Wings Innocent について語ってみよう

今回は何となく思いついたので、2004年1月中旬に発売された Wings Innocent について、適当に思ったことを言ってみようかと・・・。批評ではないので、全く参考にはならないと思います。
ホモゲー雑誌をほとんど見なかったので、発見したのは店頭でした。しかも、パソコンショップで。白い制服と、いかにも芸能だなぁというやつですが、これがなかなか爽やか。しかも、キャラによって微妙に違って・・・。オーダーメイドなんでしょうか。半ズボンもなかなかいいのですが、私としては足の長いお二人のほうが好きですなぁ。
最近ホモゲーをやってなかったので何とも言えないのですが、カップリングが決定してるのは妙に懐かしい気がします。最近のは結構主人公とのカップリングがフリーになってるし、攻受も選択できるのが多いですからねぇ。そのおかげかEDのバリエーションも少なめになってますが(恐らく3×3)、それなりに物足りないということはないと思います。むしろ、カップリングが決定されているため、コンプよりもストーリー自体を楽しめます。

そうそう、この話、両視点で進んでいくんです。普通は主人公一人の視点をメインとして進んでいきますよね。だから、二人の心の動きが分かって結構新鮮だな・・・と(久々にやったせいもあるんでしょうが)。このゲームで私がお勧めするのはこのポイントです。

難点はまぁ、色々あるんですが・・・一つ言うなら、もーちょっと芸能科という設定をゲームに反映させてほしかったかな。ストーリーには絡んでいるんだけど、時々芸能科の生徒だってことを忘れてしまうんですよ(苦笑)。それぞれのED(特にトゥルー)を見た人なら分かります。ま、育成ゲームじゃないから仕方ないんでしょうけどね。最初と最後がちぐはぐ・・・。
あと・・・どうして受は三人とも体格が華奢なの・・・?

カップリングが決定されているため、多彩性には欠けるし、CGから察するに隠し要素もなさそうなので、そういうやりこみを目当てにするとがっかりするかもしれませんが、一応EDは分岐するので、それを承知した上で楽しむにはお勧めできる一本であります。


千夜×瑠架
学園ラブって感じなので(笑)、3つのストーリーの中で個人的には一番好き。千夜ハンサム!もっと脱げー(爆死)。無愛想に見えて実は優しいとこもある。罰ゲームでスティックを食べっこする。食べっこしたら・・・なんと口が!王道ですね。でも、そんなのが好きです、はい。ほんとにツボでした。見てるほうが恥ずかしいわ・・・。
彼らのルートは最初は瑠架中心だったものが、次第に千夜視点中心に移行していきます。前半は千夜と仲良くなること、後半は瑠架への気持ち・・・そんな風に重点も変わっていきます。ほかの連中とは違って、この人たちの仲は最初良好とは言いがたかったから、そんな二人の関係がグラデーション見たく次第に変化していくのが(半分以上瑠架の努力なんだろうけど)いいんです。しかも、仲良くなってもちゃんと千夜は毒を忘れない(笑)。彼、両想いになったから毒もパワーアップするでしょうね。それが彼の愛なのです(ほんとか・笑)。まぁ、恋人がアレじゃぁ毒を抜けというのが無理なのかもしれませんが・・・。
このルートはほかの二つと接点が少ないみたいですね。どうやら勝手に二人の世界に入っていらっしゃった様子です。ま、瑠架くんは千夜と仲良くなるのに必死でしたから。千夜は一夜ラブの彼に相当苦しんでたようですが瑠架は彼なりに悩んでんです。

「わかんない・・・。
ホント、わかんないんだ・・・」
「きっとさ・・・
明日になれば・・・俺、普通だから・・・」
↑なんか見てて切なかった・・・。全く分からないから辛い・・・。

瑠架くんの憧れだった一夜さんはもともと千夜にとっちゃ、あまりいい存在ではありませんでした。それが、千夜が瑠架に興味を持っていくにつれ、敵意(?)から嫉妬に・・・。最初冷たそうだった彼がどんどん変わっていく(壊れていく)姿は見ものです。あんな涼しげな顔の裏であそこまで苦悩していたとはね。健全な青少年はやっぱり悩むべきです。ってか、瑠架くん・・・あんたの鈍さは犯罪(笑)。
一つシーンのリストにないED(出現確率から言って隠しではない。数の都合で組み込まなかっただけ?)があるのです。瑠架の気持ちが傾くまで待つという、まぁ、ノーマルだかバッドだか分からないやつですが、瑠架くん、鈍感にもほどがある・・・。一応は千夜の気持ちを知ってるんでしょうが。

ちなみに、トゥルーとハッピーの差は、一夜が関ってきます。トゥルーでは一夜と未来を目撃、ハッピーでは一夜にアレされかけて・・・。恋愛感情についてはどっちかというと千夜寄りになっていますが、一応瑠架の心の動きもそれなりにあるのでEDはコンプのためでなく、両方見ることをお勧めします。
しっかし・・・トゥルーのHシーンはいかがなものかと思いますよ?アレで男向けのエロゲーを想像したのは、私だけではない(もしエロゲーをやったことがある人がいればの話ですが)はずです。
なお、この台詞に止めを刺されました。

「俺のほうが・・・心臓止まるかもしれないぞ」

いや、聴いてる方の心臓が止まるんだけど・・・。千夜ってば最初はむすーっとしてたくせに、ラストのほうは想いが叶った途端ネジが外れちゃいましたからねぇ(笑)。あんな甘い声で・・・恋をすると人は変わるんですねぇ。


翔音×快人
自分の名前を漢字で書きたがる外国人って結構いますよね。ここでふとBOY×BOYのカイ(櫂)を思い出してしまいました。いやぁ、ほんとに懐かしい。高山みなみ氏の声の少年は上下どっちなんでしょうか。
快人くん、見た限りでは元気いっぱいの少年なんですが、そんな彼でも抱えるものはあったんですねぇ。明るい部分と明るく振舞っている部分があって、すんごい健気な子だなぁと思いました。それにしても高校に入ってもぬいぐる・・・もとい、みっくんを持ち込むとは・・・いや、悪くはないですよ、えぇ。ただ、そのおかげで元気キャラ→かわいいキャラというイメージがどうも離れなくて・・・。
私としては、このルートの中で母君の死が結構重要な位置を占めてると思うんですけどねぇ。スチル追加してもよかった気がします。あと、シーンのリストにも。
翔音はお決まりのスキンシップ大好き外国人さまなんですが、それは本音を隠すためにも使われていたようです。大型犬と形容するのがふさわしそうないつもがネジのとんだキャラだから、泣きそうな声でしゃべられると、どうもぐっとくるものがあります・・・。
水も滴るいい男・・・?翔音と水は切っても切れない関係?どうせならシャワーでもCGの追加をしてほしかった・・・。でも人は辛かったり苦しかったりいたたまれなかったりするとどうしてシャワーを浴びるのでしょうか。そういう感情を洗い流すためなんでしょうが・・・。

「ねぇ、こんなオレはダメ?
こんなの・・・やっぱりおかしいかな・・・
カイトは・・・オレを・・・
こんなオレを・・・どう思う・・・?」

そんなことを泣きそうに言われたらなぁ・・・。


七伎×悠亜
うん。このルートは駄作です。いや、内容が悪いんじゃないですよ。カップルが鼎立してるのに、これをやるには無理があるということ。この手の話は主人公×メインで一つのゲームそのものに関っていかなければいけないということ。このゲームみたいな形式じゃ一カップルにおけるシナリオ容量が限られてくるので、重い話題をするには向かないんです。特に人格モノはそれだけで一つのゲームが作れます。やらないだけで。EDだって多数の選択肢が出来るんです。目の付け所はいいんですがね。そういう意味の駄作なんです。話自体は嫌いじゃありません、念のため。

心理描写も結構甘いかな。七伎と悠亜ばっかりが注目され、悠唯の存在はほとんど無視されている。話を通じて悪人扱いになっている。どっちも「悠亜」を保つために「悠唯」を消すことばっかり考えてる。途中、悠唯の強さにスポットが当てられているけど、とってつけたような設定。トゥルーでは悠唯が統合されたとなったけど、それもまた然り。EDを見るとそのような気もするけど、どうせならそのときの二人のやり取りを知りたかった・・・。消える(?)ときの悠唯の気持ちは?やっぱり「次にツケておく」んでしょうか。
「悠唯」はかつて悠亜が自身を守るために生み出された人格です。そのため、性格も逆です。でも、やっぱり同じ人を好きになる。生み出された人格は自分がそうだと認識している。したがって、その苦しみも想像を絶するものでしょう。七伎を好きになって苦しんだのは、恐らく悠亜じゃなく、悠唯でしょう。その思いが叶うことはないのだから・・・。
七伎は悠亜だけを見続ける。半身だけを見ている。でも、悠唯の想いは?「悠亜を消すこと」?「七伎をモノにすること」?いや・・・「悠亜」でなく、「悠唯」を見てもらうことでしょう。でも、その感情は表には出ません。悠亜の前に出れば身体をのっとること。七伎の前ではセクシュアルな・・・。でも、共通点があります。結局は受身であること・・・。

「悠唯」の視点を作ってほしかった。こっち側が想像するんじゃなくてね。そうすればもっといい話が出来たと思います。

「ボクはボクなんだよ・・・先生」
「ちゃんと、ボクを愛してよ」

sexual end 中の「悠唯」の悲痛な言葉です。悠唯は悠亜の身体を手に入れました。しかし・・・それでも七伎の心は手に入らない。彼が知らないはずはありません。悠亜と一緒で、ずっと七伎を見てきたのだから・・・。
七伎は七伎で悠亜を失ってしまった。つまり二人とも望むものを手に入れることが出来なかった(身体は手に入ったけどね)。切ないっすよ。悠唯くんが・・・(涙)。まぁ、恐らく悠唯エンドはあると思ったんですけどね。これがバッドEDかと思った。半身を失って幸せになれるはずがないんですから・・・。

しかし、bad endが別にあったんですよ。悠亜が学園から逃げ出すという・・・。自分を変えたいと思った彼には確かにふさわしいんでしょうが、でも、まだ希望が残されているような気もするんですけどね。私としては上のほうがバッドだったと思います・・・。こればっかりは受け取るほうの判断によりますが・・・ね。

あ、忘れるとこでしたね。悠唯くんの声・・・あれはどーにかならなかったんでしょうか。見た目とのギャップが・・・(苦笑)。

言いたい放題言ってしまいましたが、まとめるとこう。どうせやるなら、ちまっとしないでもっと徹底的にやってほしかったということ。悠亜と悠唯の扱いを対等にしてほしかったということ。話自体はいいんだから、もったいないような気がします・・・。


一夜&おちびちゃん
えーっと・・・この二人は・・・(苦笑)。千夜×瑠架をやっていけばわかるのですがぁ・・・アレですね。もう・・・。ぱっと見る限りでは一夜さんかなり鬼畜そうなんですがね、えぇ、確かに末期なところはありますが・・・。でも、瑠架に対してはそうでもないんですねぇ。期待していたんですが、少し残念。本性は知りませんが、とりあえずはいい人みたいだし・・・。バカなとこはあるけど・・・全てを見抜いていての言動という気がしないでもないし。
未来ちゃんについては・・・もう訳分からんのです。この二人は源氏物語なのか、ただのショタなのか、それとも両方なのか・・・。

ところで、千夜との因縁は?設定では無理やり千夜を入学させたくらいしか。でも、それだけでは今の関係にはならないような気もするんですが・・・。全くもって謎です。

燐&憐
同じ声の癖にハモる、ある意味鬼畜な人でした。かなり悪戯が過ぎる人たちで、こんなのがクラスにいたら、即犯すとこですが(オイオイ)、まぁ、彼らの全てが悪気で出来ているわけではありません。許してやってくださいな。
まーそんなことはいいとして、彼ら、かなりおせっかいですねぇ。人を結びつけることを生きがいとしていて・・・自分たちの関係はどうなんでしょう(笑)。

刹那
名前から察するに極悪非道そうな人なんですが・・・そうでもない?いや、このゲームの台風の目になることを期待してたんですがね。ストーリーとはほとんど関係ない人でした。しかも、選択肢によっては全くでてこないし・・・出てきても伏線になるわけじゃぁない。ほんのちょっと影響を与えるだけ。明らかに名前負けですが、それでもなかなか似合わない優しいとこ(なぜか悠亜には優しい)が好きです。
もし彼が健康体で出てきたら、上下どっちなんでしょうか・・・。私としては両方見たい・・・。