お茶と言葉

お茶の子さいさい、無茶苦茶、茶目っ気、お茶を濁す…現在でもよく耳にする言葉や慣用句の中には、
既にその由来がハッキリしなくなっているものも多いようです。
今回はより身近な3つの表現を紹介します。

●茶々を入れる…妨害すること。茶々には妨害、邪魔と言う意味があり、
足踏みし、無理わがままを言ってねだる意の「邪々」が澄んで「茶々、チャチャ」になったとも言われています。
その類語として使われる『茶化す』などは、茶が「休息」を表すことから、はぐらかすという意味合いを持たせているとも言われます。
一方当て字だと言う評もあり、見解は色々です。

●茶碗…食卓に欠かせないご飯をよそう『茶碗』は、1日2食だった時代に朝食の代わりに食べていた、
軽いおかずとお茶だけでは物足りず、お茶を注ぐ器にご飯をよそったことに由来すると言われています。

●茶色…「お茶の実の色。」「中国から伝わった当初の茶、『磚茶(だんちゃ・固形茶)』を煮出した色。」
他にも「番茶風の、煎茶や玉露が作られる以前に飲まれていたお茶の色や水色(お茶を入れたときの色)。」など、
由来については様々に推測されています。
面白いのは、「煎茶が庶民の間に広まり、その副産物として出来た、茶を煎じた汁による茶染めの色。」と言う説。
英語の色名『ブラウン』は既に10世紀以前から使われていたと言いますが、煎茶が庶民の間に広まったのは江戸時代以降の話。
それまで『茶色』は何と呼ばれていたのでしょうか。

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