お茶の効用
今では私達にとても身近なお茶はおよそ800年前、鎌倉時代に、茶祖栄西によって「妙薬」として紹介されました。
中国でお茶と出会った栄西は、帰国したのちに、日本で初めての茶書「喫茶養生記」を著(あらわ)しました。
栽培法から製造法までお茶について幅広く記されたこの書は、「茶は養生の仙薬なり」の書き出しで始まります。
この一節に栄西は、「延命の薬であり、飲むと病気にかかりにくい」と効用を述べています。
現在解っている効用の、いくつか代表的なものを上げてみましょう。
●お酒やタバコに『ビタミンC』…
鎌倉時代、栄西禅師(えいさいぜんじ)が将軍・源実朝(みなもとのさねとも)の2日酔いを
一服の抹茶で直した、という有名な話があります。
お茶に含まれ、女性の美容の素ともされるビタミンCは、アルコールやニコチンの害を中和させる働きを持っています。
ビタミンCは一般的に熱に弱いとされていますが、タンニンの中のカテキンの作用により、お湯を注いでも壊れる心配はありません。
また、カフェインもアルコールの分解を促す成分の1つです。
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●甘党や高血圧に『ビタミンP』…
お茶に含まれるビタミンPには、糖分の代謝を促す効果があります。
また、ビタミンCの働きを助けて血管を強くし、浸透圧を正常に保つため、高血圧や動脈硬化が心配な方にも効果的です。
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●疲労や食欲不振に『カフェイン』…
昔の修行僧は座禅中の精神的ストレスを防ぐために、お茶を欠かさなかったといいます。
お茶に含まれるカフェインは、ストレスの多い現代人にとって大切な味方です。
お茶の旨み成分であるテアニンにはカフェインの副作用をおさえる働きがありますから、興奮性の成分もおだやかに作用します。
他にもカフェインは、頭痛をやわらげたり、利尿作用・胃液の分泌を促進する働きがあります。
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●虫歯や口臭の予防に『タンニン』…
お茶は、江戸時代には解毒剤としても使用されていました。
渋みのもとであるタンニンには殺菌作用があり、口の中をさっぱりと清潔に保ちます。
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●ガンなどの生活習慣病や風邪の予防に『カテキン』…
最近注目されているのが、お茶のカテキンです。
ガンの抑制、コレステロールの蓄積や胆石の予防に役立つ他、肝臓や腎臓の働きを助けます。
最近は新たに、ウィルス性疾患に対する効用も報告されています。
特にインフルエンザに対して効果を発揮し、口や鼻から侵入したウィルスを
見事に破壊し感染症を消すので、少しぬるめのお茶でうがいをするだけでも効き目があるそうです。
もちろんビタミンCもウィルスに対して効果がありますから、おいしく温かなお茶を飲むことが風邪の予防にもつながります。
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