パークハイアット東京(デラックス・ツイン)

西の横綱がリッツであるのなら、東の横綱はパークハイアット(PH)と呼ばれるほど有名ではありながら、実際には止まる機会は中々ないんじゃいかな・・・そんなホテルです。その大きな理由に単価の高さがあるでしょう。
高級ホテルが乱立している現在では珍しくもないのかもしれませんが、つい最近までは平均単価が5万円を越える唯一のホテルでした。それだけPHのブランド力は高いんです。そんなホテルですから、普通に一泊できるほど稼げるようになった今でもこのホテルに対する愛着は変わりません・・・。

それはさておき。新宿駅から中途半端に遠いのは、この際どうでもいいことにしましょう。徒歩で歩くには・・・と思いつつも、新宿からタクシーというのも・・・なんてことは、ちっぽけな悩みです。
入り口からエレベータに乗って、三十数階に上がります。ちょっと外国人が多いレストラン(??)の脇を通り、おしゃれな本棚を抜け、フロントに到着。
ちょっと冒険する気がしてわくわくしつつも、お忍びの旅には向かないな・・・なんて思ってみたり。エントランスからのエレベータはフロント階までしか止まらないため、客室に行くにはを乗り継がないといけません。ホテルを頻繁に出入りする人にとっては、ちょっと面倒。
大きくていかにもビルという感じのちょっと強面な外観ではありますが、中に入ると中々おしゃれ。「古き良き時代」のホテルのように目がちかちかするわけではなく、案外すんなりと受け入れられる・・・。まぁ、初めて泊まるホテルがPHであるのなら、「プロ」の方々を前にある程度緊張はすると思われます、あしからず。
ただ、想像とは裏腹にスタッフとの会話は弾んでいく・・・そこはサービスのうちにはいるんでしょうかね。言葉の端々にもささやかな気配りがあり・・・こればかりは人によりけりなので何とも言えませんが、相手から話しかけてくると、不思議と緊張感がいい意味で抜けるものです。意外な共通点があると、それで盛り上がることも。現実私とその人との会話でもあったもので・・・。

部屋は高層階だけあって、どこに当たっても素敵な眺めを楽しめることでしょう。階層自体は元から高いので、階による違いはあまりないと思われます。大切な人との一夜を過ごすには最適な・・・そんなホテルです。
ちなみにこの部屋は55uという、一人で泊まるにはかなり広い部屋(その下には40u台の部屋もあります)ですが、二人で泊まっても窮屈に感じない、ゆったりとした部屋です。内装自体も高級ではありながら雰囲気がどこか落ち着いていて、居心地が良いです。宿泊者がリラックスが出きるよう、色々なところで心配りがされているんでしょうね。
ハイアットの特徴でもある、ところどころに見つかる和のテイストがそうさせているのかもしれません。大々的に和風を強調しているわけではないのに、どこかに必ず存在する・・・不思議なものですね。日本のホテルは洋風を目指すのに、外国のホテルは和を積極的に取り込んでいく・・・そんな和洋折衷はどこかほっとさせてくれるものがあります。
テレビもかなり大きく、迫力ある映像を楽しめます。まぁ、ホテルであまり大画面が必要な番組を堪能する機会はないのかもしれませんが一応インテリア上大きいほうがいいですよね。
バスタブはシャワーブースとは独立しています。そこにバスタブがある・・・うろ覚えではありますが、そんな感じです。不思議な存在感があるんです。そういうスタイルだと言われれば返す言葉もございませんが、個人的にはもう少し近くてもいいかなと。ですが、そんなことを差っぴいても、PHは素敵なホテルです。

レストランは朝食だけとりました。本当は例によってビュッフェの朝食にしようかと思ったのですが、故あって、普通のアメリカンブレックファースト。この辺は調度品以外あまり他とは変わらないですね。今度来るときは夕食も取っておきたいです。
食関係で忘れてはいけないのが、デリカテッセン。外食産業を志すものは必ず聞いたことがある「ホテイチ」。ブーム到来初期、帝国ホテルのガルガンチュワと双璧をなすとも言われたのがここなんです。そのためか、常に客で溢れています。PHに泊まるのはアレだけど、ちょっとした贅沢を楽しみたい・・・そんな方々にうってつけ。惣菜からケーキまでそろっているので、飽きません。

都心にあるこの堂々としていながらも隠れ家の色彩が強いホテルは、開業から時間がたつ現在でもその地位は不動のものでしょう。ある本には『初めて泊まるとそのサービスに感動し、何度も泊まるとすかしたサービスに見える』と評されている部分があります。かく言う私は一回しか宿泊していないため、それについては言及できません。ただ、すかしただけのサービスで人の心はつかめるのでしょうか?また来るときはそれを課題として持っていきたい・・・大きな金額を払ってでも次が楽しみである、そんなホテルがパークハイアット東京なのです。