生まれて初めての殺意〜当時の日記〜



5/8(月曜日)・病院へ

今日は調子がちょっとよかったので彼氏と一緒に大学に行ってパソコン室で歌さん闘病日記の編集をしてました。
でもその帰り道に、彼氏から荒川のことを聞いてショックを受けました。
実は彼氏は荒川に私が木下達と遊ぶために実家に帰った5/3夜に呼び出されていて、荒川の家に行ったそうです。
そして実は荒川が私に対して不信感があるということを知らされました。
きっかけはささいなことだった。
でも、そのことで私に不信感…。
そして、それは永井ちゃんやわっこも知っているのだそうです。
…裏で言われていた…。
どうしていいのかわからなかった。
私って私のいないとこでぐちゃぐちゃ言われんの嫌いなんだよね。
なんか文句があるならハッキリ言えっての。

私、荒川の彼女さんとも顔見知りでね、一回私がパソコン室でパソってる時に彼女と荒川に会ったらしい。
で三人でパソしてたらしい。(私は覚えていない)
でもって、私が荒川がトイレに立った時にその彼女さんに、「私なら荒川とは付き合わないね〜」って言っちゃったらしいのよ。
多分女の子同士の会話って雰囲気で言ったんじゃないかと思う。
彼女は荒川と大学違うから、やっぱそういう身近な人の言葉に翻弄されて悩んじゃったらしい。(私は知らない)
それで荒川も自分がいないところで言われたってことで不信感を持ってるらしい。
私としては、可愛い奴程文句言いたくなるっていうか…なんていうのかな。
例えば彼氏とか。めっちゃ感謝してるし、彼無しでは今私は生きられないけど、
恥ずかしいじゃん。そういうの。
だから掲示板では、「ったく、アホなんだからー」とか、会話でも「君ってほんとアホだよねー」とか言うんです。それは愛情の裏返しなんですよ。私にとって。普通の友達にはそういうこと言わない。
その「私なら〜」って発言はそういう感じで言ったと思うのね。憶えてないけど。
で、一回似たようなことを以前にもしちゃって、その時はハッキリ言われたから謝ったの。ちゃんと謝罪したの。
で、二回目だからって不信感なんだって。陰で言ってるんだってさ。
…私の性格知ろうよって感じ!(><)
私がホントにそう思ってると思ってるのかっての!!
ま、私が悪いからね。ハッキリ言われれば謝るよ。
でもそれを陰で言われてるだけじゃさ、私も謝りようがないし、どうすることもできないじゃない?
それじゃ、春合宿で言ってくれた「俺はまだ親友だと思ってるから」ってのも嘘ってことになるじゃん…。
私の知ってる荒川じゃないよ…。もうやだよー…。
そうやって私に隠し事をするのも今回で二回目。
今回は私が病気ということもあって、遠慮しちゃったのかもしれないけれど…今回のきっかけは去年の12月に遡るそうです。
私は一番鬱絶好調の時で、そんなことをしたのかすら、あいまいで…。
もう、荒川にとって私は親友ではないのだと思いました。
でもどうしていいのかわからない…だからとりあえず私は直接聞いていないので知らないフリをすることにはしました。
だけど…ショックだった…。
病気になって以来、全然私のこと構ってくれるどころか…私の鬱を促進させるようなことばかりするだけでなく…逆に不信がられていたなんて…。
結局その日は鬱になってしまって、病院で瑠奈ちゃんと一緒だったけど、タイミング悪く二人して鬱で…。
私はこの日安定剤が倍になりました。
そして先生からは「(私は)他の人に分かってもらおうとしすぎている。分かってもらえないのが当たり前位の気持ちでいかなきゃ」と言われました。
でも私は普通のクラスメイトに対して理解を求めているのではないのです。
親友に対してなんです…。
頭が混乱して、どうしていいのか…わからなくなった。
2000年05月19日 15時01分27秒



5/9(火曜日)・鬱

何が何だかわからなくなった。
きなこには相談した…。
そしたらきなこが明日荒川に会って直接話を聞いてくれるそうです。(きなこと荒川は私を通じてメール友達)
きなこもこの話は知っていたみたい…。
なんだか信用しようとしていた私が情けなくなった。
信用していた私が、情けなかった。
自分に自信がなくなった。
この頃から私は毎日壁を殴るようになりました。



5/10(水曜日)・みんなにぐちる

なんだか、無性にイライラしてきて、みんなにぐちメールを送りまくりました。
なんだかそれで自分を傷つけたり、鬱になっているのがバカらしくなってきた。
うがーって書いてメール送ったら少しすっきりした。

今の荒川にとっては彼女が一番なんだって。
結婚も考えてるんだと。もうどうぞお幸せに!!!!って感じだよ…。
その為に親友切り捨てたいならどうぞ…もう好きにしてって感じだよ…。
それできなこは「後悔しない?」って聞いてきたけど…。わかんない…。
もう何もわからないよ…。
私が鬱の時にヘルプメールしても完全無視、メールしてもしてもほとんど帰ってこない。
返ってきてもなんか凄い自分勝手なこと書いてたり。
私の痛みなんて全然わかってない…。
…でも病院の先生には分かって欲しがりすぎてるって言われたけどね…。
確かにわかりづらい病気。
でも親友だからこそ分かって欲しい。そういう気持ち、わからないかなー…。

でもなんか虚しい。信じていた自分が情けない。
2000年05月19日 15時02分46秒



5/17(木曜日)・初めてのリストカット

薬の作用で寝てしまった私は、そのまま眠り続け、この日の朝の4時に目が覚めました。
でもなんだかイライラして、ひとりではいたくなくて…。でも4時だから彼氏も起きてくれないし…。
寂しかった。
だから始発で自宅に帰りました。それになんだかわからない強迫観念のあった。
「帰らなきゃ…帰らなきゃ…」って。
きっとお母さんに「今日は帰るね」って言って出たのに家に帰らなかったことが罪悪感だったのかも知れません。
でもなんだかわからない正体不明の強迫観念はあった。
帰ってきても、なんだか無性にイライラするし、胃はぐるぐるしてて気持ち悪いしでイライラも寂しさも紛らわせられなかった。
だからおいしくもないタバコをたくさん吸ってみたりした。

リュウイチ(自宅パソ)が前から調子悪くて、とあるパソコン関連のHPの人に状態を説明してどうしたらいいかメールしたら返事が返ってきて、「買ってきた時と同じ状態に戻したほうがいい」と言われていたので、今日はそれを実行しました。
要するにOS再インストール。初めてだったからどうしたらいいのかわからなくて、バイオのカスタマーサポートに電話して、質問しながらやりました。
そのあと再インストールしたのはいいけど、全部設定やり直しだから忙しくなって、それはそれで楽しかった。
でもプロバイダーのパスワードをなくしてしまったのは痛かった…。再インストールしてからネットができなくなりました(^^;
でもネットがいつでも繋げないっていうのは…寂しくて。いつでもみんなに会えるっていう安心感がいつもあって…必要もないのにリュウイチを外に出るとき持っていったりする位、なのに…ネットが繋げられない、という不安がありました。
やっぱり辛いときいつでも気持ちを吐き出せる、そしてそれをわかってくれる人がいることがどれだけ支えになっていることかを改めて自覚させられました。
だから寂しくて、それを紛らわせるためにずっとリュウイチにかかりっきりになっていました。
そうしたら何も考えなくていいし、パソコン触ってるのは楽しいし。
だからHPとかもちょこちょこ製作したりしてました。
その時、ふとたまっていた日記を整理してたんです。
そしたらうがーっと鬱の波はやってきた。
もう夜になっていた。
今まで考えないように考えないようにしていた悪いことが全部戻ってきて…。
荒川のこと…。考えないようにしていた。とにかく考えれば考えるほど辛くなるから…。
そして健常者である荒川はどうせ平穏に生活しているのだから、私が一人悩んで、自分を痛めつけているのはバカみたいだって自分に言い聞かせていたから…。
でも一回思い出しちゃったら止まらなくなって…永井ちゃんに電話をしました。
でも、目の前にある(机のまん前に貼ってある)「大学三年次司法試験合格」なんていう張り紙とか眺めてたらなんだか、自分が情けなくて泣けてきた。
なにやってんだろ、私…って思った。
ホントはこの前の母の日に、択一を受けるはずだったのに…それを目指して今まで頑張ってきたのに…。
それは、永井ちゃんと電話しただけじゃ収まらず、母と話をしても収まらなかった。
もう耐えられなかった。
だから荒川に電話をした。もうどうにでもしてくれって気分で…。
…出なかった。
もう八方塞に陥っていた。そういう自分がとめられなかった。
彼氏にヘルプコールをしたけど、電話もしたけど、収まらなかった。
そしてお腹がすいたから、薬を飲んで寝ようと思って台所に行った。
その時ふと衝動に駆られた。
包丁を自分の左腕にあててみた。少しこすってみた。
でも包丁だから、怖くなってすぐ止めた。
部屋へヘンな気分のまま戻ってきた。
机かき回してカッターを探した。錆びたペーパーナイフにしかならないようなカッターが見つかった。
それで、何回も何回も自分の左腕をなぞった。
そしたらちょっと切れて、ああ、人間って肉でできてるんだ、なんてことを思ったりした。
その切り口を開くようにもう一回なぞって、やめた。
血は出ていない。なぞっただけ。ちょっと紙で切ったのかな?位の傷が残っただけ。
でも手は興奮で汗握ってた。
頭は異様に冷静だった。
そのあと彼氏、きなこ、のりぴー、木下に、「手首切った。もう限界」ってメールをした。
なんか自分にちゃんとアトが残っているのに不思議な安堵感があった。
ヘンな興奮が収まってから、布団にもぐって寝た。
2000年05月19日 15時05分49秒



5/20(土曜日)・二回目のリストカット。

朝からちょっとヤバめだった。
切りたい衝動を必死で抑えていた。
でも、きなこからのメールで荒川のこと思い出しちゃって、あとはもう止まらなかった。
あっちは健常者だから普通に生活できているかもしれないけど、今の私には死活問題なんだよ。思い出しただけで心がずしっと重くなるし…寒気がするし、壁殴りたくなるし、腕切りたくなるし…。
今私は凄い厳しい岐路に立たされてると思ってるの。リストカット常習者になるか、ならないかという…。母に聞いたんだけど、腕の横の切り傷というのはアトが残ってなかなか治らないらしい。だから…。
それに私は常習者の気持ちをわかってしまったよ…。自分の腕を切り刻む快感…。だから尚更二回目はダメだって思ってる。今なら後戻りできるって…言い聞かせているの。だからあいつのことは考えたくない。
もしラクになれるのなら縁を切ってもいいって思ってる。
だからまた気が向いたら電話するよ。私から縁を切る。
親友としての縁、だけどね。友達としてなら別に付き合っていってもいい。
今は親友だから、悩む。
これ以上自分の体に生傷はヤバイと思う。自分的にも。今両腕でこぼこだよ。特に右。多分自分じゃなきゃわからない程度のこぶなんだろうけど、痛いことには変わりない。左には相変わらず切ったアトがある。アトがあるだけで、私はまだ安定する…。
でも止まらなかった…。自分を追い詰めてしまって、タイミング良く彼氏がちょっとキツイこと言っちゃって…。
学校に行って、速攻カッターを買って切った…。
学校の廊下で…土曜で人がいないから…。
そしてきなこに電話して、学校来てもらって一緒にパソコンした。
くだらないチャットとかしたりして、楽しかった。
切ったせいか、とても落ち着いていた。
でも帰ってから見てみたら、今日切った傷がみみず腫れになってて、そのみみず腫れがめちゃめちゃ真っ赤なの…。
怖くなって掲示板の友達に言った。
即レスで、そんなものだと言われてほっとした…。怖かった。びっくりした。
今回は前回のような錆びたカッターじゃなくて、切れ味の良い新品カッターだったので…、力加減がわからなかった…。
母には言えなかった…。
一回目のとき、母に言って、カッターとりあげられちゃったし…。めっちゃ心配かけたし…。



5/22(月曜日)・最悪の一日・リストカット三回目

今日も授業補助のバイトがあったから学校に行きました。
そして無事に授業補助のバイトを終え、学校のパソコン室でそのままパソコンで遊んでいました。
そしたら、パソコン室に荒川がいた…。
気づいた私は、怖くなって部屋を飛び出し、彼氏に電話で泣きつきました。
怖い、怖いって…。
でも話さなきゃいけないって思っていたから勇気を振り絞って話しました。
もう話す場所に向かっている途中からすでに、体中ガタガタ震えて止まらなかった。
私の言いたい事ちゃんと言わなきゃって思ったけど…でも結局ダメだった…。
ものすごい冷たい言葉をたくさんなげつけられて、もうダメだった。
ずっと衝動を抑えていたけど、止まらなかった。切った。深く。血がしたたっていくつも落ちた。
荒川の目の前で切った。
心がもうぼろぼろ。信用しようと思っていた…信用したかった。
でもたくさん言われた。
「(私が)病気を治そうとしているとははおもえない」←サークルやめてないから
私が「これはあんたが付けた傷だって言って見せたら。「自分で切ったんでしょ」
「もう二回目だから信用できない」
「春合宿で親友だって言ったのはそれで丸く収まるならいいと思って言っただけ」
私が「私の親友の資格ない」って言ったら「俺にとってもね」
その他たくさん、冷たい言葉、傷つく言葉をたくさんいわれた。冷静に。
私は心が壊れてしまいそうで、苦しくて苦しくて泣きわめいた。
錯乱状態に陥って、自分でも何を言っているのかわからなくなってきた。
だから切った。楽になりたかったから。それはもう当然のように切った。
深く切ったらしく血がだらだら噴出して滴り落ちました。
痛くなかった。全然怖くもなんともなかった。
ただひたすら、彼の暴言で壊れた心を…苦しみから開放するためだけにやりました。
もっと切りたいのに取り上げられて切れなかった。
偽善者もいいところだ。
私の楽になる手段すら奪う権利はないのに。
ひたすら苦しくて苦しくて苦しくて…。衝動どころでなく、もうやることが当然のようにやった。
私は叫んだ。「私は苦しいから切るのに、なんでそれを止める権利がお前にあるんだ!苦しいんだから切らせろ!お前がやったことだ!!」
彼氏はちょうど私に会いに向かっていてくれてて、ひたすら彼を待ちつづけた。
もう心が壊れてしまう…!って思った。苦しかった。本当に苦しかった。
荒川が無理やり保健室に連れて行こうとしたが、私は動かなかった。
消毒する気なんてさらさらないし、私は切りたい。
血が滴り落ちるのが、さも当たり前のように感じた。
そしたら保健室の先生をよばれて…。私の病院を知っていて…先生に電話をしてくれた。
すぐ来いって言ってくれたって言われて、また泣いた。
もう子供のように声をたてて…。
保健室につれていかれた私は、保健室で温かい紅茶をもらった。それで飲んでいたら、彼氏がようやくついた。
彼に会った瞬間、また子供みたいに声をあげて泣いた。
彼が来てくれて安心した。
そのまま彼はバイトをさぼって一緒に病院に行ってくれた。

病院では子供みたいにわーわー泣きながら話をしました。
でももう放心状態で先生に何を言っているのか、先生は何を言っているのか、よくわからなかった。
ただ、今は休めと先生にいわれました。
強い薬をもらいました。
薬を飲んだら心の重いものがとれて軽いです。でも鬱です。

薬は異様に増えたらしい。今は鬱だけど心は軽い。重くない。
でも何も考えられない。
わからない。自分がわからない。
私は母や彼氏に迷惑をかけまくり、私自身も苦しくて、生きている意味はないんじゃないかと思う。
荒川の彼女を殺してやりたい。自分を抹殺してしまいたい。
彼女に顛末をすべて話してやりたい。
おまえの彼氏は人間のくずだと。
2000年06月04日 00時48分45秒



その後の私。

あまりにも思い出すと辛いのでざっと書きます。ずっと鬱の毎日。ふとした瞬間に何回も何回も荒川のことを思い出しへこむ。辛い。彼女を殺したい、荒川を殺したいって思っていた。

23日(火)、彼氏と付き合い始めて二周年記念日。鬱で外に出れない。でもLUNA SEAのライブがあったので無理矢理外にでて行って来た。
二周年なのに辛い一日だった。

25日(木)病院、相変わらず薬は強いままだったけれど、なんとかリストカット衝動、壁殴る衝動がなくなる。

27日(土)荒川に言いたいことを書いたメールを出す。

28日(日)母がボーリング&カラオケに連れ出してくれる。彼氏も誘って妹と母と四人ででかけた。ちょっと気分転換になった。
荒川から返事が返ってくるが彼氏に見せた上で彼氏に転送して私は見ない。(ライブまでにむやみに落ち込んでいられないから)

29(月)母が電話した上で荒川と話をする。私の病気のことを私以上に理解して上手に説明してくれたみたい。
私は病院へ。