41・フォカロル
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Focalor
人を溺れさせ、戦艦を沈めたり、風や荒れた海を引き起こしたりと、海に関連付けられた能力を持つ悪魔。しかし、その姿はグリフォンに乗った有翼の人間という、海とはまったく関係の無いものである。まったく、ここで海の生き物な姿をしてくれたらでざいんを考えるのがどれだけ楽になるというのもか、その点を15,6世紀の悪魔学者の人たちも考えていただきたい所である。
と、身勝手なことを言うのはここまでにして、と。
「地獄の辞典」では30の軍団を指揮する将軍として紹介されており、人々を海に投げ込んでは溺れさせる、という楽しそうな彼のマイブームも明らかにされている。また、佐藤有文御代による往年の名著「いちばんくわしい・世界妖怪図鑑」では「風を起こすからフーカロール」という大変素晴らしい紹介がなされていた。
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42・ヴェパル
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Vepar
上のフォカロルと同じように、海に関連させられた能力を多く持つ悪魔。戦艦を導き、嵐を起こしたり、海を穏やかにする、などフォカロルと共通、または類似する能力をいくつか持つが、こちらはきちんと人魚の姿で現
れてくれるという。なんとありがたいことや。多分、能力と姿がここまでわかりやすく結び付けられている悪魔はレメゲ中には皆無であろう。
また、傷やヒリヒリ痛いものを腐らせ、死に至らしめる。という嫌な能力も持っているが、これもおそらくは塩を含んだ海水という所からきているのではないだろうか。まあ、16世紀の悪魔学者レギナルド・スコットは「傷を化膿させて殺す」と言っているので、違うかもしれないけど。
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43・サブナク
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Sabnock Sabnak Saimacとも
ちょっと久々、でもウンザリなライオンシリーズの一つ。白馬や青白い馬に乗って現れるという。
塔、城を築き、都市を作り上げたり、傷や痛みを徐々に酷くして嫌な感じに悩ませてくれたり、名誉を与えてくれたりするんだとさ。
容姿・能力などから、二つ下のヴィネとは対を成すような存在なのかもしれない。
デザインの方は、私が困って何も考え付かなくなったときに使う「とりあえずなんだかよくわからん形にしてごまかす」という手法をとらせてもらっております。
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44・シャックス
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Shax
こちらもウンザリ鳥シリーズ。コウノトリの姿で現れるとされている。
視覚、聴覚や理解力を奪うという劣化バルゴのシャカな必殺技や、お金を盗んだり、ものを運んだり、隠された物を見つけたり、名誉を与えたり、というもうコピペするのもめんどくなってきた感じの能力を持っている。
命令されれば、王族などから財産を奪ってきてくれたりするが、それをすんなりと渡してくれるわけではなく、1200年後に命令された分だけしか渡してくれないという。せめて利子ぐらい付けろ、つか、1200年後じゃ生きてないよ!と文句も言いたくなってしまうものですね。
「地獄の辞典」では、馬を盗もうとする決定的瞬間が挿絵として描かれている。これが番組改変期の特番ならば、この後即座にポリスメンにおロープにされてしまう所だろう、などとくだらないことを言って行数を稼ぐ。
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45・ヴィネ
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Vine
手に毒蛇を持ち、馬に乗ったライオンさん・・・って、そんなん何人もいるよ、もう!
頼むから、誰か16世紀頃に行って悪魔学者の人たちに「悪魔にはそれぞれ個性を与えてあげた方が良いよ」と言
ってあげて下さい。
能力も、隠されたものを見つける。魔女や魔術師の存在を教える。過去、現在、未来を語る。塔を築いたり、壁を壊したり、嵐を起こす。という、いつものもの+サブナックと同じもの。
対になるような存在、といえば聞こえは良いけど、要するに同じ悪魔をもう一体加えることで、数を上手い具合に水増しさせただけなんじゃないかといぶかしんでしまう。
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46・ビフロンス
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Bifrous
どのような姿で現れるのかについては触れられていない悪魔の一つ。
命令されるままに怪物や魔物の姿をとる、とされているが、だからその怪物やら魔物やらがどんな姿をしているのかが知りたいんだってば。まあ、それでライオンやら鳥やらの姿、ってことになるのは勘弁して欲しいけど。
能力は、天文学・幾何学・美術・科学・ハーブと宝石に関する効用などを教える。という、いつものもの。また、死者や墓に関連付けられることが多く、いくつかの文献では、人の死体を移動させたり、墓の上で鬼火や蝋燭を灯したりする悪魔である、という記述が見られる。
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47・ウアル
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Uval
ラクダに乗った姿や、直立したラクダそのものの姿などで現れるとされる悪魔。「エジプトの悪霊」という異名を持つが、その意味するところは知らん。単にラクダがいっぱいいるからか?なお、人間に近い姿で現れるときは古代エジプト語で話をするそうです。ウアルを呼び出したい人は古代エジプト語習得をお忘れなく。
能力は、お馴染みの人に愛をもたらす、過去・現在・未来を語る。友と敵を和解させる、などなど。
昔は能天使だったという。
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48・ハーゲンティー
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Haagenti
翼の生えた牡牛の姿で現れる悪魔。同様のモチーフを持つ悪魔にザガンがおり、能力もほとんど同じ、知識を与え、異なった科目を教え、金属を金に変え、水をワインに変え、ワインを水に変える(役に立つのか?)・・・というもの。
しかも、ザガンはその一つ前のヴァプラという悪魔と対を成している存在らしく、ますますこいつの存在意義が無くなっていく。まるでランブルが出ていないのにフレンジーがダブリまくった時の私のようだ。
名前はどっちも良い感じだとは思うんですけどねえ。
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49・クローセル
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Crocell
昔、72体の名前を並べたときに、一番頭を悩ませてくれた悪魔。当時の私の家にあった、72体がナンバリングされて順番に紹介されている本では、何故かその姿やら細かい能力とかに関する表記が無く、仕方なく、並列して他の本からその詳細を探していたのですけど、こいつの場合、前記の本では「クローセルcrocer」、後記の本では「プロケルprocer」と表記されていたのです。頭文字とか違うんじゃ、わかんねいよそんなん。
解説に戻ると、その姿は完全な天使の姿をしているとされ、能力も神秘主義・幾何学・一般教を教える。吹き飛ぶ水音や温泉を引き起こす、など悪魔的な感じを受けないものである。まあ、72体の中では、悪魔っぽい能力を持ってる悪魔の方が珍しいんだけど。
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50・フルカス
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Furcas
青ざめた馬にまたがった槍をもった老人の姿で現れる悪魔。
残忍で酷薄な性格であるとされるが、非常に博識で哲学・天文学・雄弁・論理・
手相占い・火占い等について教えるくれるという。
この姿はあたかも北欧神話やゲルマン神話における主神・オーディン(ゲルマン
神話ではヴォーダン)に近いものがある。実際、北欧ではキリスト教の影響力の強
まっていった10世紀後半ごろから、北欧の神々は(一神教にとっては邪魔でしか
ないので)悪霊のように扱われるようになっていった。キリスト教に改宗し、熱心に
信心したノルウェーの王たちはオーディンの正体は悪魔であると断言していた(し
かし、北欧神話の勇猛かつ美麗な世界観は、当時から多くの詩人たちに魅惑的
であり、『古エッダ』や『新エッダ』をはじめとする数々の資料や物語が現在の我々
にも北欧神話を伝えてくれている。キリスト教の影響によってスラブやドルイドにお
ける神話のほとんどが失われてしまっているのを考えれば、これはまだ、幸運な
方であろう)
フルカスのその姿には、そんな反キリスト教的なものへの嫌悪感がこめられてい
るのかもしれない。
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