ホテルオークラ東京(スタンダードダブル)

ビジネスや外交など、日本の中心でもある虎ノ門に立地するホテルオークラ東京。大倉さんが建てたという・・・名門中の名門として戦後長い歴史を誇るこのホテルは、個性的な外観が特徴。他のホテルが大抵「ビル」系な外観をしているのに対し、オークラはどちらかと言うと「老舗旅館」系の、和風で堂々とした佇まい。かなり周囲は入り組んでいるため、JRの駅からタクシーで来ると中々気づかないかもしれませんが、この特徴的な外観は一見の価値ありです。一度見ると、忘れたくても忘れられない・・・それだけのインパクトをこのホテルは持っているんです。

良くも悪くも高級ホテルは人を見ます。あまり来てほしくない層の人々にとっては、ちょっと冷たいかな・・・と思う部分があるようです。ただ、女性向けのサービスは充実しているため、その辺の心配は無用でしょう。あくまでも、それ相応の身なりをしていればの話ですが。
人は見かけではない・・・とは言いますが、商売でも9割がたは身なりは気にします。人間の感覚の大部分を視覚に頼っているため、こればかりは仕方がないのです。つまりはしっかりした服装(正装という意味ではなく)をしていれば、必然的に相手の好感も高くなり、その逆もまた然り。オークラは近くに大使館も多いせいかその傾向が強いと言われていたのですが・・・私はスーツで来ていたこともあってか、あまり冷たいという印象はなかったです。むしろ、暖かいホテルだという印象を受けて・・・慣れるのにコツがいるホテルだと言ったところでしょうか・・・。

メードインジャパンのホテルの例に漏れず、やっぱり構造が複雑です。本館のほかに別館もあり、挙句の果てにロビーが1階にあるわけではない・・・これをあらかじめ把握しておかないと、迷います。階数自体はあまり高くはないのですが、敷地が広いため、入り口を間違えると、とんでもないことになります・・・。
それで、何とか入り口に入ると、その壮観さに驚かされます。イメージよりかは絢爛豪華というわけではないのですが、それでも和を基調とした堂々としたロビーは、「さすがオークラ」の一言。迷っては困るので、まずはこれまた思ったよりもシンプルなフロントに。探検はチェックイン後でも遅くはありません。
神戸のオークラには泊まったことがあるため、ある程度の想像をして部屋に行くのですが・・・予感的中!部屋の中は和風ではなくエゲレス風!いや、私にはエゲレスとヨーロピアンの違いはあまり解らないので、あくまでも他の言葉を借りてはいるのですが。とにもかくにも、これがオークラの特徴かな?外観を見て入ると和風だから、部屋もそうなのかと思うと実は洋風。実のところは和洋折衷なのですが、個人的にはあまり和洋折衷には感じませんでした(苦笑)。もう少し和の要素を取り入れても良いのでは・・・。
設備自体は少し古いかな・・・と思う部分がありますが、これは長年あるホテルだから仕方がない部分かもしれないですね。ただ、新しいホテルにばかり泊まっていると、こういう古さを見ると、何故かほっとしてしまう部分もあります。とはいえ、新しいものがあれば古いものは古くなってしまう。下手に改装をすると、そのホテルが刻んできた年輪みたいなものも消えてしまいうる・・・古きよきものを残し、どうやって新しくするか・・・それが今後の楽しみとなりそうです。

さてさて、そんな和洋折衷な部屋なんですが、入ってみると意外に心地が良いものです。いい意味でシンプルなので、目が疲れず圧迫感もありません。ゆったりぐっすり眠れるのは確かでしょう。例に漏れずテレビもちょっと古いですが、それはそれでご愛嬌。仕事で来るのにも、プライベートで来るのにもオーケーである、本当にいいホテルです。このクラスの部屋の致命的欠点である風呂の狭さを除けば、何もいうことはありません。シャワーブースがほしい方は、奮発してもう一ランク上の部屋にしましょう。下の部屋は仕方ないんです。このホテル自体部屋数が多いんですから。

なお、夕食はビュッフェでした。この項目でビュッフェの言葉がやたらと出てきますが、好きなものを好きなだけ・・・これが私のホテルライフの信条です。ですから、ビュッフェ以外のものが食べたくなれば、そうします(笑)。やっぱり夕食は豪華です。色々目移りしてしまいます。ここのちょっと年老いた(?)スタッフの方が印象的でした。美味しかったというと、本当に嬉しそうにしてくれる・・・いずれまたこのレストランは利用したいです。ちなみに他に有名な「桃花林」という中華料理店もありますので、お好みでどうぞ。

東京オリンピックの第一次ホテルラッシュから幾星霜が経過していますが、周りが大使館という好立地にも影響され、オークラはどんどんと良くなってくるのかもしれませんね。優れたサービスは、オークラだからこそ出来るのでしょう。泊まるだけでもなく、食事するだけでもない・・・もう少し年をとったらまた来よう・・・そんな不思議な楽しみを与えてくれるのが、ホテルオークラ東京なのです。