かったなー、とつくづく思いましたです。言葉が通じないというのはとても不便で苛立つものだし、もう少し色々会話をしたかったなーと思う場面も多々あったのだけど、こみいった話が出来ないというあたりでしりごみしてしまったのは勿体無かったです。
それでもまあ、いろいろあったけど楽しかったです。旦那はもう次にどこに行くか考えているようですが…。

ということで、ただ長々と書きながしているだけのこの文章を読んで下さった方、もしいらしたのでしたら、有難うございました!

(05年4月)