フォーシーズンズホテル椿山荘東京(シティービュー・スーペリアキング)

名前は良く聞き、ホテル関係の雑誌でも常にトップクラスを得ているこのホテル、それなのに・・・駅から遠く、交通の便がよろしくないため、ビジネス目的などでは中々泊まる機会がないかもしれないのが、新御三家の一つであるこのフォーシーズンズホテル椿山荘東京(FST)。ハイアットと双璧をなすとも言われているアメリカだかカナダだかのスーパーラグジュアリーホテル日本一号店は、ワシントンホテルで有名な藤田観光とのコラボです。

FSTは椿山荘の敷地内に建っています。椿山荘自体は結婚式場ではありますが、由緒ある庭園でもあり、かの山縣有朋が景勝「つばきやま」を手に入れてから庭園にしたのが始まりだとか。それを戦後藤田観光が手に入れたとのことで、今に至るようです。実に広い庭園で、何u位あるんでしょうかね。ホテルの庭園ではおそらくトップクラスであると言えるでしょう。
その広大な庭園は、季節によって色々な顔を見せてくれます。新緑、紅葉などなど、どの季節に行っても楽しめますが、個人的にお勧めであるのが夏です。ある限られた時期には、庭園の中を蛍が飛んでいることもあります。実に幻想的です。ちょっと人が多いという難点があるにはありますが、それが気にならなくなるほど蛍は綺麗です。その分料金が高めとなりますが、それだけ払ってもおつりが来るくらい見る価値があると言っておきます。ホテルのサイトには季節ごとの庭園の表情も載っているので、参考にしてみるのがベターです。
時間帯としては、朝もいいですね。朝食をとる前のひんやりとしているときに軽く散策、もしくは食後の運動に軽く時間を費やしてみるとか。どちらにしろ、せっかくある素敵な庭園です。素通りするのはもったいないです。

さてさて、肝心のホテルですが・・・前述したとおり、面倒くさい位置にあります。最寄は地下鉄という・・・かなり面倒です。ですので、このホテルに泊まるときは遊びというより・・・ゆったりと一泊するときに向いています。駅前と違って、ぶらり客が簡単にこれるところではありませんから。ですが、日曜はお隣で結婚式もあるので、土曜の夜からはかなり混んできます。要注意です。
それを考慮しておけば、本当にいいホテルです。外観も他と一線を隠すくらい特徴的で、全室角部屋仕様(あくまでも仕様です)。中に入るとちょっと中国風な調度品もあり、おお?と思わされます。スタッフの方の生き生きしていて、私が泊まったのは計二回ですが、いずれも素敵な一夜を明かせました(というと妙な響きですね)。

部屋はヨーロピアンです。高級ちっくではありますが、好みの分かれる部分ではありますね。雰囲気的にはパークハイアットよりもウェスティンに近いと言っておきましょう。ここにたしか陶器で出来たティッシュカバーがあった気がするのですが・・・ところどころの中国風の置物(?)がヨーロピアンなごてごてさを中和してくれるんでしょうか・・・。でも、広いですし、角部屋仕様ですし、いい部屋ですよ。
ホテルと言えば夜景・・・本当は必ずしもそうではないんですが、部屋につくとどうしても窓の外を見てしまうもの。ここは最高でも十数階だからあまり期待できないな・・・と思っていると、驚きます。階と景色のギャップ、これはすごいです。ネタばれをしますと、このホテル、もともと高台にあるんです。ですから、辺りが見渡せる・・・。
ちなみに、このホテル大別して「シティービュー」と「ガーデンビュー」があります。前者は街並みが見渡せ、後者は庭園が見渡せます。どちらがいいかは好みの問題ですが・・・基本的にガーデンビューのほうが高くなっています。
さてさて、肝心のお風呂ですが、これまた高級ホテルの例に漏れず、シャワーブースが存在します。バスタブはお隣です。アメニティは「ロクシタン」と、無機質なものが多い高級ホテルにしては素敵です。いいにおいです。

そして、レストランですが・・・比較的数も少なく、高いという印象が。近くにコンビニらしきものもないので、ここで食べるのでなければ、うまく調整することをお勧めします。なお、朝食は珍しくビュッフェ形式がありません。洋食のイル・テアトロか、和食のみゆきを選ぶパターンになりますね。個人的には和食が好きですけど。

都会の喧騒とは離れた敷地に立地するこのホテルは遠くはありますが、その分落ち着いた時間を過ごせます。丸の内にははるかに単価の高い「フォーシーズンズホテル丸の内東京」が存在しますが、こちらのよさは決して色あせません。せっかくここに泊まるのですから、慌てず急がずゆっくりと過ごしてみたい・・・それがフォーシーズンズホテル椿山荘東京の大きな魅力なのです。